友里征耶の週間食日記 22

「宇宙戦艦ヤマト」の実写版が結構客を集めていると聞きました。以前のブログで

見る客などいるか

と予想した友里、またまたはずしてしまったかもしれません。思えばW杯の予想でも日本代表の?

3戦3敗

を堂々と予想して大恥をかきました。やはり餅は餅屋といいますか、レストランの集客予想以外は当たらないのかもしれません。
でもハズレることがしばしばあるから面白いのが「予想」であります。来年も懲りずにレストラン以外の予想を披露するかもしれません。

さて店評価ブログに、海老蔵のおかげで更に評判が悪くなった西麻布の2丁目にあるフレンチ「レフェルヴェソンス」と六本木ロアビルの「ヴァニティ・ラウンジ」をアップしております。
ぜひお立ち寄りください。

それでは週間食日記です。

月曜日
昼:機内食
夜:空港近くのホテル
昼はロンドン行きの機内でツマミや前菜のアラカルト。
夜はデュッセルドルフへ深夜着いてルームサービスでもと計画していたのですが、欠航となってヒースローに足止め。バウチャー専門のホテルに宿泊させられまして、その食堂で簡単にお腹を膨らませました。食べた内容はわざわざ表記するようなものではありません。

火曜日
昼:ホテルのレストラン
夜:郊外の2つ星レストラン
午前中に目的地に着いたのでチェックインしてまずは腹ごしらえ。そのホテルのメインダイニングで、生牡蠣(ブロン)やサラダ、そしてタルタルステーキを食べました。結構美味しかった。
夜は和のテイストをふんだん、もとい、異常に盛り込んだ創作フレンチ?料理。山葵だ、抹茶だと、それは食べきるのに苦労したコースでありました。ソムリエ職は女性でした。

水曜日
昼:市内のビアレストラン
夜:郊外の2つ星ホテル
昼は古くからある有名なビアレスランへ。ザワークラフトスープ(これが挽肉入りのトマトスープみたい)、ザワークラフト、ブラック・プディング(ブーダン・ノワール)、ライニッシャー ザウアーブラーテン(牛タンと赤キャベツの酸っぱい煮込み)をビールと共に味わいました。ドイツでは前日の昼とこの昼食だけがまずまず満足でありました。
夜はロブスター尽くしコースがウリの店。前菜からメインに相当する4皿がロブスター。何で内陸のデュッセルドルフでロブスター攻撃に耐えなければならないのか。はっきり言って食べきるのが苦痛でありました。これがなんで2つ星なんだ(怒)
ここも女性がワインサービス(というかホールスタッフがすべて女性)でありました。

木曜日
夜:パリの3つ星
昼は予約便が欠航したこともあり抜き。再予約の便も大幅遅延してしまい、3つ星へ入店できたのはラストオーダー30分前となりました。
白トリュフのスパゲッティ(はっきり言って期待はずれ)と昨年好印象だったリエーブル(今年は臭くて変に濃くて美味しくなかった)を食べました。

金曜日
昼:シャンゼリゼ通りのアルザス料理店
夜:パリのビストロ?
昼はJALのガイドで見つけた店。地元客で流行っておりました。ブロン潤・Pに好きなシュークリュートをオーダー。量は多すぎて肉類は良かったのですが、肝心のキャベツが発酵していない感じでイマイチでした。
夜は「雌鹿」の店名の飯屋へ。一番のウリの雌鹿の煮込みを食べましたが、私には理解できない味(臭みのわりにツメが緩すぎ)でありました。ボリュームはありすぎでした。

土曜日
昼:ホテル
夜:機内食
朝昼を兼ねて宿泊ホテルの新館のレストランで朝食。最近出来たばかりのようですが、いつ見てもガラガラです。クロワッサンは相変わらず美味しかった。
夜は成田向けの機内でツマミなどをアラカルトで。同じシャンパンとスティルワインはもう飽きました。年末のパリ行きもこのワインかと思うと辛い。
有坂芙美子さん、機内のワインを定期的に変更するよう提言します。

日曜日
夜:内食
夕方に帰宅し、当然ながら家で夕食をとりました。

あのヒロソフィーが交詢ビルへ移転?

来年度の税制大綱が閣議決定されたようです。実質5%法人税が引き下げら、その分を個人納税に負担させるようです。
大企業だけではなく中小含めた全企業の7割は赤字で税金を支払っていない原状を考えると、財界(大企業だけ)の顔色をうかがうこの法人税減税、意味あるのでしょうか。

国際競争力とか研究開発力を高めるためとか言っていますが、支払う税金を免じるだけで国際競争力が上がるものなのか。
税金は原則「儲け(利益)」の中から支払うものです。キャッシュフロー的には、儲かっていたらいくら税金を支払っても減ることはありません。

支払う税金が高いとなぜ国際競争力がつかないのか

私にはその理論がまったくわかりません。
何となく税金が高いと商品が高くなるのかな、と純粋無垢な国民は納得するのでしょうが、へそ曲がりの友里征耶にはこんな詭弁は通用しません。
財界は己の努力の怠りを、税金の高さに責任転嫁しているのではないか。
私の裏読みを披露させていただくと、

税率の減少→内部留保の増大(増配含む)→役員(特に社長)の報酬高額化

が狙いではないかと。
内部留保や配当を増やすことにより、自分の報酬額を億単位で上げても、株主は文句を言わないだろうとの大企業のシャチョーたちの浅知恵だと私は考えるのです。

数年前、かなりの相続税を支払ってスッカラ菅になった友里、そう遠くない将来順調ならまた相続税が発生するだけに、相続税率のアップは正直非常に脅威であります。
大企業のサラリーマン・シャチョーは、高額報酬(高額退職金も)を貰い逃げして引退できますが、中小のオーナー社長(家業を代々継いでいる人。ただし医療法人など実質相続が簡単な法人は除く)は会社を畳まないかぎり引退できず逃げ切れません。
相続税率のアップとは別に、昔から言われている

事業継承への税法的な便宜

を並列して考えるのが筋ではないかと私は考えます。
政治屋が無税で子供に事業継承できるからといって、日本を支える中小企業を見捨てる歴代の政治屋の思考に多いに不満であります。

さて昨日、接待で銀座の店へ向かったのですが、時間が余ったので久々の

交詢ビル ウオッチング

をしてきました。そこで驚くべき情報を得てしまったのです。なんとあの

ヒロソフィーが交詢ビルに移転

であります。
この12月19日(日)のニューオープンと大きな張り紙が貼ってあったのです。
数年まえ、世間を騒がせた山田ヒロ氏が麻生十番に奇っ怪な料理を出す店をオープンしたのは昨年のこと。最近はランチ営業を始めるなど集客に苦戦していたはずなのですが、そんな状態でなぜ

閑古鳥の巣窟

と言われている交詢ビルへの移転を敢行してしまったのか。麻布十番店を残して交詢ビルへ支店を出したとは、この景気では考えられません。交詢ビルにあった張り紙には、山田ヒロ氏が

自らオープンカウンター越しに腕を振るいます

とありますし。
移転場所はあの「たらふくまんま」跡、4階へ上がって確認したのですが、外観は「たらふくまんま」と何ら変わったところが見られません。内装だけをリニューアルしたのでしょうか。
見た目には、

数日後にオープンする店の外観とは思えない

のであります。
お近くへ行かれた際は、ぜひ自らの目で確認して見て下さい。

フィロソフィーの友里評価はこちらをご覧下さい。骨壺のような器や蟻が這う模様の皿を出すなど、まともな客には疑問のサービス(料理もダメ)のヒロソフィー、とても閑古鳥の巣窟「交詢ビル」へ移転するほどの

余裕

あるとは思えないのですが、この蛮行、もとい決断の結果は来年早々には出てしまうことでしょう。

Where is ミスター三鴨?

読者の方からリエーブル(野ウサギ)料理のお誘いを受けました。
現在はフランスから仕入れることが出来ないので(未だ口蹄疫で輸入禁止のようですよ、伊藤章良さん)、日本の野ウサギが手に入ったら(東京へ持って行かれるので地方にはなかなか来ない)造るというシェフがいらっしゃるそうです。
タイミングが合えば伺ってみたいと返事を出しましたが、本日あらためてリエーブルについて考えてみました。

リエーブル料理(ア・ラ・ロワイヤル)が好きだと思っていた友里、今年もパリはル・ブリストルで注文しました。
昨年は鰹出汁を使用しているかと思うような(メートルはカカオと言っておりました)風味もあってか、濃厚ではなく繊細でありましたが変な癖もなくそれなりに美味しくいただいたのですが、今年はダメ。調理法を変えたのか変に濃厚なのにかなり臭すぎ。はっきり言って期待はずれとなったのです。
世界の3つ星シェフの店の料理が美味しくないはずがなく、友里の舌の嗜好が変わってしまったのかとも考えてしまいました。

そう言えば最近美味しいと思ったリエーブルを食べた記憶がない

シェフの腕があると気に入っている店で造ってもらったリエーブルをここ数年何店かで食べましたが、イメージが違うというか満足して食べ終えていなかったのです。

こんな味わいだっただろうか

私が記憶に残る(美味しいと感じた)リエーブルで一番に思いだすのは、友里と因縁があったと業界で言われた恵比寿の「ル・レストラン・ドゥ・レトワール」の三鴨シェフの「ロワイヤル」であります。
閉店となる数年はいくらかクオリティが落ちたと感じましたが、毎年楽しみにしていた名物料理でありました。その他では、ボリーさんのリエーブル(確か食べたと記憶)も良かったかなと。
つまり滅多に美味しいと思えるリエーブル料理に出会っていなかったのです。

なかなか手に入らない食材をやっと手に入れてすぐ調理して、うまく料理として出せるものなのか

今回の読者からのお誘いで真っ先に思ったのはこのことであります。東京へ持って行かれてなかなか手に入らない野ウサギを、やっと手に入れてすぐ客に出せるような料理として完成することが出来るのでしょうか。
普通は試行錯誤を繰り返して自分流の料理を造り上げていくと思います。昔フランス産で何回も経験してレシピはじめ技術は習得済みとしても、日本産とは個性が違うはずなので、全く同じ調理では対応できないのではないか。イメージ的には国産の野ウサギの方が淡泊なような気がしますし。

やはりこのような手間がかかる料理は、経験や慣れが必須であると考えます。そこで思い出したのがタイトルにある三鴨シェフであります。

性格の悪い料理人の店にうまいものなし

拙著にサインをたまに求められることがあるのですが、好んで書くのがこのフレーズです。そして以前から申しているのですが、この定説の数少ない例外が三鴨シェフ。
性格が悪いというのが正解かどうかわかりませんが、難しい性格で独特の客あしらいが不評だったのは事実。でもロワイヤルは本当に美味しかったんです。
「レトワール」を閉めてから葉山?のブティックホテル(バンケット主体)の料理長に就任していると聞いておりましたが、それもやめてしまったと業界関係者から今年になって聞きました。

歳をとることによって人は丸くなるもの。今はもう尖っていない可能性のある三鴨シェフのロワイヤルが食べたいなと思ったのであります。
どなたか、彼の消息をご存じの方がいらっしゃったら、掲示板にでもよろしくお願いします。