友里征耶の週間食日記 5

レストランへのワインの持ち込み、今週はこのテーマで掲示板が盛り上がりました。
レストランは酒類の販売を想定せず料理の提供だけで成り立つものなのか。水だけ、せいぜいスパークリングウオーター(ソフトドリンク)だけしか頼まないランチオバサンや酒を飲まない若者も増えてきているだけに、大きなテーマかもしれません。
ただし友里として酒飲みの立場で考えると、レストランが料理だけで成り立つ商売をはじめてしまったら、料理のCPはどの店でも今より落ちてしまうと心配してしまいます。

さて週間食日記です。

月曜日
夜:神田の街場的中華料理店
久しぶりの訪問。自分で予約したけど支払いは取引先、つまり他腹でした。ご馳走してくれるというので、手頃な価格で好みの料理を出す店を選びました。麻婆豆腐を含むコースに紹興酒を結構飲んで一人当たり7000円。CP良いです。

火曜日
昼:祇園の蕎麦屋
夜:祇園の割烹
知恩院に用事があり京都に宿泊。昼は鰊蕎麦を食べ、夜はオススメ本の確認で小さな割烹店へ。
割烹と言ってもお任せなのですが、華はないけどオースドックスな京料理。ちょっと飲み過ぎたのか1万円台半ばとなりましたが、食後感は良かったです。

水曜日
昼:オークラ近くの割烹
夜:四条近くの創作系京料理店
京都に用事が続いて連チャンです。この割烹はアラカルトオッケーで嬉しい。鱧は湯引き、焼き霜、お椀と3種。鮎が売り切れで残念でした。
夜は評判の店の創作コース料理。奇を衒った創作料理が嫌いな友里ですがここは許容範囲内と判断、オススメ本の確認です。今回はちょっと創作がきつかったか。

木曜日
昼:京料理店
夜:新橋の鮨屋
京都最後の店はクラシックな京料理。鱧、鮎、その他の料理も満足でありました。
夜は東京へ帰って接待。たまに行く鮨屋なのですが、マスコミ露出していないので、ブログで取り上げておりません。

金曜日
昼:東麻布の鰻屋
夜:原宿の四川系料理店
東麻布の鰻屋と言えばピンと来る人も多いのでは。丑の日を過ぎていましたので簡単に入れました。
白焼き(天然)、蒲焼き(養殖・天然)といつものパターンでしたが、相変わらず蒸しすぎで私にはイマイチ。
夜は日本一辛い(痺れる)麻婆豆腐を出す店。一時はクオリティが落ちて客が離れたと感じていたのですが、復活したのか満席で料理も満足しました。しかし食べ過ぎたのか飲み過ぎか、一人当たりの単価が大台を超えてしまった。

土曜日
昼:ジャスコの讃岐うどん店
夜:赤坂のすき焼き屋
買い物に行ったついでに数年ぶりの讃岐うどん。
夜は個人接待で一軒家すき焼き店です。ボルドーワインの値付けが安いので、すき焼きにワインを合わせてしまった。松茸入りのコースでしたが、満足しました。

日曜日
夜:内食
ここのところ昼食をとりすぎたので、昼はジムで汗をかき夜は家で久々の食事でありました。

ワインの持ち込みについて 5 まとめ

レストランへのワイン持ち込みに関して客側のマナーに問題提起したからでしょうか、一般客の立場の友里征耶が店側に軸足を移したのかとのご指摘をいくつか受けました。
確かに普段は店側への厳しい問題提起をしてきた他称・悪口批評家、すわ山本益博氏や「さとなお」氏のように、方針転換して店側に媚び売り、延命を図ったのではないかと感じた方も多かったのかもしれません。でもスタンス変更はまったくしていないのでご安心下さい。私は

店と客は対等な関係である。どちらが上でも下でもない

と主張しております。料理と酒類のセット販売であるレストランで、酒を飲む客が店の酒類を頼まないのは、全席指定の特急で自分は座らないから席代は払わない、と言っているようなものです。

本来、大きな顔して堂々とワインを持ち込めるものではなく、どちらかというと小さな顔してワインを持ち込むべきと私は考えるのです。よって、ワインを持ち込むことによって、店側に負い目を抱くことのないよう

料理はコースの場合、高い方を頼め
初回の訪問ですぐ持ち込み交渉をするな
店のリストからもワインを頼め
どこでも飲めるようなワインは持ち込むな
ケースで送りつけるようなみっともないことをするな
自分たちだけで飲み干さず、スタッフにもふるまえ
毎回毎回ワインを持ち込むな

などと主張したのです。要は

ワインの持ち込み=支払い額の節約

と露骨に見える行為を控えろと客に矜持を求めたい。常連なら、常連になりたいなら、店で良い顔をしたいなら

それなりに見栄を張れ。店に借りをつくるな。

と私は主張したいのです。

そしてあまり話題になりませんが、使用グラスの数についても考えてみたい。
現在はワインの本数だけが持ち込み料の基準となっておりますが、私はグラス数(客数)も考慮に入れるべきではないかと。

カップルの2名とワイン会での10名ではグラスの数が違いすぎます。持ち込むワインが増えれば増えるほど、この開きは大きくなるわけです。
用意する手間、洗う手間、割れるリスクも使用数に比例します。ワイン1本当たりだけのカウントでは不公平。
よって使用するグラス数も考慮に入れた支払いシステムを考えるべきではないかと考えるのです。
基本はワインの本数に一定の料金を掛ける。4名以上の場合は、超えた人数にも一定の料金を加算する、というようなシステムです。

上記の主張や提案は店側に媚びたわけではなく、友里として、いや客として、店に貸しをつくらず対等に付き合いたいという私の基本スタンスからの考えであります。

ワインの持ち込みについて 4 持ち込むワインについて

日本相撲協会がまた失態を演じたようです。気に入らない弁護士との契約を勝手に切ろうとしてマスコミにみつかり、慌てて撤回したというドタバタ劇。
こんなことをしたら又世論や文科省から批判を浴びるのは子供でもわかると思うのですが、協会幹部(力士生え抜き)の思考は子供以下なのか。
閉鎖社会での純粋培養、外部との接触はタニマチかその筋の人くらいのようですから、一般常識はそれほど必要がないのかもしれません。

友里掲示板では相変わらず「名古屋論」で盛り上がっているようです。知れば知るほどその独特のキャラに驚き、感心し、笑ってしまう(ご免なさい)名古屋文化。
元は名古屋の自称ワイン通や自称セレブのレストランへのワイン持ち込みが、「ケース単位(12本)送り」という風習に問題提起しただけ。ここまで発展するとは思いませんでした。

さて本日はレストランへ持ち込むワインについて、友里なりの提案を書いてみます。?

1、持ち込みワインには見栄を張れ

ワインショップから直接ケース単位で送れるワインは若いボルドーかせいぜいブルゴーニュ。世にはマルゴーやラフィット、ペトリュスといった1級(特別1級)ボルドーや、シャンベルタン、リシュブール、コルトン・シャルルマーニュといった特級ブルゴーニュの名前を聞いただけで飲みたがる人がいるかもしれませんが、ワインの経験や知識がある程度ある人なら、ケース単位で送れるような「若いワイン」やどこのドメーヌが造ったかわからないワインを敢えて飲みたいとは思わないもの。つまりソムリエやシェフに

どうだ、○万円のボルドーだぞ

と言っても、有り難がる人は少ないのではないか。ワインを持ち込む際は、店スタッフ達が日頃飲まないワイン、知らないワインを持ち込むべきと私は考えます。
ましてや、店のリストにあるレベルのワインやそこらのワインショップでいつでも手に入るようなワインは持ち込むべきではないと私は考えるのです。そんなワインを持ち込んだら、

ワイン代を節約したいだけではないか

と店側に思われてしまうからです。常連として通い続けたいなら、店で軽く見られたくないなら、そのくらいの見栄を張る必要があるでしょう。

2、記念的なワインならオッケー

ワイン好きは自分の生まれ年のワインに思い入れがあります。普通、女性の方は自分の歳を明らかにしない傾向があるのですが、私の知る限りワイン好きの女性はほとんど自分のヴィンテージ(生まれ年)を開示しております。
何かの時、例えば誕生日やクリスマス、祝いの席など節目の時に自分のヴィンテージを飲みたいと思うものです。そんな時はやはり自宅よりレストランでワインを開けたいもの。
よって、記念日や祝いの時に、ヴィンテージワインをレストランへ持ち込むのは良いと私は思います。
仮にそのヴィンテージワインがそれほど珍しくないとしても、例えば二十歳の息子や娘の誕生日、20年前のワインはさほど珍しくないですが、昔から保管していた思い入れのワインでしたら店側も快く受け入れてくれると思います。
かくいう私も身内のワインはかなりの量を買い込みました。といいますか、それ以降のワインは家で飲むレベルのワインしか購入しておりません。身内の節目の時はそれらのワインを持ち込める店を探したいと思いますが、飲みきれないでしょうから持参金替わりにでもつけるしかないでしょう。
名古屋では受け入れてくれないかもしれませんけど。

3、レアワイン

ワインの持ち込みで一番見栄を張れるワインです。シェフやソムリエが飲んだことないワイン、垂涎のワインたちであります。
昔ワインオタク達が、古酒を自宅でバケットに合わせて飲んでいると聞いたことがあります。料理が邪魔しないよう良いワインはそれだけで味わいたいという事らしいですが、私にはオタク達が飲んでいる様を想像するだけで不気味に感じてしまいます。
?

店と客は対等というのが友里のスタンスの根幹であります。1本3000円の持ち込み料で了解したのだから、どんなワインを持ち込んでも構わない、店のワインを頼む必要もない、と言ったご意見もいただきましたが、私はそうは思わない。
以前は持ち込み可だった店が、その後に「不可」になった例は枚挙に暇がありません。
言い過ぎかもしれませんが、ケース送りの名古屋人含めてKYな方々が、どんどん持ち込み可の店を減らしていると私は考えます。