伊藤章良氏の「オールアバウト裁判 顛末記」を読んで その2

現在発売中の「週刊ダイヤモンド 5/22号」に友里征耶が4ページ露出しております。メイン企画である「外食」のチャプター15、「ミシュラン、信じられますか」を担当しました。
未だミシュランなんかやっているのか、と突っ込まれそうですが、確かにミシュランについても語っておりますが、山本益博氏、小山薫堂氏、来栖けい氏などの著書についても個別に評価しておりますし、5000円前後の予算で食べられる「オススメ店」も5店ほど挙げております。
外食産業の裏表を理解するためにも、購入して私の担当ページだけではく全企画をお読みいただければ幸いです。

さて、昨日からはじめた「大人の食べ歩き」ライター・伊藤章良氏への問題提起。知名度がそれほどない方だと思っていたのですが、そのキャラが独特だからか友里ブログを読まれた方には好評のようで、友里掲示板も賑わっております。HPへのアクセス数は1割アップしました。
「勝手にコラボ」と私のブログと平行して伊藤氏の「自己弁護術」を解析する連載も友里掲示板で始まってしまいました。

http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/123
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/134
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/135

本日は昨年で終わったこの伊藤氏の「裁判顛末記」を、この時期友里ブログで取り上げる気になった理由を主体にすすめていきたいと思います。まずは件の「顛末記」のURLです。

?http://66frogs.com/frogs2009/eatout09/eatout09_1.html

実は伊藤章良さんが2006年末からオールアバウトと争っていたと知ったのがついこの間なのです。ネタ探しでヨイショライターのサイトなどをチェックしていて偶然見つけたのが数週間前か。
詭弁を弄する自己弁護の天才ではありますが、実態はヘタレだと思っていた伊藤章良氏。結構骨があるじゃないかと最初は見直したのですが、この「顛末記」を読み始めて直ぐさま

なんだ、いつもと変わらぬ、自分に都合の良いところだけ公開の自己弁護・自己陶酔ではないか。

とわかったのです。それだけではここまで反応しないのですが、メインテーマである「裁判」に関して自己都合からか多くの認識違いがあり、このままでは純粋な読者や彼の信奉者をミスリードしてしまうと思うようになりました。
彼の読者や信奉者にとっては「大きなお世話」と言われる今回の問題提起、取り上げることを最終的に決意したのは、いつものことなのですが、自分を美化、もしくは自己弁護するため、友人や知人を出汁につかう手法を今回も使っていたからなのです。
まずはその「Vol.6 「特別送達」の衝撃と立ち直り」をお読み下さい。

http://66frogs.com/frogs2009/eatout09/eatout09_6.html

伊藤氏はこの裁判を最終的に引き受けてくれた知的財産法専門の弁護士を絶賛しています。大変有能であったと褒めたいのでしょうか、その為に、提訴を受けて最初に相談した自分の友達の義兄の弁護士を比較のため無力のように揶揄しているのです。

例えば医者は、かかることより選ぶことの方が大切だとも言われる。
でも、弁護士は医者以上に優れた人・専門分野に精通した人を最大限努力をして探すべきだ。医師の技量で長く人生を楽しませてくれるなら、弁護士の能力によっては、人生が確実に変わるのである。

医者の選択を引き合いに出してなんともオーバーな表現。頼む弁護士によって「人生が変わってしまう」とまで言い切っています。
40代半ばになるまで裁判を知らず、たった一回それも1000万円程度の損害賠償請求訴訟を、しかも「和解」で一回だけ経験しただけでここまで言えるのか。
しかも、揶揄した相手は自分の「友達の身内」ではないか。
実は友里、この友達と義兄の弁護士が誰であるか特定出来ております。お二人と何回も会食したこともあります。このお友達が伊藤氏とプライベートで親しいのもよく知っております。

格安料金で弁護を引き受けたのは勝手ですが、有利に進めていたと自称し、判決が出れば前例のない「判例」として法曹誌で取り上げられ、後世の裁判にも強い影響を与えるという訴訟(あくまで伊藤氏の談)をあっさり「和解」にしてしまったその弁護士が、本当に優秀なのか。

アメリカのオールアバウト社へも問い合わせる行動力や知的財産法の専門家ということから、この弁護士はいわゆる「渉外弁護士」と推測します。日夜契約書など文章をチェックするのが本業のこの手の弁護士、日夜準備書面を書いて裁判所で泥臭く活動する「法廷弁護士」とは、同じ弁護士でもまったく業態が異なるのです。
私に言わせると、裁判所との駆け引きには不慣れ。よって、その弁護士から吹き込まれたのでしょう、「Vol.10 裁判官という職業」では、裁判官が判決を書きたがらない理由がかなり的外れ。その詳細は後日のブログに譲りますが、それだけでも依頼した弁護士が裁判官に不慣れであることがわかると言うものです。

http://66frogs.com/frogs2009/eatout09/eatout09_10.html

裁判官は上級審で自分の判決を覆されるのを嫌うのは事実ですが、それだけで判決を書かず和解に持ち込みたがるのではありません。
裁判官の査定項目には、案件の処理能力(件数が多い方が良い)が大きな比重を占めているのです。証拠調べまでグダグダやって面倒な判決文を書かなければならない結審(最低でも1年かかる)も、和解調書1枚であっという間に終わる和解も、処理件数1件ですから査定は原則同じ。裁判所にとってたいした意味のない民事訴訟は、故に上記の理由から和解へ持って行きたがるのです。
上級審で自分の判決を覆されると出世に響くと思うから、保身の裁判官は日夜、上級審にて覆されないような無難な判決結果を考え続け、結審の時はその結果を逆算して判決文を書くのです。
和解は双方の合意が必要。しかも和解結果は足して二で割る結果(痛み分け)に近い内容になりますから(どちらかの完全勝利では和解になるはずがない)、有利(勝てる)と思っている原告や被告がわざわざ和解に同意するはずがありません。
勝てる裁判だと思っていても、もしかしたら負けるかも、と思うから和解で妥協するんですね。
双方のどちらかでも和解に同意しなければ、裁判官は渋々でしょうがしっかり判決を出してくれるということを、伊藤氏やこの渉外弁護士はご存じなかったのでしょうか。
(読者の方からご指摘を受けました。和解に至るもう1つの動機を見逃していると。判決では敗訴になりそうなことがわかり、社会的な立場を考えて内容は敗訴のまま和解という形をとって公になることを極力防ぎ、体面を保つ場合であります)

恐らくタダみたいな形で伊藤氏は友達の義兄弁護士に相談に行ったのではないでしょうか。伊藤氏は弁護士業界で語られる「筋の悪い依頼」というものをご存じないのでしょう。
色々な意味がある「筋の悪い依頼」ですが、伊藤氏の依頼の場合は、?

裁判所にとっても自分(弁護士)にとっても、エポック的な訴訟ではない
それなのに手間がかかる割に、相当額の弁護費用を依頼者に期待できない

と判断したかもしれないのです。
店が客を選ぶことが出来るように、弁護士も依頼者を選ぶことが出来ると言うことを世間知らずの伊藤氏はご存じなかったのでしょう。

仮に最終的に依頼した弁護士が本当に優秀で、相談した友達の義兄弁護士がイマイチだったとしても、なぜわざわざ「顛末記」で揶揄のごとく取り上げなければならないのか。

その友達の立場はどうなるのか。「顛末記」を読んで気分を害することが予測できないのか。

格安で引き受けてくれたその渉外弁護士を絶賛するのは自由ですが、だからといって友達や義兄を引き合い出す必然性はないはずです。
彼の頭には「自己都合」しかなく、親切に相談に乗ってくれた友達周辺へのリスペクトと言いますか配慮の欠片もない様が、伊藤氏の性格を如実に物語っているのです。
昨日のブログにも書きましたが、自分を美化する、自己弁護するなどの時は、知り合いや友達の立場や都合を考えず踏み台にしてしまう伊藤章良氏。

よくまあここまで、読者を信奉させるため、自己保身のために、いい加減な文章をばらまくものかと憤慨したのが、今回の問題提起の一番の理由であります。