今年の期待はずれベスト10

TVのワイドショーでは芸能人の海外出発の取材を垂れ流しております。年末の恒例行事のようですが、今年から成田以外にも羽田が加わってレポーターも大変だとか。
でも、芸能人の出発風景(海外旅行の情報)を面白がる、期待する視聴者なんているのでしょうか。知人でもない赤の他人の旅行なんてどうでもよいことではないでしょうか。
政治や外交ではなく、こんな事だけに関心をもつ国民が多いとしたら、日本の未来はないでしょう。

さて例年ならこの30日は

ベスト3

の発表なのですが、今年はちょっと趣向を変えまして(というかそれほどのベスト店がなかった)、本日が

期待はずれ特集

とし、明日は別のカテゴライズでいくつかの店を挙げてみたいと思います。期待はずれとは、訪問前はある程度期待していたにもかかわらず食後感がかなり悪かった、という店でして、最初からダメだと飛び込んで最悪な食後感だった店は除いております。(例えば京加茂とか昨日挙げた店)

それでは今年訪問した「期待はずれ」の10店です。

アルヴィナール(白金高輪)
雇われシェフとしてやり直しにかけた島田氏ですが、経営者の趣味が悪かったのかコンセプトが空回り。フレンチでグリル料理をメインに集客するのは不可能。もう一つのウリであるビストロ料理もたいした内容でありませんでした。コンセプトを見直しし、料理も全面改造しなければ近辺のレストランの脅威にはならないでしょう。

カーエム(銀座)
銀座移転のおかげで、調理がシェフ1人になりクオリティがかなり低下してしまいました。昔の面影がありません。一人調理の限界で、ツメの緩いオックステールのスペシャリテを食べてしまいました。

かぶと(池袋)
天然鰻の名店との触れ込みでしたが、直焼の割には蒸したようにフニャフニャ。鰻自体の風味も薄かった。狭い店内は紫煙が充満。今夏の咽頭炎の切っ掛けになったのではないかと思っているだけに、再訪はないでしょう。

てら川(京都)
久々の訪問。昔は美味しいと思っていたのですが、主人がお歳を召したからか店の活気もなくなっており、好きだった「グジの蕪蒸し」もイマイチでした。

と村(虎ノ門)
未だ未だ老け込む歳ではない主人だと思いますが、コースの最低価格が上がった割には食後感が落ちたと感じました。
同一コースに大きな海老を2種もだすなど、内容は京料理にはほど遠くなった。味付けも甘すぎると思います。

臼杵ふぐ 山田屋(西麻布)
今年めでたく3つ星に昇格したようですが、食後感は最悪に近い。最高レベルでなかったフグ質が更に落ちたと感じただけではなく、ポン酢が甘すぎて使えません。
相変わらず雑炊は厨房へ持ち帰って仕上げる疑惑の調理も健在。ポン酢をまともにしなければ再訪はないでしょう。

楽亭(赤坂)
好きな店で長く通ったので判断が遅れました。ここ数年薄々感じていたのですが、今年最後の訪問ではっきり自覚。90年代の全盛期とは比べものにならないほど食後感が落ちたと感じました。

小松弥助(金沢)
食べログでの高評価に釣られて行ってしまった。当日の隣客、わざわざこの店で食べるためだけに東京から来たとのことでしたが、寿司としては価格なり(1万円前後)の食後感で、何ら傑出したものがなかった。地方の立地の妙での過大評価店であります。

新津鮨(西麻布)
「青木 西麻布店」で予約があるときだけ土曜日に、伝説の鮨職人といわれる新津氏が小さなつけ場に立ちます。
タネは青木の流用で、新津オリジナルは酢飯だけ。お酒を飲むと一人5万円前後になるのですが、鮨だけを味わうなら3万円でも私は満足する客は少ないと思います。
ただしトークが面白く、新津劇場と考えれば5万円でも納得する人が僅かながら居るでしょうか。

ブリストル(パリ)
去年に続いて「リエーブルのロワイヤル」を頼んだのですが、今回は美味しくなかった。臭みがひどい。味わいも異なっていたような感じ。白トリュフのパスタも古いのか質が悪かったからか、イマイチでした。

「期待はずれ」といっても友里には逆の意味もあります。

どうせダメだろう

と入店して、意外に美味しく感じた店であります。
3店挙げてみます。

エキュレ(西麻布)
ご存じ、最近めっきり露出が減った来栖けい氏のお店。当時のソムリエ役のワイン選び(お任せ)がCP良かったからか、料理も悪くは感じませんでした。
スタッフが入れ替わったようなので、現在はどうなっているかはわかりません。

招福楼 本店
料亭の威圧感に押されたのか、他の招福楼系の店と違って料理は悪くはなかったです。

ピエール・ガニェール
ホテルで再開してすぐの訪問。混んではいませんでしたが、無茶苦茶な多皿ではなくなっており、もう一回訪問してみようかといった食後感でありました。

今年訪問のワースト3

昨昼セルリアンタワーの四川料理「陳」で、12/812/14に友里ブログで取り上げた大澤弁護士を目撃してしまいました。確か朝のワイドショーに出演していたはずですから、午後まで事務所での仕事はないようです。
有名人(少なくとも本人はそう自負しているでしょう)だから仕方ないのでしょうが、椅子に反り返るように(別の形容では「ふんぞり返る」)座っていたのが印象的。有名人だからか常連だからか知りませんが、菰田料理長がテーブルへすっ飛んできて媚びへつらっておりました。
あれだけTVに出続けていつ仕事をしているんだ、との私の疑問に同伴者から

彼はただの客寄せパンダだから、TVに出続けることが大事な仕事なんだ

と教えられました。実務は事務所のパートナーかイソ弁がこなしているのでしょう。

さて年末恒例、飲食ライター系に限らず日本全体を見渡しても、おそらく友里征耶しか発信していない

ワーストもの

であります。今年は初訪問に限定せず選んだつもりですが、期せずして3店とも初訪問の店となりました。

HANA吉兆
店名を変更しリニューアルしたので初訪問と考えました。
「ワイン会席」(1万円)を頼みましたが、ワインに無理に合わせようと塩を濃くしただけの料理。京料理ではなく、そこらの大通りに面した観光客専門の店の料理レベルでありました。
特に「造り」のかわりといわれた石焼き、海老やホタテをオリーブオイルでマリネしたものを自分で焼くのですが、胡椒が強すぎて亜然の出来でありました。
ワインの品揃えもプアで、これでどこが「ワイン会席」なのか。料理店は経営者の出来によってかくも劣化するという証左であると考えます。

虎屋壺中庵
大学教授というより友里征耶に名誉毀損裁判で勝訴したと言った方がわかりやすいでしょうか、その古川修氏や関西の日本酒流通業者が絶賛している古川氏曰く

日本一の和食店

いくら吉兆(嵐山)の出身だからと言って、こんなに味濃く調理して良いのか。甘煮を多用し、特にアマゴ饅頭のしつこさには辟易しました。造り(鯛)や炊き合わせ(タケノコ)の質もイマイチで、こんな田舎で1万5000円は高すぎです。
居酒屋料理好きや、無濾過純米原酒などただ濃いだけの日本酒が大好きな人には、この店の

濃い味調理

が美味しく感じるのでしょうが、この店が日本一の和食と断言してしまっては、世間に恥を晒すだけと私は考えます。
単なる田舎料理、これを言うとまた怒られるかもしれませんが、徳島の山中に潜む「井の中の蛙」の和食店であります。

京加茂
期せずして、古川修氏が絶賛する店がワースト3の中で2店も入ってしまいました。
店内にはドラえもんの人形がかざってあり、テーブルには灰皿が常備されている古川氏曰く

素晴らしい京料理を提供してくれる店

とか。しかしこの店内をみただけで我々は食べる意欲を失いかけたのです。
最高値の1万2000円コースを頼みましたが、お椀は味濃いだけ、造りは質悪く、そしてこれまた石焼きがひどい。酒盗を和えたホタルイカや貝柱を焼くのですが、味濃いだけではなく石が薄いのですぐ冷めてしっかり焼けません。
鮎もワタを抜いて焼いてくるなど驚嘆の調理。伊勢エビの具足煮も甘いだけ、国産牛(和牛とは言わないところは正直か)の牛鍋、島ラッキョウご飯とこの料理の何処が

京料理

と言えるのか。絶賛している古川さんの京料理の定義を聞いてみたいと言いますか、まともな京料理店を訪問したことがあるのかどうか、心の底から疑問を持った次第です。
我々だけではなく、数週間後に訪問した仲間達も、しばらく舌などの調子を崩したと嘆いておりました。

番外編

青柳
3月の閉店前日の昼に訪問しましたが、客は我々以外ゼロ。それは寂しい食事となりました。
海老真丈のお椀の出汁は素人レベル、造りの鯛はなぜか昆布〆。もう新しい鯛を仕入れていなかったのでしょう。
鯛のかぶとに煮も養殖と見紛う質で、料理だけで3万円以上するとは考えられない内容でありました。
閉店はビル取り壊しのためとのことですが、ビルの問題に関係なく閉店は致し方ないと考えます。

今度は「酢ムリエ」か!

民主党で一番頭が良いと自他共に認めている赤い官房長官・仙石氏。

専業主婦は病気
解散のない参院の問責決議は憲法上権力が大きくなりすぎる

と相変わらず誰にも受け入れられない暴論を吐きまくっております。弁当を配達していただけと揶揄される自称元学生運動家だけあって処世術だけは長けているからか、たいした実績もなく一気に民主の実質ナンバーワンに成り上がりましたが、本当の意味で「頭」が良い人なのか。中国や逮捕船長に対して

いらっしゃる おっしゃる

とか、まともな日本語の使い方がわからない人の頭が本当に立派なものなのか。
右(たそがれ、もとい、たちあがれ日本)や左(社民党)に節操もなく秋波をおくって袖にされる稚拙な戦術。しかも情報がすぐ表沙汰になってしまう脇の甘さ。
ちょっと頭が良ければこんな失態を連発するはずがないだけに、仙石氏の頭が図抜けているという民主党のレベルは、世間標準から比べると遙かに劣っていると思います。
東大や国立を出ていない人間が彼らに対し

東大(国立)に入ったからといって頭が良いわけではない

と言い放つと必ず返ってくる反論が

東大(国立)に入れもしない人間が何を言う

であります。確かに東大へ入ったという事実は、ある意味特殊な才能の持ち主であることを示しております。

努力を惜しまず忍耐強く続けられる
記憶力が優れている

といった能力は一般人より遙かに優れているでしょう。でも

決断力や正確なジャッジメント

というものを東大入試や国家公務員試験が求めているのか。これらの能力(決断力や判断力)は、記憶力や努力とはまったく別次元のものだと私は考えるのです。
もちろん東大入試や国家公務員試験に

矜持や清廉潔白、そして公正さ

といった要素も含まれておりません。

難関だという試験に受かる=頭が良い

とされる風潮が続くかぎり、日本はしたたかな外交を含めた真の国家戦略を持つことは出来ないでしょう。

さて先日鮨屋の帰り道、銀座三越近くで面白そうな店を見つけました。飲む酢の専門店のようで店内にあった

酢ムリエ

なるキャッチに私は驚いたのです。
「野菜ソムリエ」や「ノムリエ」(多分ノンベのソムリエの意味)といった言葉は聞いておりましたが、酢のソムリエと名乗る人がいるとは思わなかった。店名は「お酢屋銀座」といいまして、各種の

デザートビネガー

を販売しております。またこの酢入りのビールまでありましたから更に驚きでした。
ブルーベリー、カベルネソーヴィニオン、レモン、ブルーベリー、西洋梨などフルーツから造ったというお酢の試飲をいくつか飲ませてもらいましたが、ほとんどが私に言わせると

甘すぎる

もの。牛乳で割って飲むことも勧めていますが、私の嗜好では考えられない。
でも何杯か試飲してしまったので、買わずに帰るのも悪いと思ってその中で一番甘くないという果実酢

ざくろ

を一瓶購入したのです。
早速家で何も割らずに原液で飲みましたが、飲後感は

うーん、こんなものか

お酢は体によいと言われているようで、一時期は黒酢なるものも流行りました。
医学的な根拠があるのかどうかわかりませんが、わざわざ酢自体を独立して摂取(牛乳で割ることも含め)する必要があるものなのか。塩も同時に摂取してしまいますが、寿司を食べていたら酢は充分摂取できるだけに、この

デザートビネガー商売や「酢ムリエ」

果たしてバラ色の未来があるのかどうか微妙であると考えます。