友里征耶の週間食日記 2011-33

持ってる友里、先日も局所的ではありますが有名人に遭遇してしまいました。出張帰りに伊丹空港のJAL搭乗口に友里が立っていたと思ってください。
優先搭乗を待っている客の中に、いやに恰幅が良い人がいたんですね。かなりのボリュームの方でして目立ったため顔を見てみたら

青柳の小山裕久さん

ではありませんか。かなりの暑がりのようで、搭乗券を扇子代わりにしておりました。
そういえば、徳島の「虎屋壺中庵」の帰りの飛行機でも、そしてこの伊丹空港でも遭遇していましたっけ。伊丹で2回目の遭遇とは、大阪に何か拠点でもあるのでしょうか。
そういえば同じJAL機内で、想像以上に背が小さかった小池徹平さんや、お付きの者を何人も引き連れていた浜崎あゆみさんにも遭遇していました。モテる、もとい、持ってる友里、健在です。

さて週間食日記は先日行ったパリ&アルバ旅行です。

月曜日
夜:LES PETITS PLATS
昨年も行った人気ビストロ。ブログでちょっと書きましたが、Pieds Paquets(トリップなどを入れた煮込み 18ユーロ)の野菜が小芋だらけなのは残念でした。でもワインの値付けも安いので(シャテルドンも安い)連日満席(日本人や東洋人はいなかった)なのは当然でしょう。

火曜日
昼:LE BEC ROUGE
夜:L’AMBROISIE
昼は友里掲示板で読者から教えていただいたアルザス料理店。シュークルートだけではなく、突き合わせのすね肉のボリュームにもびっくりしました。
夜は3つ星店。これまたブログでちょっと触れましたが、去年より食後感はよくなかったです。

水曜日
昼:Relais Saint Michel
夜:L’Astrance
昼は生まれて初めてプレサレを経験。肉自体に塩味など変わった味わいを感じませんでしたが、変な脂の癖もなくある意味美味しい仔羊でありました。
夜はソースが出ない3つ星店。2年ぶりでしたが今回は結構日本人客を見ました。ワインペアリング付きのコースが40ユーロも値上がっていたのにワインのレベルはかなり落ちておりガッカリ。
料理は今の流行なのかスパイシーな味付けの皿が多かったです。この店を訪問したら、カンテサンスでソースを使った料理が原則出ない(出せない)理由がおわかりいただけることでしょう。

木曜日
昼:D‘Alsace
夜:LE BRISTOL
昼はシャンゼリゼ通りに面したアルザス料理店。でも前菜はブロンなど生牡蠣を堪能。メインはシュークルートにしました。
夜は3年連続でブリストルへ。頼んだメインは勿論「野兎のロワイヤル」。トラペの古めのワインともよく合い、美味しゅうございました。

金曜日
夜:Locanda dell’Arco
アルバ郊外の山の中の小さなレストラン。2年ぶりの訪問です。こんな立地でも店内は満席。料理はコースで40ユーロくらい、ピエモンテの家庭料理に近いと言われております。盛り上がって頼んだ64年のモンフォルティーノ(リスト外)と共に美味しくいただきました。

土曜日
昼:トリュフ祭り会場の簡易食堂
夜:La Ciau del Tornavento
昼は会場内で。しかしチケット買って立ちながら食べるのに値付けが高いんですね。白トリュフ掛けのパスタや玉子が40ユーロ超えでした。その割にはたいした質でも量でもなかった。
夜は気に入っていて3年連続の訪問。超満席でありました。
バーニャカウダ、トンナート、白トリュフ掛けタヤリンの他、フィナンツェーラにチャレンジ。鶏の肺、心臓、肝などが入った煮込みで酸味が面白いものでした。癖があって万人ウケしないかもしれません。

日曜日
昼:ENOCLUB
夜:LA REI
今年の白トリュフ祭りは不景気だからか最終日だというのに閑散としていました。無理かと思ったのですが飛び込みで入れてラッキー。
アルバと関係なかったですが、イベリコ生ハムとブラのサルシッチャ入りのリガトーニを頼みました。
夜は一度行ってみたかった超豪華ホテルのメインダイニング。
特筆すべきは門外不出と言われる(大袈裟か)ブラのソーセージ。生で団子のような盛りつけででてきました。他にも頼んでおりましたので食べきれなかったというか途中で下げられてしまったのが残念。
白トリュフはリゾット、タルタル、ココット玉子に掛け、去勢鶏の煮込みで〆ました。珍しいのでブラのソーセージの写真を貼り付けます。

ブラのソーセージ

久々に原発ネタ2つ

福島第一原発に関して2つの報道がありました。ネタ不足ではありませんが、本日は久々に原発ネタを取り上げます。

野田首相、冷温停止宣言
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111216-OYT1T00065.htm?from=main1

まだこんなつまらない儀式をやろうとしているのですから呆れるばかり。以前のブログで何回も書きましたが、

燃料棒が抜け落ちた原子炉近辺の温度が安定してもまったく意味がない

のであります。
発熱する燃料棒がないのですから、そんなところの温度が100度以下で安定してもまったく意味がない。
例えにふさわしいかはわかりませんが、火事に例えれば、類焼(延焼)しているのに燃え尽きた家が鎮火したのを確認して喜んでいるようなものではありませんか。
抜け落ちた燃料棒がどうなっているかは神のみぞ知り得ること。ドジョウごときがわかるはずがありません。
意味のない冷温停止宣言、ほとんどのマスコミが突っ込み無しで報道しているのが不思議であります。

もう1つは廃炉に関してであります。
福島第一原発の廃炉作業の工程表の最終案が明らかになりました。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3E7E2E2908DE3E7E3E0E0E2E3E39F9FE2E2E2E2

なんと廃炉完了まで

40年

はかかるというものです。隠蔽体質の政府と東電のことですから、本当の廃炉期間は更に延びると考えた方が無難でありましょう。
それにしても東芝・ウエスチングハウス連合軍。今年の4月に廃炉は

10年チョイ

で出来るから廃炉作業の仕事を任せろとのオファーをしていましたっけ。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110408/biz11040811480011-n1.htm

しかし当時から友里はブログでそんなことは眉唾だと言ってきました。本当に東芝の言うとおり10年で出来るなら、政府や東電はなぜ40年かかると発表するのか。10年と40年ではその廃炉にかかる費用は雲泥の差があると考えます。未だに東芝グループは

10年で廃炉出来ると言ったのは間違い

と言っていないのではないか。本当にまだ10年で出来ると思っているなら、もっと声を大にして政府や東電に対して働きかけるべきではないでしょうか。防衛省と訴訟をするくらいですからそんなことは簡単ではないか。
10年では無理だと悟っているならば

10年で出来るというのはハッタリでした

と発表する勇気を出すべきだと友里は考えます。

激戦区か不毛の地か (店オープンの話です)

中畑新監督がまたやってくれました。なんと

カラオケルームで会見

だとか。適度な場所がなかったからのようですが、最後は自身が現役時代にリリースしていた歌を披露してしまったといいますから驚きであります。
話の内容がなく、おもろい行動しか世間にアピールするものがないと自覚しているならまだ良いですが、単なる勘違いであったら最悪な監督と評価されるのも時間の問題でしょうか。

さて先日、読者の方から教えていただいた和食店へ行ってきました。どこに注目して訪問を決めたかといいますと

「祇園 丸山」出身の人が料理長

と聞いたからであります。
最近は、自称を含めて銀座へ集まる江戸前鮨屋と同じく、京都の若手料理人(和食)の祇園近辺での出店が目立ちます。
華の銀座で最後は勝負したいと思うのと同じく、京料理を修業した人は

祇園で勝負したい(勝ち残りたい)

と思っているのでしょう。そんな中、京都の有名店である「祇園 丸山」出身の人が、東京のしかも銀座や麻布近辺ではない地に店を出したと聞いたのですから興味をもったのです。
店評価は来年の再訪後に譲りますが、オープンして1ヶ月経つか経たないという店内、満席とは言いませんがかなりの客が入っておりました。
この1ヶ月前に東京に出てきたのではなく、近辺の別の料理店で板長をしていたと聞きましたから、その常連客も来ていたのではないでしょうか。 

ところで逆に、銀座の激戦区へ出て行って思った成果を上げられなかった店は結構あるのではないか。勿論祇園でもパッとしない店もあるでしょう。激戦区へ出れば誰でも安泰とはならないのであります。

普通の高額鮨になってしまった「さわ田」

の例を出すまでもなく、激戦区にはそれなりの競争があると証左であります。激戦区は今までの常連客と違った、食べ慣れた客に値踏みされてしまうと言うリスクがあるからでしょうか。

逆に不毛の地(当該地の方ご免なさい)へ行って大成功している店もあるのです。「グルメの真実」(宝島社新書)をはじめブログでも何回か取り上げましたがその代表例は軽井沢の

エルミタージュ・ドゥ・タムラ

ではないでしょうか。西麻布の地でパッとしなかったフレンチが、軽井沢へ行っただけで大化けしてしまったからであります。
最近大家との契約交渉(賃料タダだったとか)が決裂したのか大阪の出店を閉めてしまった

鮨 ほしな

も銀座の店と違って大阪では集客が順調であったと聞きました。
激戦区である銀座や麻布近辺、祇園近辺で勝負をするのか

京料理不毛の地である東京や、鮨不毛の地である関西

で勝負する方が勝てるのか。

 鶏頭となれども牛後となるなかれ

という言葉が当てはまるかどうかわかりませんが、友里が思うに腕に自信がない(今の店がパッとしない)人は、不毛の地へ出てやり直すという選択肢も必要ではないでしょうか。
今は釣り人になっていると聞きます三鴨元シェフ。軽井沢か関西で

野ウサギのロワイヤル

を食べてみたかったと思うのは友里だけはないでしょう。