めしとも12月号、発売中

今年もあと1ヶ月余り。気温もようやく平年並みになって来たと思いますが、年末の活気というものをあまり感じません。
上場企業の上半期決算、多くが昨年を上回る好成績のようですが、街中の景気とはかなりのギャップがあるのではないでしょうか。
大企業と一部の役員が大儲けしても、マジョリティーであるその他大勢は沈み込んだまま。小泉改革以来の「格差肯定政策」のたまものであると考えます。
そのうえ更に法人税を下げてその分を他の増税で補ったらどうなるか。ますます格差がつくことは、サルでもわかると思うのですが、現政権は延命だけを考えているからか、まったく気付く素振りが見えません。

さて発売中の「月刊めしとも 12月号」、メインテーマは

東京 溺愛 居酒屋

せんべろ(千円でベロベロになれる)、2000べろ(2000円でベロベロ。これは初めて知りました)、3000べろなどカテゴリーを分けてのランキングであります。
友里が取り上げる店とはまったく異なる分野でありますが、体調が完全に回復したら参考にさせて貰いたいと思っております。

さて恒例の名物ライター連載ウオッチング、まずは「めしとも」の仕事が主力といいますか、「めしとも」で食いつないでいると言っても過言ではないJ.C.オカザワです。

今月の「B級グルメ 男の作法」、ネタ不足で内容が乏しいのに、その1、その2と2ページにわたって(P.64、65)グダグダと、参考にならない思い込み作法(居酒屋限定)をどこで仕入れてきたかわかりませんが俄知識と共に展開しております。
日本酒の燗について色々言っておりますが、普段は焼酎しか飲まない(飲めない)のに、よくここまで蘊蓄を語れるなと感心しました。寿司屋でも焼酎一辺倒なのに、居酒屋で日本酒など飲むのか。

その2では、ツマミの頼み方を力説しておりますが、端でみていたらどうでも良いようなことばかり。
めしとも編集部の思いやり(原稿料アップ)でページを増やしてもらったのですから、もうちょっと面白い内容にしてもらいたかった。

続いて担当しているのは、そば探訪記その4「ミシュラン店覆面調査」(P.88)です。ミシュラン掲載の5店を評価していますが、普段訪問する店ではない、つまり高額店に位置する「翁」の評価が最良なのはいかがなものか。
客単価2万円と日頃の10倍の予算の店へ行って舞い上がってしまったとしか思えません。10年以上前から訪問していれば、CPの劣化が激しくとても高評価を与えられる店ではないのですけど。

15年間「世界一ソムリエ」の肩書きを引っ張っている田崎真也氏の「せんべろ行脚」は

徳多和良(とくだわら)

という北千住の店。当然ながら友里はまったく知らない店でありますが、誌面のリニューアルでこの企画にしてから、読者の評判が良くなったとの噂を聞いております。

来栖けい氏の「くるす流おめがねレシピ」(P.95)は

ちいたけ(椎茸の小振りな品種?)の揚げ物

写真を見る限り衣が油を吸収しすぎている感じで、最近のヘルシー志向と真っ向反する調理のようです。
しかしこんなところでレシピを書く暇があったら、来年4月に交替させなければならない「エキュレ」シェフの代替人を見つけるのが先ではないか。半年を切っているのですから。

そして友里の担当はいつもの通り2つ。
P.93の「真・江戸前鮨入門」では

鮨 水谷

を取り上げております。前月の「鮨 さいとう」に続いて珍しく高評価する店が続きました。
好評?企画の「男と女の新レストラン調査」では、マスヒロさんもライバル誌(おとなの週末)で絶賛していた

レフェルヴェソンス(西麻布)

を訪問しております。最近流行の多皿少量ポーションコース&低温調理(店では低速調理と称している)でありましたが、料理としての完成度は

フロリレージュ、アニュ、ハジメよりかなり上

と判断しました。奇しくもマスヒロさんと似たような評価になりましたが、食後感が良かったので仕方がありません。

その他にも「月刊めしとも」には色々な記事、特集がありますので、お近くのコンビニ、書店、もしくはアマゾンで購入してお読みいただければ幸いです。

最近訪問した店 短評編 46

掲示板では、私の今回の欧州旅行(パリ&アルバ)に関して

会社経費で落としているのではないか

といったつまらない質問が出ているようです。

http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1288245668/226-228n

時々このような下らないアンチの質問が出てくるのですが、古くから私のブログなりコラムを読んでいなかったのか。
私ほど敵が多いライターはいないですから、そのように突っ込まれるような下手(単なる遊び旅行に会社経費を使うなど)は打っておりません。アンチだけではなく、社員の手前もありますし。

パリ・アルバ旅行は完全な個人支払い。アップグレードしているとわかってしまったようですが、強いて挙げるなら、出張で行った際のフライオンポイントも結果的に利用しているくらいでしょう。
そして海外旅行は副業での経費にも落としておりません。収入よりはるかに高くなりますので、税理士から拒否されております。

今年半ばの北南米旅行やこの後行く予定の欧州旅行は仕事ですので、航空券や宿泊代は会社持ちとなりますが、食事代は原則自腹(客を接待の時は別)であります。
こんなスタンスで8年近くやっているのです。マスヒロさんなどヨイショライターのように脇が甘くない友里、アンチの浅知恵による突っ込みにやられるような下手は打っておりません。

さて6店です。

アカーチェ
何年ぶりの訪問でしょうか。オススメ本の確認で再訪。客は少なかったですが、相変わらず美味しゅうございました。

清壽
確認のため再訪。ワインが安いしリストも豪華。生まれてはじめてと言って良いでしょう、天麩羅店でシャンパンをオーダーしてしまいました。天麩羅は前回より良くなったように感じます。オススメです。

サルシッチャ・ウノ
多店舗展開会社・際コーポの経営ですがランチの印象が良かったので夜訪問。しかし、頼んだ料理がいけなかったのか、昼ほどの食後感を得ませんでした。再訪しなければ評価できません。

ラ・リューン
久々の訪問。プリフィクスのコースをオーダー。
ワインの値付けも高くはなく、価格を考えれば満足しました。

尾崎幸隆
確認で再訪。今回はMSG疑惑のユッケも堪能?しましたが、この支払いで鮪と和牛、トリュフオイル入り(笑)の卵かけご飯も出ますから、満足です。

鳳仙花
これまた確認で再訪。添加物が多いからか、かなり甘い味付けのものもありますが、支払い額を考えると文句は言えないでしょう。相変わらず満席でした。

友里征耶の週間食日記 18

友里掲示板(ミシュラン関西版スレ)では関西の寿司屋に話題が移っているようです。
最近増殖を続ける関西若手寿司屋。とくにミシュラン掲載店のほとんどの主人が、江戸前鮨屋での修業経験がないのではないか。以前から友里は、

鮨屋の修業は和食と違って一人前になるのに時間がかからない

と言っておりましたが、まったく修業しない自己流(見よう見まね)で「人気鮨屋」になってしまうのは、関西寿司好きの方達の懐の深さ、優しさのお陰であると考えます。
東京で修業歴のない寿司屋なんて業界人にしかウケない「鮨なかむら」くらいしか思い当たりません。東京の鮨好きは関西より厳しいと言えるでしょう。

さて食日記です。

月曜
昼:機内食
夜:パリの3つ星
機内でアラカルト。前菜や珍味、焼き鳥、カレー(小山薫堂プロデュース)を食べてしまいました。それなりの食後感であります。
夜(時差がありましてパリ時間)は空飛ぶ料理人プロデュースの店。コースを頼みましたが、少量多皿ですべてがイマイチ。あとで聞いたところ、最近シェフが替わったばかりだとのことでした。

火曜日
昼:パリの3つ星
夜:パリの韓国料理
昼は好きなレストランを再訪。今回はホタテ白トリュフ掛け、リードヴォーを頼みました。飲んだワインは79年リショット・シャンベルタンで造り手はジョルジュ・ルーミエ、大変美味しゅうございました。
夜は何を思ったか韓国料理店へ。日本の韓国家庭料理とはまったく違っておりまして、オデン定食を食べて帰りました。

水曜日
昼:パリの和食屋
夜:パリのネオビストロ
昼は胃もたれを避けて和食へ。懐石コースを頼みましたが、評価のしようもないレベルでありました。しかし懐石のメインが鰻の柳川風ですから驚きました。
夜はフィガロジャパンにあったネオビストロ。「昔」というような意味の店名で期待したのですが、イマイチでした。

木曜日
昼:宿泊ホテルでブチデジュネ
夜:パリのネオビストロ
シャンパン飲み放題のビュッフェが無くなっておりました。よってシャンパン1杯付きのセットをオーダーしました。
夜はかなり中心から離れたネオビストロ。ピエドコション、羊のトリッパの煮込みと美味しかったです。

金曜日
夜:アルバ郊外の1つ星
移動日なので昼は抜き。夜は昨年も訪問したお店で、白トリュフを堪能しました、美味しかった。

土曜日
昼:アルバ白トリュフ祭り会場
夜:アルバの店
昼は会場で白トリュフ掛け目玉焼き
夜は昨年訪問した地下の店。白トリュフ尽くしを堪能しました。

日曜
昼:祭り会場
夜:宿泊ホテル
昼は昨日と同じ場所。今回はラビオリに白トリュフを掛けてもらいました。
夜は宿泊ホテルのメインダイニングが満席だったので、ワイナリーと称するサブのレストランへ。
ブラ出身のシェフだったおかげで、ブラのソーセージをはじめて食べることが出来ました。メインはトリッパ。量が多かったです。