誰が考えても炉内から漏れているとしか思えない

YOMIURI ONLINEによりますと、ようやく東電や原子力安全保安院は海水の高濃度汚染の原因が、炉内から漏れ出した汚染水によるものだと認めたようです。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110326-OYT1T00698.htm

でもこんなこと、常識やちょっと発電所の知識のある人なら誰でもすぐわかることだと思うのです。

原子炉やそれに繋がる配管が破損して内部の汚染水が漏れたと認めたくない気持ちはわかりますが、浮遊する放射性物質が降下して海に溶け込んだことが原因とするにはあまりに無理があるというものです。

大海原(放水口から南へ約330メートルの場所で採取)で基準値の1250倍になるほどの浮遊物が落下していたとしたら、県内、いや近隣関東圏へ落下する放射性浮遊物は半端な量ではなくなってしまうからです。政府は国民がみな純粋でアホだと思っているのでしょうか。

原子炉内へ真水(以前は海水)を注入していると言いますが、外部電源は繋がってもまだ冷却システム(ポンプなど)は稼働させていないはず。注入し続ける真水はどこへ回っているのか。

原発と言っても基本原理は火力と同じ発電方式でして、ボイラーのかわりに原子炉で高温高圧の蒸気を作り、それをタービンに送って回転させ発電機を回すだけ。
タービンを廻した蒸気はコンデンサー(復水器)というところで、非接触で海水と熱交換され水(復水という)に戻り、復水ポンプや高圧給水ポンプで炉内へ送られます。つまり原子炉とタービンを蒸気と水が循環するという、原発は

閉ループ

なんです。発電所を停止(トリップ)させていますから、原子炉とタービンはバルブ(MSV:メインストップバルブなど)で隔離されたはず。

閉ループだからこそ放射能を含んだ復水や蒸気が外部に漏れず安全なわけですから、そこへ外部から真水(海水)を注入しつづけることはできないのです。どこかが漏れていない限り。

私が炉内へは注入せず、格納容器の外から海水や水を掛けているだけではないか、と主張している根拠であります。
ただし、今回のように原子炉や配管が破損して

閉ループが保たれていない

場合は別です。
私は、今回の海水汚染は以下の2パターンのどちらかだと思うのです。

1、真水や海水は格納容器の外から掛けていただけで閉ループを保っていたが、水蒸気爆発などで破損して炉内の冷却水が外部へ流出した
2、炉内の閉ループはすでに保たれておらず内部水は外部へ流出。燃料棒がむき出しになるので、破損部分から外部へ更に漏れることを覚悟で、海水や真水を注入し続けた

中央制御室以外まだ外部電源で稼働していない現場ですから、御用学者のような机上の原子力研究者ではなく機械工学系の人なら、上記2点以外に今回の海水汚染を説明できないと私は考えるのです。

知名度なく読者数も限定される友里でありますが、それでもその数は百や二百ではありません。その中には原発や機械に詳しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どなたか、私の判断が間違っているか当たっているか、検証していただきたい。

政府や保安院は見ていないでしょうが、その関係者がもし見ていたとしたら、

私の判断の間違いを具体的に指摘

していただきたくお願い申し上げます。

本日のブログ、説得力を増すために、持てる知識をフル活動しましてテクニカルタームをちりばめております。