原発事故の収束はいつ頃か

大マスコミ(御用学者も)は、外部電源が引き込まれたら事態がすぐさま好転するかのような報道を流しておりましたが、いざ電源がつながっても良いニュースが未だに飛び込んできません。事態はまだまだ予断を許さない状態ではないでしょうか。

電源があっても、動く機械(ポンプやアクチュエーター)や配管、そして熱交換器が正常でなければ冷却システムは稼働しません。文系主体であるとはいっても、電源がくればすぐさま問題が解決するかのように喜んでいた大マスコミ、検証精神なさすぎであります。

建屋が半分は吹き飛んだ水素爆発の破壊力に加え、塩水やら熱の影響で機器が正常な状態を保っている可能性は低いのではないか。
ポンプの場合、モーターだけではなく、シールなど機械部分もやられている可能性があります。また配管やバルブ、そして格納容器などが破損していたら、どうやって補修もしくは交換するのでしょうか。

だいたい使用済み燃料棒でさえ、崩壊熱とやらで何年も循環水で冷却し続けなければならないのです。使用中だった燃料棒、熔解した可能性も大であるとのことですから、これから先この現場でそれ以上に冷却を続けなければならないと私は考えるのです。

不安を煽るわけではありませんが、海水汚染やタービン建屋内の汚染水の現実から、炉心の汚水がじゃじゃ漏れも否定できません。こんな状態でどうやってクローズサイクル(閉ループ)で冷却を続けることが出来るのでしょうか。

誰が破損した箇所を溶接修理か交換修理をするのか。建屋天井が吹き飛んでしまってクレーンもないはず。どうやって重機を入れるのか。
いや誰が炉心から放射能が漏れている可能性大の厳しい現場で、そんな大がかりな補修をすること出来るというのか。

また、各タービン建屋のたまった高度汚染水、そして燃料棒が融解して放射性物質が溶け込んだ炉内の汚染水、これらを今後どう処理するのか。どうやって汚染水を集め、どこへ持って行って処理するというのか。

今の楽観的なマスコミ報道はあくまで

冷却システムは温存されていて電気だけが来ていなかった

という前提にたっているわけです。もっとも恐れていた、そして避けなければならない炉心からの放射能漏れ、これが起こっている可能性が大ということは

主機である最も頑丈な機器(圧力容器や格納容器)が破損している可能性大

ということであります。
補機の冷却システム(ポンプや配管系統、そして熱交換器)が格納容器や圧力容器より頑丈に出来ているはずがありません。大マスコミや御用学者はなぜこのような肝心な事に目を瞑っているのか私は不思議でならないのです。

冷却システムがうまくいったとしても現場で何年も冷却を続けなければなりません。冷却を続けるあの現場で誰が

使用済み燃料や熔解した燃料棒

を取り出してどこかへ運んで処理するというのか。
チェルノブイリではないですが、数ヶ月、数年でうまく押さえ込むには、鉛やコンクリートで厚く覆って封じ込めるしか方策はないと私は思ってしまうのです。

このようは展望を政府や東電が開示したがらないのはわかりますが、大マスコミや露出激しい御用学者の先生たちが、この先の展望をまったく語らないのが友里征耶には不思議でならないのであります。
世はアフォや純粋な人たちばかりではありません。今後も原子力行政を進めていこうと思っているなら、これ以上の隠し事はダメ。ディスクローズは必須であると考えます。

本日も「食」とはまったく関係ないブログになってしまいました。震災や原発事故の復旧&復興の目処がたたない現在、以前のような食関連の記事を毎日書く雰囲気になかなかなれません。
ミシュランガイド「ボンヌ・プティット・ ターブル・東京」の発売も延期になったそうです。勿論友里のオススメ本も延期は必至。本来なら脱稿の時期ですが、2割方残して止まっております。
グルメライターの一員でありますが一般人より発電に詳しい友里が、原発事故の対策で大きな疑問を抱く点についてブログ発表する我が儘をお許しください。

追伸
友里掲示板を見ますと、ようやく私が以前より主張していた

炉内に外部から海水や水を注入するのは難しい

ということに興味を示される方が出てきました。
政府や保安院、そして東電に確認してもらいたいこと。それは

炉内に注入したというなら、炉内に直結しているどの配管のどの座に外部のポンプからの配管を接続したのか

ということです。
そんな座(管を接続するところ)があるのか。あるなら普段は何でアイソレート(遮断)されているのか。弁だとしたらどんなタイプでシールは大丈夫なのか。その接続は溶接なのかフランジなのか。

溶接ならこの危機的状態の中で接続は無理。こんな危険な流体につながる配管の座をフランジで接続しているとも思えません。
注入した海水や真水は最終的にどこへ送っているのか。冷却は循環させなければ効果は期待できないはず。入れた水はかならず排出しなければならないのです。もしくは冷却して再循環を続けなければなりません。(閉ループですね)
コンデンサー(復水器)に流して貯めているというなら、そのバイパスはどのルートなのか。

彼らがまともに回答できるとは思えません。

誰が考えても炉内から漏れているとしか思えない

YOMIURI ONLINEによりますと、ようやく東電や原子力安全保安院は海水の高濃度汚染の原因が、炉内から漏れ出した汚染水によるものだと認めたようです。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110326-OYT1T00698.htm

でもこんなこと、常識やちょっと発電所の知識のある人なら誰でもすぐわかることだと思うのです。

原子炉やそれに繋がる配管が破損して内部の汚染水が漏れたと認めたくない気持ちはわかりますが、浮遊する放射性物質が降下して海に溶け込んだことが原因とするにはあまりに無理があるというものです。

大海原(放水口から南へ約330メートルの場所で採取)で基準値の1250倍になるほどの浮遊物が落下していたとしたら、県内、いや近隣関東圏へ落下する放射性浮遊物は半端な量ではなくなってしまうからです。政府は国民がみな純粋でアホだと思っているのでしょうか。

原子炉内へ真水(以前は海水)を注入していると言いますが、外部電源は繋がってもまだ冷却システム(ポンプなど)は稼働させていないはず。注入し続ける真水はどこへ回っているのか。

原発と言っても基本原理は火力と同じ発電方式でして、ボイラーのかわりに原子炉で高温高圧の蒸気を作り、それをタービンに送って回転させ発電機を回すだけ。
タービンを廻した蒸気はコンデンサー(復水器)というところで、非接触で海水と熱交換され水(復水という)に戻り、復水ポンプや高圧給水ポンプで炉内へ送られます。つまり原子炉とタービンを蒸気と水が循環するという、原発は

閉ループ

なんです。発電所を停止(トリップ)させていますから、原子炉とタービンはバルブ(MSV:メインストップバルブなど)で隔離されたはず。

閉ループだからこそ放射能を含んだ復水や蒸気が外部に漏れず安全なわけですから、そこへ外部から真水(海水)を注入しつづけることはできないのです。どこかが漏れていない限り。

私が炉内へは注入せず、格納容器の外から海水や水を掛けているだけではないか、と主張している根拠であります。
ただし、今回のように原子炉や配管が破損して

閉ループが保たれていない

場合は別です。
私は、今回の海水汚染は以下の2パターンのどちらかだと思うのです。

1、真水や海水は格納容器の外から掛けていただけで閉ループを保っていたが、水蒸気爆発などで破損して炉内の冷却水が外部へ流出した
2、炉内の閉ループはすでに保たれておらず内部水は外部へ流出。燃料棒がむき出しになるので、破損部分から外部へ更に漏れることを覚悟で、海水や真水を注入し続けた

中央制御室以外まだ外部電源で稼働していない現場ですから、御用学者のような机上の原子力研究者ではなく機械工学系の人なら、上記2点以外に今回の海水汚染を説明できないと私は考えるのです。

知名度なく読者数も限定される友里でありますが、それでもその数は百や二百ではありません。その中には原発や機械に詳しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どなたか、私の判断が間違っているか当たっているか、検証していただきたい。

政府や保安院は見ていないでしょうが、その関係者がもし見ていたとしたら、

私の判断の間違いを具体的に指摘

していただきたくお願い申し上げます。

本日のブログ、説得力を増すために、持てる知識をフル活動しましてテクニカルタームをちりばめております。

店評価ブログを更新しております

ネット環境が異なる地域におりますのでタイムリーに新聞やTVをチェックすることが出来ないのですが、原発の事故対策、進んでいるのでしょうか。
外部電源が繋がったところまではわかったのですが、その後は悪い情報ばかり。
被爆した2名は2?6シーベルトという大変な線量であるとの報道がありました。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110325-OYT1T01061.htm

またタービン建屋のたまった液体の放射性物質の量が、通常の炉内冷却水の1万倍の濃度だとか。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110325-OYT1T01082.htm

燃料棒の被覆が溶けてしまったとしか考えられない事象であります。

北西約40キロ・メートルの飯舘村では4000マイクロ・シーベルトで、1年間に日本人が自然から受ける1500マイクロ・シーベルトを大きく上回る

?

との報道もありました。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110325-OYT1T01048.htm

ジョージ・ワシントン(米軍空母)が日本から撤退したとの報道もあり、かなり東日本は厳しい状態ではないでしょうか。
政府には迅速に現状の公開と対策をとってもらいたいと思います。

読者の方から、元GEエンジニアの講演記事のURLを教えていただきました。現在は原発反対者の立場のようなので無理に強調されている可能性もありますが、私が専門だった部分ではまずまず間違ってはいない内容でありました。
原発の現場の実態を知ると、大きく考えさせられるところがありました。かなりの長文であります。1つの見方として参考にしてください。

http://www.stop-hamaoka.com/kikuchi/kikuchi2.html

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