天下の暴論 日本ワインの信奉者の方々のワイン経験について

日本ワインに対する友里ブログに関して、色々なご意見をメールや掲示板にいただいております。
http://www.tomosato.net/blog/2009/04/post_722.html
私の意見に賛否両論あるのは当たり前ですが、おおむね「コスト的には競争力がない」という考えは皆さん共通の認識と受け取っております。
昨晩ある読者とのメールのやりとりで思いついたことがあります。思い込み、極端、とのご批判がでそうなので、よくある週刊誌の特集タイトルにして「逃げ」をうっております。あくまで「そう言う極端な見方もあるか」と軽く読んでください。
読者と偶然、日本のワイン造りの神様ともカリスマとも言われている醸造者の話になりました。既に故人になられている方なので、実名は挙げません。
実は10?15年前くらいでしょうか、ある店の主催するワイン会のゲストとして出席されていて、何回かお会いしたことがあるのです。
お題がシャンパーニュの時だったと記憶しているのですが、この方、あまりシャンパーニュの銘柄をご存じないんです。
私が腰を抜かしたのは、当時でも有名でワイン好きなら誰でも知っている「ボランジェ RD」の「RD」の意味を全く知らなかったことです。フランスのスティルワインに関しても、言動からそれほどの知識や経験をお持ちとは思えませんでした。
ロマネ・コンティやマルゴーほどではないですが、ワイン好きには有名なこのワイン、飲んだことがなくても名前くらい知っているのが普通ではないでしょうか。
そのことを思い出し、私は考えたのです。ここからは「暴論」ですので軽く読み飛ばしてください。
日本のワインが「素晴らしい出来」、「本場物に匹敵する質」と本気で信じていらっしゃる方は、もしかしたら「本場の高質な本物ワイン」をご存じないのではないかと。
健全に熟成した「古酒」を楽しまれたことがないのではないかと。
日本ワインを煽っている大手メーカーやソムリエたちは、「本気で信じていない」と私は思っております。
本日はあくまで週刊誌によくある「天下の暴論」的な友里の偏見と独善的な意見でありますので、ご承知おきください。
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カラメル・オ・レを1日5本飲める舌力とは?

生まれつきチャレンジ精神があるからか、読者の方からのメールや掲示板の書き込みで、「あの店へ行ってみろ」、「あのワインを飲んでみよ」といったオススメに思わず反応してしまう友里。
蒲田のスッポンや大阪の似非フレンチからブルネッロのプレステージ、果てはCP悪いのがはじめからわかっている日本ワインまでチャレンジを繰り返しております。
そんな中で最近いただいたお題がこのキリンビバレッジの「カラメル・オ・レ」という甘口飲料。なんでも過食のオコチャマ・来栖けい氏がハマッてしまって1日に5本も飲んでいるという代物です。
http://www.kurusukei.com/2009/04/post-5e34.html
近所のコンビニでなかなか見つけられず、やっとセブンイレブンで3本ゲットして早速飲んでみました。
「奇跡的にうまい」という来栖氏の言葉を信じたわけではないですが、予想以上に期待はずれ。砂糖をカラメリゼして生乳、ぶどう糖液糖、クリーム、食塩、バター、乳化剤をぶち込んだ、味的には「塩キャラメル」のドリンク版でありました。
若干の塩味は利いていますが、私には2口でギヴアップした甘さであります。
こんな飲料を1日に5本も飲めるという舌とインスリン分泌力、それこそ「奇跡的」ではないか。ジャンクフード好きな方の嗜好には合うのかもしれませんが、よほどのハードな運動をした直後でもなければ、お酒をたしなむ大人の方が飲みきるのは難しい甘味飲料であります。
「カラメル・オ・レ」を5本抱えながら、「京味」などの高額和食のお椀の出汁を飲んで「奇跡的にうまい」、「ロオジエ」など高額フレンチでジビエを食べながら「あり得ないくらい美味しい」と叫んでいる様を見たら、常連客だけではなく一見客も引いてしまうのではないか。
こんな嗜好の来栖氏にべた褒めされたら、ファストフード店やラーメン店以外、特に高額店はかえって営業的にマイナスになると考えます。
張り付かれた店もえらい迷惑。「俺の料理は『カラメル・オ・レ』1日5本の子供が喜ぶ味なのか」と嘆く料理人も多いのではないか。
友里の読者だけではなく、ぜひ来栖氏の信奉者(特に自分は食通と思っていらっしゃる方)、そして「うまい」と言われた料理人の方々に「カラメル・オ・レ」を5本と言わず2本、いや1本一気に飲み込んでいただきたいと思います。
これを1日に5本飲める人の嗜好が本当に信じられるのか、結論は皆様の舌とご判断に任せます。
冷蔵庫に残った2本の「カラメル・オ・レ」、家族も手を付けずまだ残ったままだということを最後に付け加えさせていただきます。
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何度飲んでも美味しく感じない、日本のワイン

来栖けい氏への「突っ込みネタ」が次から次へと寄せられてきます。それほど彼の言動に疑問の「まともな舌と考えを持つ方」が多いのだと思いますが、今日はお休みです。
3/25のブログで日本ワインとしては高評価されている「ボー・ペイサージュ」の中間報告をしましたが、本日で最終報告とさせていただきます。これ以上飲んでも意味がないと考えたからです。
http://www.tomosato.net/blog/2009/03/post_696.html
今回譲っていただいたのは「la montagne」(メルロ?100%)の2003年と2005年、そして「le feu」(メルロ?主体の混醸)の2003年を2本ずつの計6本。
中間報告では「深みのない単調な味」と書きましたが、頑張って機会があれば自宅で飲むようにしていたのですが、ようやく昨晩で5本を飲み終えました。まだ「le feu」が1本残っているのですが、これで充分と考えたのです。
ワインにド素人と思える言動連続のマスヒロさんは仕方ないとして、なぜプロであるソムリエやワイン愛好家がこのワインを褒めているのか、私にはまったく理解が出来ません。
5000円前後の支払いなら、もっと美味しいボルドーものが他にあるではないか。
私は一般のワイン愛好者が、もっと美味しいワインを横に置いてなぜ日本のワインを飲まなければいけないのか、その心理が理解できないのです。
まったく複雑味のない単調な味わいはすぐ飽きます。私は自宅でも赤ワインなら1本飲めるのですが、この「ボー・ペイサージュ」はいずれも飲みきれませんでした。抜栓してからヘタッてしまう時間が短いこともあるのですが、味自体が世界レベルに達しているとは思えない。
醸造技術は努力によって充分世界レベルに到達可能だと思いますが、いかんせん葡萄そのものは気候(単に温度だけではなく湿気や寒暖、日照も含めて)や土壌が違うので厳しいはず。
強いて料理に例えれば、日本のワインは質の違いをカバーできる「低温ロースト」だと私は考えます。最初は物珍しいけど、量や回数をこなすと飽きてしまうからであります。
日本のワインは世界レベルと比較して「凄い」のではなく、今までの日本ワインと比べていくらか「凄く」なったというのが真相ではないでしょうか。
私は日本ワインを勧めるソムリエに言いたい。そんなに日本ワインが凄いというなら、個人で白ワインは「甲州」だけ飲んでいろ。赤ワインも「ボー・ペイサージュ」など日本ワインで我慢できるのか、と。
大手メーカーには、そんなに日本ワインが凄いというなら、フランスワインの輸入をやめて日本ワインに特化しろ。と。
日本ワインより「美味しい」、「売れる」と思うから、個人ではフランスワインを飲み、自社ではフランスワインをインポートしているのだと思うのですが、いかがでしょうか。
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