医者の不養生という言葉を良く聞きます。私の同窓の開業医も、ここ何年も検査をしていないと言っておりました。人には検査の重要性(検査が商売の主役の1つなのに)を説いているのに
自分に限っては大丈夫
と思っているのでしょう。ところが外食仲間のなかで、検査に敏感な医者がおりまして、ここ数年体調不良を繰り返していた友里、彼の助言で昨年からはじめての検査をいくつもやってみたのであります。
もう30年近くになるでしょうか、身内が癌と診断されてから年に2回、人間ドックに通っている友里。これでじゅうぶんだと思っていたのですが実際は安心できないとのこと。私が普段受けている検査内容を簡単に挙げますと
血圧、眼圧、眼底写真、聴力検査、肺活量、身長&体重、血液検査(各種腫瘍マーカー含む)、心電図、内科問診、尿検査、便潜血検査、腹部超音波検査、胸部レントゲン、胃バリウム検査
くらいであります。
これを朝一番の健診だと1時間チョイでやって一部の検査以外はその日の午前中に結果がわかるというもの。わずか半日で検査結果がでるので便利だったのですが、これだけでは早期発見&早期治療に間に合わない可能性があると知ったのであります。
たとえば胃。私は被爆が嫌なので内視鏡検査に切り替えておりました。内視鏡よりバリウム検査でしかわからない病変もあると昔聞きましたが、バリウム検査で引っかかると次は内視鏡検査ですから、被爆や翌日のバリウム排出の苦しみを考えたら、直接内視鏡検査をした方が効率的ではないでしょうか。
50才過ぎた男性は是非と啓蒙されているPSA検査。前立腺癌のマーカー検査であります。最近のアメリカでの発表や後述の近藤誠医師によれば、
PSA検査は意味ない可能性大
とのことですが、数値が上限を超えてしまった友里、逃げ惑っていたのですが昨年ついに観念して
前立腺の生検
を受けました。経験者は「たいしたことない」と言っていましたが、友里にとってそれは苦しい二泊三日の検査入院であったのです。検査のダメージが完全にとれるのに数ヶ月かかってしまった。
私の通っている人間ドックではPSA検査はオプションです。生検の苦しみを考えたら、数千円の追加でできるこのマーカー検査、やっておいて損はないかもしれません。
大腸も便の潜血反応だけではすべての大腸癌を発見できないとのこと。知り合いの身内は、便潜血反応がマイナスでも試しに受けた内視鏡検査で大腸癌が発見されたと聞きました。やはり直接の検査が必要なのではないでしょうか。
検査前の処置(お腹の中を空っぽにする)が大変なのは以前のブログに書きましたが、それさえ乗り越えれば検査自体は楽であります。
そして肺。若い頃から持久力を誇っていた友里、全盛期は6000cc近くあった肺活量が一番の自慢であったのです。ところが加齢のためか年々その自慢の肺活量が低下の一途。直近では5000ccを割っておりまして、それが気になったのか駅の階段でも息切れするような自覚症状が出てきて
これは肺に何か問題が出たのではないか
と心配になったのです。検査好きな医者の話では、肺癌の早期発見は普通のレントゲンでは難しいとのこと。そこではじめて
ヘリカルCT
とかいう検査を今年になって受けたのであります。後で別の医師にその結果(写真)を見せたら「機械が古い」と指摘されましたが、そこでの結果報告、癌はないけど
冠動脈に石灰化
との診断がでてしまった。一難去ってまた一難、その検査結果を知って、こんどは息切れではなく
左胸というか心臓が痛く感じる
ようになってしまったのです。
迷宮に迷い込んだというと怒られそうですが、検査が更なる検査を呼ぶスパイラル。動脈硬化を軽んじてはいけないとの忠告で
心エコー
負荷心電図
心臓MRI
という、普通はあまりやらない検査まで、安心のためにはやらなければならなくなったのであります。
どんな時でも「話のネタ」を探すというか、話のネタに遭遇する「もってる」友里、この3つの検査でも笑いを提供する出来事があったのですが、これは後日のブログに譲ることにします。検査結果は
冠動脈に石灰化はあるが、今のところは問題なし
おかげさまで昨晩から気分が晴れての外食が始まったのであります。
好事魔多し
例えはちょっと違うかもしれませんが、「これでしばらくは辛口(悪口)料理評論が続けられる」と食べ仲間に話したところ
そういう時に限って、駅のホームから突き落とされるなどの事故に遭うんだ
との厳しい忠告。マスコミ含めあらゆるところから忌み嫌われる友里、敵は病気だけではないということをあらためて知ったのであります。
最後は真面目にまとめをします。
肺癌の早期発見はレントゲンでは難しい。被曝量が多いけどヘリカルCTの方が無難
バリウム検査や便潜血検査ではなく、1年に一回は胃の内視鏡、2年に一回大腸内視鏡検査をすれば、決まり手が胃癌や大腸癌となるリスクを大幅に減らすことが出来る
歳をとったら動脈硬化などのリスクが増大するので(特に血圧やコレステロールが高い人など)、それなりの検査も必要
人間の決まり手は、癌、脳卒中、心臓の3つが主体と聞きましたから、これに脳ドックを加えたら更にリスクを大幅に減らすことが出来るでしょう。
本日のお話、近藤誠医師など癌に対するスタンスが異なる方には異論があるかもしれません。信じるも信じないも人それぞれ自己責任でありまして、友里はこの検査方針を信じております。