「霞町すゑとみ」のドタキャンペナルティを取り上げた先日のブログ、掲示板やメールで色々なご意見をいただきました。本日は自身の話も含めてドタキャンについて再考してみたいと思います。
掲示板ではこの「すゑとみ」で実際ドタキャンされた方の書き込みもありました。ドタキャン側は恫喝にもとれる請求が事後にあったと書き込まれております。
あの体躯と面構えの主人に凄まれても、私はまったく怖いとは思いませんが、実人物を知らない方には相当な恐怖だったのか。
しかしいくら連れが急病だと言っても、せめて断りの電話だけは入れていただきたかった。確かに恫喝とも受け取られる電話は許せる事ではありませんが、キャンセル客にも「礼」と言いますか問題があったと私は考えます。
本当に行ってみたい店だったら、後々を考えてせめてキャンセルの連絡をするのではないか。次の予約が入れにくくなるからです。?
記憶に残るところ、私もドタキャンをしたことがあります。いや、結果的にはドタキャンにはならなかったのですが。
数ヶ月待ちでしか予約が入れられない銀座のお店。当日の夕方、持ち込みワインをもってタクシーに乗りこもうとしていたと思って下さい。そこへ身内がたまに通っている病院の婦長から緊急の連絡が入りました。
完全房室ブロック
聞いたことのない専門用語でしたが、要は緊急手術が必要とのことで、直ぐに救急車で専門病院へ転送するとの連絡でありました。
さすがにこの連絡を無視してヒレ肉を頬張るわけにもいかず、店訪問をこの時点で断念。タクシーの行き先を病院へ変更して、店には理由を簡単に話して断りを入れたのであります。
おかげさまで、ある機械を埋め込めば普通の生活に戻れるとの担当医の説明に胸をなで下ろしたのですが、手術を担当する医師が学会へ出ており戻って手術がはじめられるのが22時頃と聞いて、耳元に悪魔の囁きが聞こえてきたのです。
あと3時間近くあるから食べに行けるぞ
次の客が入っている可能性もありますので、満席だったら持ち込もうとしたワインをお詫びに置いてこようと病院を抜け出したのはその数分後でありました。
恐る恐る店のドアを開けましたところ、本当のドタキャンでしたから席は空いておりまして、調理を急いでもらいましたが手術予定時刻の30分以上前に、無事ほろ酔い気分で病院へ戻れたのであります。
結果的には医師の戻りが遅くなったのと、状態が急変する可能性が無くなったということで、手術は翌朝に持ち越されたのですが、ちょっとした綱渡り的な店訪問でありました。
身内に対して不謹慎であるとアンチから突っ込まれる可能性もありますが、数年前、やはり身内の死後、通夜までの数日も、予約を断るのは拙いと銀座の人気鮨屋などへ行ってしまった友里。今回も当然の行動でありました。
理工系で合理的な考えなのかもしれませんが、店へ食べに行っても何ら廻りに迷惑がかからない、結果は変わらない、と考えての行動であります。
まあ、友里征耶の看板(たいしたものではないですが)がありますので、飲食店業界から「後ろ指」をさされたくないといったモチベーションもあっての、この一般には非常識にも見える予約遵守でありますが、一般客の方には、例え緊急の理由があったとしても店へせめて「一報」だけは入れていただきたいと思います。
移動中にでも携帯を使えば1分で終わる社会人として最低限の「義務」であると私は考えます。