本日は好評の「ここヘン関西」の「北新地 湯木」版をアップする予定でありました。
あの偽装のハシリとなった「船場 吉兆」事件の裏の主役を演じた次男が出した店がなぜ高評価を得るのかという内容だったのですが、書いた時点(昨秋)の食べログ点数4.22から一変しておりまして現在の点数は
3.68と急落
現在は並の点数になっていましたので、急遽変更しまして掲題のものとしました。
訴訟を語れる日本唯一のグルメライターの真骨頂(大げさ)であります。
この企画も昨年の有料メルマガでは好評でありましたので(はっきり言いますとほぼ全部のコンテンツが好評でした)、このまま埋もれさせるのはもったいないと考え、アップさせていただきます。
日本広しといえども、数多いグルメライターの中で訴訟経験の豊富さと名誉毀損敗訴をウリにしているのは友里征耶ただ一人。
豊富な訴訟経験のキッカケや経緯については既にブログなどで述べさせていただきましたが、一番のウリである名誉毀損裁判敗訴についてはあまり公にしてきませんでした。
そろそろ時効かなとも思いまして、ここに開陳させていただきます。
東京地裁完全勝訴から一転しての東京高裁逆転敗訴判決、そして最高裁上告断念での敗訴確定に至った名誉毀損裁判。
今回はその勝訴者、一介の大学教授(当時)でしかなかった古川修氏となぜそのような係争に発展してしまったのかを述懐したいと思います。
まずは、名誉毀損裁判勝訴者・古川修さんのプロファイルを友里流にご紹介します。
先日、芝浦工業大学の教授職を退任されましたので、御歳はすでに65歳を超えておりますか。この係争時期は2007年でありましたから、当時は還暦前、現在の友里とさして変わらないお歳(でもフケ度は古川さんがかなり上手)でありました。
東大機械工学卒 → ホンダの革新技術の開発責任者(HPでこう自称しています) → 芝浦工業大学教授
と、
座持ちの良さがウリ
なだけで自称世界を駆け回るエンジニアから営業に転身した中途半端な友里と違って、血統正しい
理系エンジニア
であります。
彼は以前から食に興味があったようで、あくまで推測ですが
(外食に関しては蛙だらけの)本田技研では一目置かれる食通を自負
していたのではないか。
そんな井の中で自信満々であった古川さんが、故邱永漢さんのHPのコラムを担当するため自信満々、颯爽と
私のスーパーグルメ術
なんてダサいタイトルのコラムを引っさげて登場してきたのであります。既にそのサイトに棲みついていた友里征耶の性格を把握せずに…。
今回の角川有力メルマガでのマスヒロさん降板騒動の
デジャブ
ともいえる騒動が起こったのは、友里読者なら想像するに難くないことでありましょう。
理工系出身者、特に
メーカー勤務の人にいわゆる味のわかる食通なし
友里も理工系修士課程を修了しメーカーに勤めていた経歴があるので断言できるのですが、理工系の先生や学生、そしてメーカー勤務の人は上から下まで世に言うグルメ、食に拘る外食好きは皆無に近いんです。
よって周りは素人同然ですから、誰でもちょっと外食巡り(といっても廉価な味濃い居酒屋レベル)をして薀蓄を語れば「グルメ」と評判になるんですね。
メーカー退職後、別の立場としてメーカーの人と付き合う友里だからこそ言える自信の定説であります。
友里得意の例えで言うならば
リトルリーグばかり見ていた人がたまたま甲子園へ行って、登場した高校が最高の野球チームだと言い切ってしまっているようなもの
でも世には、大学野球、そして日本プロ野球にメジャーリーグまであるんですね。
しかし残念なことに井の中だけでしか住んでいなかった古川さんにはその自覚がなかったのが不幸の始まり(友里にとってはネタ蓄積の始まりでもある)であったのです。
何も知らない古川さんは、自身のブログで
味濃い居酒屋並の和食屋(もちろん客単価は安い)を東京一
などと絶賛し始めてしまった。
また味が濃すぎる純米無濾過生原酒が食中酒としてオススメと発信もし始めたのです。これだけならまだ見逃せたのですが
間違ったワイン知識のシッタカ披露
商売上手なだけの漁師(とっくに埋没した村公一さん)や普通味の養殖鴨の宣伝
まで始めてしまった。
今回のマスヒロ降板騒動の元となったのと同じく、友里のいじりたがり精神が湧いてきたのは言うまでもありません。
このオッサン、イタ過ぎる
と、友里の担当するコラムでジャブを打ち続けてしまった。
何しろ、どこに出しても恥ずかしくない居酒屋レベルの店の料理を超絶賛しておりましたから。例えば
銀座こびき、岸由
両店とも友里は訪問し、村公一さんに至っては、彼が主催する食事会へ参加し、彼の妹さん(単なるド素人)が調理する料理を食べてまで検証しての結果であります。
ただし、マスヒロさんと違って古川さんの凄いところは、この友里の
突っ込みにしっかり反応してきた
こと。
彼のブログで反論や友里への突っ込みを出してきたので、胆力ある人と勘違いしまして
プロレスに見習って互いに注目度を上げられる
と更にヒートアップしてしまった。
そして決まり手はこの日刊ゲンダイの掲載したコラムでありました。
http://tomosato.net/weblog2/?p=51
特に古川さんの癇に障ったのは以下のワード。
勘違い ヨイショライター 癒着 井の中の蛙
でも高額店で外食しない人ばかりのメーカーで、少ない外食経験が目立った古川さん(井の中の蛙)が、自分は食通だと思い込んで(勘違い)、漁師の村公一氏や西崎ファームの鴨、秋鹿や宗玄といった日本酒を何回もくどく(癒着)ブログで宣伝(ヨイショライター)しているのですから、友里征の指摘は
どこに出しても恥ずかしくない正論
のはず。
あくまで推測の域を出ませんが、友里vs古川のとばっちりで実態を晒されてしまった「こびき」からも文句がきたのではないでしょうか。この正論への怒りに振り上げた拳を降ろさず、
友里征耶を名誉起訴で提訴
に踏み切ってしまったのは、2007年の初夏でありました。
東京地裁での争いは原告側(古川さん)の弁護士の執拗な準備書面攻撃(毎回無茶苦茶な量の書面を出すんです)で長期戦となりまして、判決が出たのは翌年2008年の11月。この時は皆さまご存じのように
原告請求棄却の友里完全勝訴
でありました。
これでこの不毛な戦も終わるかと安心していたのですが、還暦に達した(あくまで推測)古川さんは諦めなかった。
東京高裁へ上告してしまったんですね。
そして年が明けて高裁に出廷した友里、裁判所の雰囲気が一変しているのに驚いたのであります。
地裁では働き盛り(40歳代)と思える裁判官だったのですが、高裁の裁判長(3判事制)、
どこに出しても恥ずかしくない年配者
ではありませんか。あくまで推測でありますが、定年(65歳)間近でありましょうか。
そしてその裁判長、被告側(友里)に辛く当たるんですね。一審(地裁)で勝訴しているのに。
これは拙いと思った瞬間であります。
争点は古川VS友里ではなく、極端に言いますと
裁判官vs友里
裁判長が提示した和解案(50万円支払え)を
ここで和解したら読者への裏切り行為
と蹴っ飛ばした瞬間の裁判長の真っ赤な顔は、今でも担当弁護士からチクチクと言われてしまう反抗的な態度と受け取られてしまった。
そしてこの裁判長、
東大出の(年配)裁判官
でもあったんですね。一審ではあまり問題とならなかった
思い込みの激しい年配
という文言に裁判長自らが問題視してきたのであります。
思い当たるは問題のコラムの以下の一文。
日本酒、蕎麦、和食を極め、そこらのプロより美味しい料理が造れると自慢する思い込みの激しい年配の「副業ヨイショライター」で、東大工学部を卒業し、ホンダに勤めて芝浦工業大学の教授に就任した自称食通であります。
かくして、年配東大出の裁判長から
一審判決棄却 賠償金100万円支払い
の有り難い高裁判決をいただく羽目となってしまったのであります。
この痛い経験から友里は、年配と断定せず
年配に見受けられる
というように、極力断定する表現を避け、裁判に持ち込まれても不利にならないように
極力「東大」の名は出さない、「東大」の悪口は書かない
ことに徹しているのです。何しろ裁判官の東大出の生息率、かな~り高いのであります。
本日の訴訟回避術、大したものではないですが、これにて〆とさせていただきます。