昨日取り上げました「通販生活 2012夏号」で宣伝されていた、「すきやばし 次郎」のばら寿司と押し寿司が本日のテーマであります。
味見人という形で三枝成彰氏が紹介するこの寿司、6月下旬から一ヶ月に1回、半年にわたってばら寿司と押し寿司の2種が送付されるという頒布会の形をとっております。
例を挙げますと、初回の6月には
あなごのばら寿司(4個)とあじの押し寿司(2本)
しかし「すきやばし 次郎」といってもこの頒布会の寿司は次郎でわざわざ造っているものではありません。当たり前のことですが、小野二郎さん監修という形で、どこかの会社が大量生産しているわけです。その会社は石川県のポーラスター。最新の
冷凍解凍技術
をもつと自称するこの会社が1年がかりで完成させたという
立派な冷凍寿司
なのであります。これが4人前で
なんと9800円/月
通販生活のピンハネ代に次郎の監修代(名前貸し代)が乗っているわけですから安いはずがないのですが、味見人の三枝さんでさえ
高いですが「次郎」のカウンターで握りを食べることを考えたら、ギリギリ納得していただける贅沢でしょうか。
と最後に訴えておりました。
確かに「次郎」のカウンターで握りを20個ほど食べたら(お任せで否が応でも出てきてしまう)、わずか20分で
3万円以上
は請求されますから、それに比べると安い。でもこの頒布会寿司(ばら寿司と押し寿司)
次郎のカウンターでは食べられない(出ない)寿司
なんですね。
ばら寿司は昔常連にだけ出していたとありますが、それも30年以上前のこと。今は出さないというか、造っていないものを世界一時間単価が高い握りと比較して
安いでしょ
と言われてもまったく説得力はありません。まして押し寿司なんて客に造ったことないのではないか。
たとえて言うなら、アピシウスが
冷凍のシュークルート
を頒布するようなもの。
餅は餅屋でありまして、いくら冷凍技術が進歩したとはいえ、家庭の電子レンジでチン解凍する寿司(メーカーは別でしかも次郎で造ったことがない)に有り難みがあるのでしょうか。名前貸しといえば、辻口パティシエも
ショコラの店の名前貸し
をしていましたっけ。
ちょっと有名になったからといって、自分が得意でない分野のものにまで商売の手を広げるのはいかがなものかというのが本日のお題であります。
またまた例えるとしたら、
松井秀喜選手が名前を貸したサッカー教室に参加するようなもの
こんな脳天気なサッカー少年なんて存在しないでしょう。
他の分野なら当たり前のことが、飲食業界では無視されているのですから友里は呆れてしまいます。
さてこの頒布会、果たして友里は申し込んだかどうか。今の段階では
ノーコメント
であります。