日刊ゲンダイ原稿の3本をアップしました。
お暇なときにでもお立ち寄りください。
勝手に「見苦しいぞ」と言われても
はじめに宣伝です。本日の日刊ゲンダイで「グルメバトル」の書評がのるようです。コラム執筆先ですから、良いように書いていただいているでしょうね。
友里征耶は飲食店、経営者、料理評論家、ライターたちに正面から問題提起、時には批判をしております。よって、逆に友里自身への批判も真摯に受け取っているつもりです。
「グルメバトル」の販促の一環として始まった「裏話」シリーズでしたが、客を釣る前に共著相手のJCが何を焦ったか彼のコラムで3日連続で「見苦しいぞ」とキャンペーンを張られていましたので、もう一度整理して友里征耶のポリシーを披露したいと思います。
その前に。いくら批判を掲載していただいても結構なんですが、私が担当していた最後の時期は、JC批判ではなくJCの反論をブログに載せようとして掲載拒否したQ事務所。古川さんへの反論も封殺されました。人によって批判文の掲載の基準を変えるのは「ダブルスタンダード」だと思うのですけど。サイトのライターには無償で書かせているなど内幕をバラしたのがいけなかったのでしょうか。私もサイトを立ち上げて初めて知ったのがアマゾンの「アフリ」の制度です。非常にわずかながら売り上げが上がればキックバックがあるようですが、せめてそのバックだけでもその本のライターに渡してもよいのではないかとも思いました。
さて、「巷の評価によるとグルメバトルではJCの圧勝だ」と勝ち誇っていると漏れ聞きましたJC。多分、取り巻きからのリップサービスを真に受けてしまったんでしょうが、取り巻きが良くないんではないでしょうか。特に「銀座のグルメ女王」との会食を自慢げに書かれています。しかし、この手の方、ホントの食通、味のわかる方が居るんでしょうか。普段のお店のお付き合いは、経費で夜の銀座へ行かれる上場企業のサラリーマン重役、JC(と言ってもジュニア・チャンバー 青年会議所です)所属、もしくはOBの青年実業家、そして作家など自称文化人、放送作家など業界人にスポーツ選手が主体です。彼らが「味のわかるグルメ」であると信じている人はそうは世間に居ないでしょう。中には上場企業でも創業一族の方はかなり食べこまれている方もいらっしゃりますが、ごく一部であります。そんな方たちとの形ばかりの会食を、しかも「他腹」でいくら繰り返しても、舌能力は向上しません。
よくお分かりでない方たちとの終わりの時刻が決まっているスピーディな同伴会食。コロンブスの大陸発見を持ち出しているようですが、ホステスと同伴客の狐と狸の化かしあいの会食の時間が、楽しいわけがないでしょう。お互い「思惑」が違うのですから。彼女らは訪問回数が多いから凄いとの弁解もおかしい。それならあの犬養裕美子さんが日本一、世界一味がわかる人になってしまいます。少ないよりはマシですが、多けりゃいいってもんではありません。「リトルリーグ」で何年やってもメジャーの実績がないようなものです。美味しい料理を捜し求めているグルメ、食通の方は、夜の銀座でつまらない会話をしている時間とお金の余裕がないはずです。そんなところへ行く暇があったら、美味しい食事、旨い酒を飲みにいくってもんです。女性との会話も、銀座の人より楽しいでしょう。
友里は居酒屋や焼き鳥を小バカにしているというのも言いがかり。どこにそんな記述があるのか。
確かに高額店を主体に取り上げておりますが、それは友里征耶としての存在価値、ニーズを考えて無理に高額店へ頑張って行っているだけです。読者は、滅多に行けない高級店の真の評価、情報を知りたがっているものです。大金をかけていくのですから、リスクを回避したいわけです。また、グルメで食べ慣れた方は、友里征耶の意見に膝ポンか、もしくは「私は違うぞ」とその比較を楽しんでいられるのです。B級や数千円の居酒屋に対する友里の評価を期待している人はいないでしょう。そこを心得ているから、蓄えを減らしながら無理して訪問しているのです。廉価な店や知られていない店の発掘は、それを商売にしているマスヒロさんやライター、ヨイショ雑誌に任せていればいいのです。2千円予算の築地の寿司屋で、本山葵を使っていないと批判しても意味はない。何を勘違いしたか、伝道師を気取って無名店や廉価店をやたらと扱っているようですが、ご自分の存在価値をお間違えのようです。そんなことを期待している人が少ないから、なかなか重版できないんです。
和食で一番重要というか基本が出汁。刺身だけが和食ではありません。スープと出汁を同一に考えてスープを突出して評価するのはおかしいとのことですが、出汁はスープというより、フォンとかブイヨンに値する基本のものです。根本のところで考え違いがありますね。
高額和食では選択肢のない「お任せ」が多いのは仕方ないこと。高額割烹でなければ、懐石のスタイルを踏襲するからです。少なくとも「一汁三菜」。前菜とメインの構成を主体とするフレンチとは違うわけです。毎日「お任せ」を食べるわけではありません。少なくとも、料理店批評をするというならば、そして高額店も扱うなら、自分が嫌いだからと言って「お任せ」の高額和食を避けていいものなのか。下町の店を褒めるならマスヒロさん、B級なら柳生さんという専門家が既にいらっしゃいます。読者が自分に何を求めているのか、をしっかり分析できれば、出す本はもう少し売れ、コラムのヒット数も上がるというものです。
ただでさえ、JCは「リトル マスヒロ」と言われています。下町味大好き、大量化学調味料に寛容、本山葵ネタ連発、醤油など濃い味大好きと嗜好が非常に似ています。ですからマスヒロさんと同じよなことをしても埋没してしまうんです。
3年前から、山本益博さんや犬養裕美子さんら読者の為にならない店癒着型ライターの駆逐を叫びつづけてまいりました。
しかし、今回のグルメバトルが売れてしまうと、彼らの駆逐の前に、JCが駆逐されてしまう可能性があります。化学調味料大量投入の桃花林、そしてプティ・ポワン、キャンティ、田吾作寿司を絶賛する姿を読者以外にも、雑誌など出版業界の編集者に晒してしまったからです。
でもホント、JCの取り巻きも、これらの店を絶賛しているのでしょうか。銀座の女王も化学調味料の大量投入がわからないんでしょうね。
ま、私が訪問したときだけ、化学調味料を大量に投入してきただけなのか、酢飯を不味くしてきたのか、調理レベルを落としてきたのか、それは読者の判断に委ねたいと思います。
久々に銀座をぶらり
大手町近辺へ所要で出かけたたついでに、久々に銀座を歩いてみました。先週発売になった「グルメバトル」のことも気になっていたので、書店と気になる店をチェックしたのはいうまでもありません。
まずは本屋さん。銀座の福家書店は、友里征耶としてお世話になっている店です。シェフ板1巻目(黒本)、シェフ板2巻目(赤本)の発売に際しては、大きく取り扱っていただきました。数列の平置きだけではなく、入り口のワゴンや正面の棚を使ってのディスプレイでかなり売り上げていただいたと思います。
今回も棚の他、4列の平置きを確認しましたが、冷静に判断するとイマイチ注目されているようには見えませんでした。過去の2冊と比べて熱気を感じません。
うーーん、何が違うかと言うと、JCが著者として加わっただけですから、予想通りこれが足かせとなってしまったのか。
今後、如何に週刊誌や雑誌が書評などで扱ってくれるかが鍵となるでしょう。
さて、銀座と言うとまず見に行くのは「交詢ビル」に「ゲンテン」、「ラ・ソース古賀」であります。いずれも、
コンセプトを過まったので集客が苦しい、と私が当初から予言した店であります。
12時を回っているのに、ゲンテン、古賀はさびしい限り。交詢ビルも4階、5階のフロアはゴーストタウンのように人通りがありません。
そんななかで、あの「オストラル」後に新しい店がオープンしていました。正確にはオープンする直前でしょうか。「ラ トゥール」という名のフレンチで、シェフは清水忠明氏。知らない方が多いと思いますが(私もまったく知りませんでした)、「ラ トゥールダルジャン」で修業し、オータニの東京店では副店長を務めたそうです。
しかし、なぜ今「トゥールダルジャン」なのか。今年「1つ星」に降格したばかりの逆旬の店出身。夜逃げ同然に退散した「オストラル」の跡地へよく出店してきたとその決断に驚きました。入り口のバーカウンターはオストラル時代と同じ。無駄なスペースですから、普通に考えたらかなり効率が悪いはずです。交詢ビルのほとんどの飲食店が四苦八苦しているのは周知の事実ですから、わざわざ火中の栗を拾うがごとく出店してきた意図はなんなのか。勝算があるというのか。恐らくかなり地代を安くしての誘致なのではないかと推測します。そうでなければ、これほど条件の悪い場所へ出店してくるはずがありません。まずは、お手並み拝見といったところでしょうか。
それから、あの「さわ田」のビルの前も通りました。オープン当初は、地下の旭川のスシ屋に遠慮して店名を出さず「トンボ」の絵をだけ書いていると余裕の言葉を吐いていた主人ですが、なんとビル正面の看板には「さわ田」の店名が「トンボ」の絵に変わって書いてあるではありませんか。店名を表へ書く必要がでたということでしょうが、それほど「横綱相撲」が取れなくなってきたと言う証左なのかもしれません。