ミシュランガイド関西版が発表

ミシュランガイド日本版(正確には東京版)に最初から楯突いた友里としては、話題にならないのを承知でこの時期触れないわけにはいきません。
本日のお題は、もはや神戸の店関係者しか興味がないミシュランガイド関西版であります。?

正確には「京都 大阪 神戸」版というのでしょうか。今年から神戸を増やしてきた理由は、掲載店数を増やすことによって落ち目の発売部数と人気の回復狙いであります。
そんなミシュランの思惑ながらも今年はますます盛り下がっているようです。そのうち奈良県や滋賀県、和歌山県の店まで掲載してくるのではないでしょうか。
まずは掲載店(星評価付き)をご覧下さい。

http://web-cache.stream.ne.jp/www09/michelin/guide/kyoto/pdf/101019_2.pdf

敢えて注目するとしたらやはり神戸の店でしょうか。神戸へ旅行して、わざわざ「和食」を食べに行く変人が多いとは思いませんが、居酒屋チックな和食が目立ちますね。
さすが、和食を食べ慣れていないサービスマン出身のミシュラン調査員だけのことはあります。何を食べても美味しく感じるのでしょう。

関西の食べ仲間からの情報で、星が2つ以上つきそうな店を何軒か訪問してきた友里、しかしさすがに和食だけはやめておきました。こう言っては神戸在住の方に怒られるかもしれませんが、傑出した店が神戸にあるとは思えないからであります。
偶然ですが数年前に何回か訪問していた「直心」。なんと目出度く2つ星ですが、吉兆系出身の主人が提供する料理は、価格を考えればCPが良いかなと思う程度。絶対評価で京都や東京の名店と肩を並べられるレベルではありません。

しかしもっと驚いたのが2つ星寿司屋の2店であります。

「鮨 生粋」と「鮨 松本」、どちらも今年前もって訪問済みでありました。特に「生粋」は、内装の改装前と後の2回も訪問してしまった。
どちらも江戸前鮨を謳っておりますが、ベースは自己流ではないか。おそらく東京の江戸前鮨屋での修業経験は皆無だと思います。

値付けは関西スタンダードというのでしょうか、1万数千円で楽しめるので関西在住の方にはお得感を覚えるのかもしれませんが、東京の名店を経験している人は

価格なりの食後感

と判断するのではないでしょうか。
この2店が2つ星基準を満たしているとするならば、東京版は4つ星、5つ星の評価基準を増やさなければならないでしょう。
どう見ても(どう食べても)

青空、宮葉、さいとう、水谷、小笹寿し(いちいち挙げていったらきりがない)

など多くの東京鮨と同等と感じることは出来ないのです。
おそらく和食だけではなく、その生活環境(サービスマンとして)から高額鮨の経験も不足していたミシュラン調査員、回転でなければどの寿司でもおいしく感じてしまったのでしょう。

ミシュランのウケを狙って白木のカウンターを導入するなど何百万円も投資して大改装をしてしまったと漏れ聞く「鮨 生粋」。
確かに江戸前鮨不毛の関西ではマシな店かもしれませんが、競争のないところ(はっきり言うとレベルが低いところ)に名店は育ちません。
東京に真の京料理店がほとんど存在していないのと同じでありまして、関西に真の江戸前鮨も無理なのではないか。

銀座で集客に苦しむ鮨店が週末に大阪へ出稼ぎに行って評判を得るくらいですから、そのレベルは知れております。
餅は餅屋といいますか、このレベルの鮨屋を

2つ星

と持ち上げてしまったら、東京の有名鮨屋の経験が少ない関西の自称食通、外食好きな方は

残りの貴重な外食人生を踏み間違える

と私は考えます。?

最後に「生粋」へ一言。
ビールグラスがかなり魚臭かったです。居酒屋含め廉価な和食店ではよくあることですが、2つ星鮨屋としていかがなものか。

魚を扱う器などと同じシンクでグラスを洗浄しているから匂いがついたのだと推測しますが、これが東京鮨基準ではないことを関西在住の方はご理解下さい。

ヤナセが銀座から撤退していた

不景気もここまで来たのか、高級輸入車の中で一人勝ちだったベンツ。総輸入代理権は失いましたが優良顧客を持っているヤナセはベンツの販売で経営は安泰だと思っておりました。
今は輸入車に絞っておりますが、以前は高級品商社を目指したのか、?

高級ハンドバッグからクルーザーまで

扱っていたヤナセ。モラビト(ハンドバッグ)とかウエスチングハウス(確か冷蔵庫)といった中途半端なブランドが売れるはずもなく、経営を圧迫して撤退したのは記憶に新しい。

でもヒルズ族(死語?)やIT長者(これまた死語?)がフェラーリやランボルギーニといったゴキブリ型のスーパーカー(これも死語)に憧れる反面、成金含めた富裕層(自称を含め)は猫も杓子もベンツ志向でありました。港区の私立幼稚園の送り迎えには

ベンツとバーキン

が必需品と言われていたくらいです。確かお世話になったグラフ社からも

日本一メルセデス・ベンツを売る男

という、年間160台(しかもほとんどがSクラスだとか)売るセールスマンの本まで出版されたくらいでありますから、ベンツの人気は高かった。

以前のブログに書きましたが、支払い額を考えたら性能や造りの観点からベンツを購入する人の気持ちがわからない友里でありますが、あるパーティで同席したベンツディーラー社長(ヤナセではない)の鼻息がかなり荒かったことから、ベンツという打ち出の小槌をもったヤナセは、分相応な商売(輸入車限定)をしていたら安泰だと思っていたのです。

ところが昨日、銀座コリドー街近くの店へ行こうとして外堀通り(旧電通通り)を歩いていてビックリ。ヤナセの銀座ショールームがなくなっているではありませんか。
私への借金を踏み倒した学校関係者(今思い出すだけでも腹が立つ)も勤めていた銀座ヤナセ。有名ホテルの元雇われ社長一族(一般にはオーナーみたいに思われているようです)など銀座近辺の優良顧客を持っていたと聞いておりましたが、ここ数年の不景気には耐えきれなかったのでしょうか。
そういえば私の嫌いなトヨタのレクサスもすっかり街並みで見かけなくなりました。

一に雇用、二に雇用・・・

と雇用から景気回復を訴えていた菅総理でありますが、まったく回復の兆候が見られないではありませんか。

コリドー街の飲食店も悲惨の一言。美登利寿司の一人勝ちで、他の店はほとんど客が入っていなかった。おなじ寿司屋でも「すしざんまい」など客がわずか3名でありました。美登利寿司と「すしざんまい」に食後感含めた提供される寿司に大きな違いがあるとは思えないのですが、間違ってついたとしても一度確立したブランド力の集客力は大変なものがあるようです。

デフレ傾向も止まりません。電通通りの「サルヴァトーレ クオモ」では平日限定の「HAPPY HOUR」(18:59まで)の目玉としてグラスワインや生ビールなどアルコール類が

¥180?

と記した看板が出ておりました。
昨日のブログにも書きました飲食店の正念場。年末のクリスマス&忘年会シーズンの瞬間的な需要増だけで乗り切れるものか心配であります。

ベンツと比較することは出来ないかもしれませんが、いままでは安泰だと言われていた予約困難で常連のリピーターで賑わっていた高額店。夜の2回転もザラでありましたが、ここ1ヶ月で2店ほど訪問してウオッチしたところ、いずれも1回転のみ。
常連主体の予約困難な高額店といえどもベンツとおなじで、未来永劫安泰とは言えないのかもしれません。

更なる不景気で飲食店はここ数ヶ月が正念場か?

民主党の稚拙な政権運営だけが理由ではないと思いますが、不景気の侵攻が止まらないようです。週刊誌の見出しでは

1ドル=50円にも

といったサプライズ見出しも見られるようになりました。85円を切っただけで

日本経済(輸出産業)は大変なことになる

と煽る大マスコミですから、70円台を通り過ぎ60円台、50円台になったら日本は壊滅してしまうのではないか。でもドル一人安が続いたら国の大半を他国に買い占められることになりますから、例え輸出が倍増したとしても、アメリカの繁栄はないでしょう。

さてこの終わりをしらない不景気、この年末が1つの山ではないでしょうか。
先日のブログで、交詢ビルの「たらふくまんま」の閉店を書きました。オープン当時から客入りが悪かった交詢ビルのレストラン群でありますが、なぜか閉店という事態に陥る店は少なかった。
今回の「たらふくまんま」の前はわずか「オストラル」の夜逃げと「南漢亭」の2軒のみ。いや正確に言いますと、「逸喜優」の経営が変わっていますから3軒が実質上破綻したと言えるかもしれません。?

本来なら不採算の事業は見切り決定が最重要のはず。ダラダラと先がない事業を続けて赤字を垂れ流すくらいなら、損を確定させて事業を辞めるという決断が一番だと思うのですが、これを妨げるのが再開発ビルとの契約で縛られている撤退条件、つまり

高額な違約金請求

であります。タダでさえ損をし続けているところに、更なる現金を大量に用意できるはずがありません。かくしてズルズルと閑古鳥営業を続けてしまうことになるのですが、これがレストラン経営者の悲劇を呼んでしまうのです。出直しが出来ないほどのダメージを与えてしまうことも多いのではないか。

アークヒルズ、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、交詢ビル、銀座ベルビア、ニッタビルなど鳴り物入りでオープンした再開発ビルに出店したレストラン経営者の中で

本当に出店して良かった

という人がいるのか。私はこれらの再開発ビルに誘われながら出店しなかった経営者2名から直接

その気になって出店しなくて本当に良かった

と聞いております。それでも次々と建設される再開発ビルに出店を続けるレストラン店主達。混んでいるのは昼間だけで、その頼みの昼間もオープン数ヶ月後には閑散となるのは歴史が証明しております。懲りない業界といってしまえばそれまでですが、

他山の石

という言葉が飲食業界にはないのでしょうか。

昨日、六本木ヒルズの高額飲食店ゾーンである「けやき坂」を昼訪問しました。ある店へ行くのが目的だったのですが、とにかく人通りがまったくない「けやき坂」ゾーン。
西太后の料理番の末裔と自称する中国宮廷料理「れい家菜」では、なんと

1700円ランチコース

を出しているではありませんか。夜のコースも2万円以内と当初の3万円以上の値付けではなくなっておりました。
揚げ手が変わった「みかわ」も穴子と松茸1本ずつの天丼を2000円台で提供(マスヒロさんが宣伝しておりました)しておりました。

そして、友里掲示板の隔離スレで、検索頼りのバーチャル店訪問記を書き続けている人が懇意にしていると妄想主張する「レスプリ ミタニ」。客の不入りを隠したいのか、全面ガラス張りが特徴(私にはデメリットだけだと思う)でしたが、下面は板を張り上面は暖簾のような白い幕を張って外から店内が見えないような細工がなされておりました。

でもこの店内状況隠蔽工作が非常に不自然なんですね。そこまで集客状況を通行人(これがまた少ない)に悟られたくないものなのか。かえって、ただでさえない集客力を更に貶めるのではないかと私は考えます。

一世を風靡したフレンチの雄「アピシウス」の元料理長・故高橋氏が同じ場所に出した「パ・マル」でさえ集客に苦労したのは記憶に新しい。そんな厳しい場所で、どれだけ才能があるのかわかりませんが、恵比寿から移転してきた市井のフレンチがそう簡単にうまくいくはずがないではないか。しかも今までより大箱で。

三谷氏と親しいと自称する人(隔離スレの住人)にはぜひ、三谷氏の本音を聞き出してもらいたいと思うのですが、リアルな世界では無理のようです。

あと5ヶ月ほどで閉店(2年ほどで再開とのこと)する3つ星フレンチ「ロオジエ」でさえ予約が簡単に入ると聞いております。普通に考えると、閉店を惜しむ客が食材の良いこの時期には押しかけると思うのですが、ここにも深刻な不景気の影響が出ているようです。

底が見えない日本の不景気、飲食業界の正念場はまだまだ続きそうです。