今年になって訪問した店 短評編 27

小児科、産婦人科の医師の不足が問題になっております。知人の産婦人科医に聞いた話では、産婦人科医は「3K」なのでなりたがる人が少ないのだとか。
確かに、赤ちゃんは予約通りに生まれてきません。だからといって待機させるわけにもなかなかいかない。最近帝王切開が増えたのは、予定通りに出産させたいという思惑があるのかもしれませんけど。
とはいえ、24時間体制で待機していなければならず、入院や出産の設備費用が大変ですから、規模的には大きくしなければなりません。個人のクリニックでは難しいですから、現役バリバリの産婦人科医はほとんど「雇われ」であると言えるでしょう。
つまり同じ医者の中でも年収など待遇に恵まれない事が、医師不足の一番の原因ではないかと思います。若いときから大病院で頑張っても、独立(収入が増える)の道があまりない。拝金主義がまかりとおっている現状、これでは独立して収入を増やすことが出来る(昔ほどではないようですが、産科と比べて)内科、眼科、美容皮膚科、整形外科に医師が流れても仕方ないといえます。
加えて医療訴訟が多いというのも産科医師不足に拍車をかけたと思います。
TVなどで盛んに取り上げていますが、この「収入格差」に関しての突っ込みがないのが残念です。
少子化担当の大臣までつくるほど問題意識があるならば、政府には高級官僚の天下りの繰り返しによる「渡り歩き退職金」に無駄なお金をつかわないで、産婦人科医を厚遇してもいいのではないでしょうか。
さて本日は関西の3店です。
たん熊 北店
「京味」の西氏の修業店。かなりの多店舗展開です。最近は東京駅の大丸にも出店してきましたが、先代から引き継いだ現主人は数を絞っていると聞きました。
HPではコース料理のようになっていますが、ここは小さなカウンターで豊富なメニューから好きなものを単品で頼むと良いでしょう。
「阪川」と似たような形態ですが、価格は数割高いか。「京味」ほどの支払いではないですが、京都ではかなり高い割烹店であります。
祇園 なん波
祇園の北側、「花霞」や「千ひろ」の路地にある小さな店。
関谷江里子氏が褒めていたのでダメかと思っていたのですが、1万5000円コースは鱧主体でありましたが変化ある構成で悪くはありませんでした。
場所が違うから一概に比較できませんが、東京の同価格の店、たとえば「分とく山」とはまったく食後感が違うと思います。
ただしお酒を飲み過ぎたのか酒類が高いのか、支払いが2万6000円になってしまったのは納得がいきません。
再訪してみる必要があります。
西玉水
大阪は難波の鯨料理屋。場所はラブホなどがあるちょっとディープな地域です。
居酒屋のような店内に入った瞬間後悔しました。
鯨を主体に頼んだのですが、尾の身の造り、網焼き、カツとまったく美味しくありません。さえずりも私にはまったく理解不能。
自慢のハリハリ鍋も業務用かと思う出汁でまったく美味しくない。
試しに頼んだ鱧の焼霜も、数日前の「たん熊」とは比べようもない代物でした。
すべてが大味の鯨料理店での支払いが2万7000円。この支払いではあり得ない食後感で二度と訪問しないでしょう。

「モウラ」と「店評価ブログ」を更新しています

「ガチミシュラン」も昨日でやっと校了。長いようで短かった飽食の1年間でありました。
星付きレストランなどを中心に訪問し続けた外食生活、今後の役に立つかどうかは別にして、二度と経験できない貴重な1年間でありました。
「モウラ」編集部、そして講談社に感謝です。
ミシュラン絡みの取材の話もいくつかいただいております。
まずは11/13発売の「ガチミシュラン」、よろしくお願いします。
さて「モウラ」に今は亡き青山のフレンチ「ブノワ」をアップしております。閉店間際の最後の訪問、これまたある意味ラッキーなことでありました。
お立ち寄りください。
http://tomosatoyuya.moura.jp/
また、「店評価ブログ」には新丸ビルのシュラスコ食べ放題点「バルバッコア クラシコ」と伊勢丹新宿店の寿司屋「鮨 魯山」をアップしております。
飲み放題を加えると結構高くなる「バルバッコア」、街場の普通の海鮮系寿司「魯山」。ぜひお立ち寄りください。
http://www.tomosato.net/blog2/index.html

「ガチミシュラン」のカバーが決定

週刊新潮のワイド特集、お楽しみいただきましたでしょうか。
発売日を考えると絶妙なタイミングだったと思います。
しかし同じワイドで執筆されていたノンフィクション・ライターの河合香織氏には驚きました。
「国産ワインの原料は『8割が外国産』」というタイトル、内容は我々ワインをちょっと知っている人間には当たり前の事なのですが、メルシャン、サントリー、サッポロ、サントネージュ、マンズワインの大手5社を向こうに回し(具体名出して)、問題提起していました。
ジャーナリストという立場なら当たり前のことですが、出版界に隠然たる影響力を持つ飲料会社を敵に回すような勇気ある行動、感心しました。このような矜持をお持ちの方がライターにいらっしゃったのかと驚いたのです。
もしこのブログをお読みでありましたら、お便りいただければ幸いです。
同じく「ノンフィクション・ライター」と自称していても、1つ星シェフなど有名人に寄生して「ヨイショ立身伝記」を書き上げる「神山典士」氏とは全く違う崇高なスタンス。神山氏も河合氏に弟子入りしたら、ちょっとはマシで売れる本を書くことが出来ると思います。
さて、「ガチミシュラン」の表紙が決定しました。私は「赤い」カバーでミシュランガイドと似せるのかと思っていたのですが、黄色ベースの派手なもの。帯は白地に赤で「ニッポンの料理店なら友里に任せろ」と挑発的なキャッチが目立ちます。
なかなか面白いものです。
ウェブとはちょっと変えた店評価文の他、各ジャンルに対するコラムやミシュランに対する問題提起の集大成となるものも載せておりますので、ご購入いただければ幸いであります。