昨年末に「エノテーカ・ピンキオーリ」、「ダノイ」と一時期一世を風靡した店が立て続けに閉店しました。出口の見えない不景気が続く中でのやむを得ない決断だと思うのですが、今年もまだまだこの傾向は続くようです。
昨日所用がありまして、西麻布交差点から広尾商店街まで歩いたのですが、不景気の勢いはとどまることを知らないようです。
以前のブログでちょっと触れたと記憶しているのですが、「アクアパッツァ」の近くにあるビストロが閉店して居るのに気がついたのです。
料理はそう高くはなかった(でもそう美味しくもなかった)のですが、ワインの値付けが高いのが気になったお店。案の定店の前を通るたびに集客に苦しんでいる様子を確認していたのですが、持たなかったのでしょう。
私の拙い経験からですが、傑出していない料理、またはCP良いと感じない料理しか出せない店で、
ワインを高く値付けたら客が来ない
のは定説であります。日本だけではなく世界的な規模で、
ワイン離れ(酒離れ)
が進んでいると思います。(除く中国&ロシア)
減少するワイン愛好者を如何にして取り込むかを考えなければならないのに、ワインの値付けを高く設定すると言うことは
ワイン愛好者は来なくて良い
と宣言しているようなものです。
長引く不景気で、ワインの値付けの高さに鈍感な医者や弁護士など自由業の身動きが厳しくなってきたようです。
客を引き留める意味でも、ワインの値付けには慎重になって欲しいものです。
ではワインの持ち込みはいかがでしょうか。集客に苦しんでいるからか、抜栓料を数千円にしてワインの持ち込みを認める店がありますが、ワインの値付けが安いながらも客寄せのため更に持ち込みを認めているとしたら、経営は楽にならないのではないか。
料理もワインも、そして持ち込み料も安くしてしまっては、たとえ客が来ても経営的には厳しい状態から抜けられない可能性が高い。
ワイン関係(値付けや持ち込み料)が安いのに集客が厳しい店は、はっきり言って
料理に問題がある
可能性が高い。オーナーシェフには難しいかもしれませんが、料理長含めて調理システムの再検討が必要でしょう。
レストランも厳しいですが、ビルの大家も大変な時期ではないでしょうか。以前から何回も書きましたが、西麻布(六本木でさえ)ではテナントガラガラのビルがかなり目立っております。
交差点から広尾駅へむかう外苑西通り。左右とも1階が空っぽで見た目
幽霊ビル
がなんと多いことか。店が閉店してかなりの日数が経っている(何年も)のに、埋まらない案件も多い。例を挙げると
マイモン(オイスターバー) たらふく(フグ)
の跡地は未だにもぬけの殻。底面積の小さい奇抜なビルも丸ごと空いております。
古いビルならテナントが入らなくても少しは諦めがつくでしょうが、新ビルに最初からテナントが入らないビルのオーナーは何を思っているのでしょうか。
再三にわたって私はブログで、テナントなんて入りっこないと主張してきた
「分とく山」から広尾学園まで
の道路沿い。せっかく大枚払って建てたのに、テナントが最初から入らないのですからこれは完全な
目論見違い
であります。無借金でビルを建てたとしても固定資産税はじめ維持費はかかります。まして借金してビルを建てているとしたら、テナントは喉から手が出るほど欲しいのではないか。
私も小規模ながら個人的に不動産管理に関与しているので説得力はあると思うのですが、
レストランと不動産管理は儲からない
は定説であると考えます。