東電に対抗する必要が無くなった東京ガス

ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井会長兼社長が会見で

節電はじめ自主規制をし過ぎると経済に深刻な影響を与える

と訴えたようです。?

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110408ddm008040131000c.html

確かに過度の自粛ムードは外食意欲や購買意欲を喪失させ、レストランや商店の死活問題になりそうですが、私は柳井氏に言いたい。?

自粛は我が社にとって大打撃だからやめてくれ

と正直に言えと。
震災の影響などで、11年8月期の連結業績予想を下方修正したことによる柳井氏の訴えでありますが、日本経済全体を思っての発言だと私は思えないのです。

最近は羽田空港や各地駅構内にまで支店を出すほど多店舗志向に拍車がかかっているユニクロ。
顧客(日本人)の数は有限です。マーケット、つまり市場のパイの大きさは決まっているところで自店をどんどん増やすと言うことは、?

同業他社を蹴落としている

のと同じであります。同業他社が売り上げを落としても、自社が売り上げを伸ばせばよいと考えているからこその多店舗展開、それをすすめている会社の経営者に

日本の経済全般を語ってもらいたくない

と考えるのは友里だけでしょうか。正直に

同業他社や他業種はどうでも良いけど、我が社の売り上げが落ちるのは嫌だから過度の自粛はやめてくれ

と言えば、私は柳井氏を尊敬します。

さて大震災による電力不足の最中、友里はなぜ各ガス会社が宣伝に打って出ないのか不思議であったのです。

例えばエネファーム。電気分解の逆の理論で、水素と酸素をつかって電気をつくる燃料電池、一般家庭用も販売しているだけに東電には悪いですが

絶好の売り込みの機会

であると考えたからです。(水素とガスはほぼ無限にあるとの前提)
確か燃料電池はモーターなどを必要とするため、まったく停電の時は使用できないはずですが、オール電化と正反対で

日常の電力消費(電気会社からの)をかなり低減

できるシステムであります。出力の小さいモーター用にバックアップ電源(蓄電池)でも備えれば、停電でも充分対応できると思うのですが、計画停電騒動で

オール電化が目の敵

になっている現在、ガス会社はここで一気にシェアを増やすため攻め上がってくると考えた友里の予想、見事にはずれてしまいました。

http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20110407-OYT8T00161.htm

なんと、東電の敵失に便乗して攻め上がるのではなく、

震災で事業(宣伝活動)の必要性がなくなった

と逆に撤退してしまったのです。

各原発が今後どうなるかもわからず、よって電力不足が何年続くか予想できないこの環境で、今後「オール電化」を採用しようと考える集合住宅や一般家庭は皆無に近いのではないか。
よって「オール電化」は転けたも同然だから、もう対抗する必要もない、無駄な経費を使う必要もない、ということで

宣伝活動業務の契約解除

に至ったのでしょうか。
でも、ここぞと思ったときは一気呵成に攻め上がるのが

歴史が証明する兵法

と考えている友里には物足りません。

この機会に、停電時でも稼働できるバックアップ電源をも開発して、集合住宅や再開発ビル、そして一般家庭に売り込んだら、数の原理で単価も下がり普及が進むはず。

電力不足解消の大きな手段となると私は安直に考えるのです。

今度は窒素注入か

友里ブログをはやく元の状態に戻したいのですが、次ぎから次へと政府や東電が疑問の発表や対策を打ち出してくるため、なかなか通常ブログになりません。

昨日漁業のトップが汚染水の無断放出で東電へ抗議に行ったようです。勝俣会長は補償を約束したようですが、TV報道を聞く限り国会答弁のような言い回しで、今後絶対に汚染水を放出しないとは言わなかったと思います。

昨日のブログでも書きましたが、今後何ヶ月、何年も高濃度の汚染水がジャジャ漏れする可能性が大。メガフロートが満杯になってしまったらどこへ持っていくのでしょうか。今からいくつものメガフロートや大型タンクを製作しておく必要があるのではないかと私は考えます。
TVはピットからの汚染水流出ストップをさかんに報道しています。確かに止まったことは良いことですが、今後も炉心冷却のため外部注水することから増え続ける

高濃度汚染水

をどうするか、といった大きな問題にも大マスコミは気付いてもらいたいものです。(いや気付かないフリをやめていただきたい)

経済同友会の桜井正光代表幹事が、柏崎刈羽原発で休止している3基の再稼働を提言したそうです。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110406-OYT1T01165.htm

確か原発を再稼働するには首長の了解が必要なはず。この状況で果たして再稼働の判を押すでしょうか。
実はこの柏崎刈羽原発では、もっと大きな問題が控えているのです。原発は確か1年チョイで運転を停止して点検をしなければならないという規制があります。今稼働中の柏崎刈羽の4基も、この夏頃から順次定検に入る予定だったはず。

つまり規則に従い運転を止めてしまうと、知事(市長?)は再稼働を認める判を押すでしょうか。あくまで私の推測ですが、汚染水の放出と同じく

緊急事態での超法規的処置

として、定検をせず4基を回し続けるのではないかと。

また報道では復興財源の原資の1つとして、ODAを2割削って回すとの報道がありました。
日本が潰れるかどうかの瀬戸際で、海外にお金をばらまく余裕があると思っているのか。バックリベートを取っている既得権者には申し訳ないですが、とりあえずODAは配布を停止し、全額復興へ回すべきと私は考えます。

そして掲題の格納容器への窒素注入。またまた友里得意の

注入問題

であります。
水素と酸素の濃度があるレベルを超えるとおこる水素爆発を避けるため格納容器内へ窒素を注入するとあるのですが、本当に出来るのか。

炉心への海水(真水)注入と同じ解説になるのですが、容器の容量は有限です。この格納容器内には問題となる水素や酸素を含んだ気体(水蒸気?)や液体(熱湯?)が

既に入っている

はずであります。容器が大破損して、放射能がジャジャ漏れなら話は別ですけど。
酸素ボンベなりLPGボンベを思いだして下さい。充填された容器内に、更に外部から他の気体を入れられると思いますか。不可能です。

つまり、大破損で放射能ジャジャ漏れでない限り、既に中にいらっしゃる先客(水蒸気や熱湯)を、入れる分の容量だけ追い出してから(外部へ無断放出)でないと

窒素は注入出来ない

のです。理系でない人は

格納容器は満杯になっていないから大丈夫

と言うかもしれません。でも熱湯や気体で満杯になっていないとはどういう状態なのか。真に何もないということは

真空状態

であって、それはあり得ないこと。一見何も入っていないと見える状態でも、

空気は入っている

のです。空気しか入っていないとしても、この放射能を含んだ気体(空気)を容器から追い出さないと(無断外部放出)

窒素は注入出来ない(容器が大破損して放射能ジャジャ漏れでまったく密封状態でないなら話は別)

と普通の理工系の人(文系でも当然)は考えるでしょう。
私が思うに、窒素を注入出来ると言うことは

中の気体(放射性物質を含む)の無断外部放出と同時に窒素を注入

するつもりとしか考えられないのです。
もしくは、大破損によって放射能ジャジャ漏れで密閉状態ではないけど、とりあえず用心のため窒素を注入する

パフォーマンス(ジャジャ漏れなら爆発しないはず)

であると推測します。

高濃度汚染水放出の危険もある、福島第一原発

昨日の友里ブログにより、冷却が必要な原子炉のため外部から海水や水を注入したら、その入れた量だけ原子炉の外へ垂れ流さなければならない理由がおわかりいただけたと思います。?

再循環ポンプが動かない現在、仮に外部から水を入れることが出来ても、圧力容器などの容積は有限であります。
冷却は自動車のラジエターを見ればおわかりになると思いますが、冷却水か冷却される媒体のどちらからを

循環

させなければなりません。停留していたら熱を逃がせません。
冷却水は熱源を冷ましますが、それによって冷却水自体は温まってしまうからです。その温まった冷却水では冷却効果が期待できないのは理工系の方でなくともおわかりいただけると思います。
よって毎日何十トンも注入している「真水」は、しっかり原子炉の外(つまり外部である建屋や敷地内)へジャジャ漏れさせなければ、炉心の冷却は出来ないのであります。

圧力容器が壊れた結果注入した真水が自然に外部放出できるようになったのか、自発的にクローズドサイクルを破って外部へジャジャ漏れにしたのかは、神、もとい東電と政府のみ真実を知るところでありますが、どちらにしても溶融したと言われる燃料棒を直接冷やした汚染真水が刻々と注入した分だけ外部へ放出しているのは間違いありません。そうでなければ、炉心を冷却できません。

そこで大きな問題。昨日から溜めてあった低濃度汚染水を海へ放出しているとの報道があります。
増え続ける高濃度汚染水(炉心を冷却するため注入した真水)を貯蔵するスペース確保のため、今まで溜めていた低濃度汚染水を海へ流した方が結果的には実害は少ないという、政府と東電の究極の判断なのでしょう。

高濃度の汚染水が溢れかえるよりマシだろう

との計算でしょうが、彼らはこの先、つまり1ヶ月先、半年先、いや一年先のことを考えているのでしょうか。

溶融した燃料棒がこの数週間で冷却される、もしくは圧力容器の破損を直し緊急冷却システムが稼働して冷却水が炉心を循環するようになれば、外部からの真水注入は必要なくなりますから、高濃度汚染水のジャジャ漏れもなくなるでしょう。?

しかし昨日のブログにも書きましたが、ジャジャ漏れの原因である圧力容器かそれに繋がる配管の破損を、この環境(放射線量が高い)のなか補修(溶接など)することは不可能のはず。破損の場所を見つけることも難しいと考えます。
複雑な配管配置であり、炉心が冷えていない段階では格納容器や圧力容器に近づけないからであります。

また、肝心の再循環ポンプを確認することも難しいのではないか。原子炉建屋の底に位置していると記憶するこのポンプ、そこへたどり着くだけでもかなりの時間を要してしまい被曝量が多くなるからです。たとえたどり着いたとしても、そこで点検や修理の作業をすることが容易であるとは思えません。

よって私はこのまま数ヶ月、いや年単位での外部からの注入、そして外部への流出という、オープンサイクルでの循環冷却を継続するしか策はないとネガティヴに考えてしまうのです。
そうなると、溶融した燃料棒に直接触れた高濃度汚染水が毎日増産(毎日500トン注入されているらしい)されていくことがおわかりいただけると思います。

今朝のTVで、ピットからの高濃度汚染水の海への流出は止まったとの報道がありましたが、これから毎日増え続けるこの高濃度汚染水をどう処理するつもりなのか。

メガフロートに溜めるつもりでしょうが、メガといっても容量は有限であります。

直ちに溶融した燃料棒を冷却できない現状では早晩、高濃度汚染水は溢れてしまうことになるのです。正に

一難去ってまた一難

なのですが、後手に回っている政府や東電には、そこまでの対策は現段階で考えられないのかもしれません。

不安を煽るつもりはありませんが、

圧力容器やその系統配管の破損箇所を特定できるのか
その破損箇所を修理することが出来るのか
圧力容器外部への冷却水流出を止められるのか
再循環ポンプの場所へたどり着けるのか
循環による冷却システムはいつ回復できるのか
オープンサイクルの外部注入式冷却(高濃度汚染水垂れ流し式)しかないとしたら、冷却に何年かかるか?

そろそろ政府や東電は、真実を開示する時期にきていると私は考えます。