先週土曜発売の日刊ゲンダイの記事では否定的に取り扱っていたこの問題。皆様はどのようにお考えでしょうか。
日本の法人税率が国際的に見て高いのが競争力の低下に繋がっているという財界側の主張。それを受けて、自民党だけではなく民主党までもが呼応してきました。
本当に法人税率を下げたら、国際競争力が上がるのだろうか。
まずは個人の場合に当てはめて考えてみましょう。
所得税率が下がったら可処分所得が増えます。つまり、手元に残る「お金」は確かに増えます。でも、それだけで個人の仕事が増えて(役職が上がって)収入が増えるのでしょうか。
増えた分だけ食に、衣類に、そして車に使ってしまうだけなら、収入増にはなりませんし、勉強しなければステップアップにもなりません。
増えた分を、上司や会社幹部への「賄」分にまわしてこそ、出世の道が開き収入増になるわけです。
増えたお金を使って勉強するなど個人的な投資をしない限りステップアップもありません。
要はその人自身の「努力」次第なのであります。「賄」含めてゴマすりをする人は、所得税率の如何に関わらず普段からやっているものです。
私はこの「努力」が「所得減税」で喚起されるとは思えないのです。
企業も同じ。路チューをしたり、国際的に優秀な人材の確保の為と詭弁を弄して自分の報酬だけバカ高くしている企業経営者たちが、法人税減税でもって国際競争力をアップする「努力」をするものなのか。
本当に努力する経営者なら、法人税が下がらなくてもやっているはずであります。自分の報酬を下げてでも「努力」をするのではないか。
税率が高いと本社が海外へ逃げてしまう
といった説得をする人もいます。でも本当でしょうか。
優秀な人材を確保するにはその人材にお金をかけるべきなのに、自分の報酬だけバカ高くしているゴーンを挙げるまでもなく、大企業の経営者(大企業に限らない)たちのほとんどが、
会社よりもまず自分
であります。大企業の経営者が会社の借金に対する個人保証をしていないことからもわかるように、彼らは会社より自分のことを第一に考えております。
そんな連中が、法人税率ごときで本社移転して自分の居住地をかえるリスクをするものでしょうか。住みやすい日本を離れることができるのか。
治安も悪くて安心して「路チュー」も出来ないぞ
と私は企業経営者達に忠告したい。
「法人税減税で国際競争力アップ」はまったくのデタラメと私は考えます。