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店評価, 旅行記
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- 2011年12月30日(金)|
いや-、欧州に来てまであの居酒屋料理を食べるとは思いませんでした。有栖川から神泉、そして六本木へ移った「小田島」名物料理
フォアグラ大根
がなんと、天下の3つ星フレンチで出てきてしまったのです。3つ星とったシェフになってからは初訪問だったので、デギュスタシオンコースを頼んだのですが、テーブルに置かれたその料理の説明が
フォアグラ ダイコン
と言うではないですか。フランスでは大根を「ダイコン」とそのまま発音するようです。
本当にあの「大根」なのかと口に含むと本当に大根なんですね。大根の上にかなり大きめのダックのフォアグラが2枚。スープ仕立てでありまして、コンソメスープと表記されていましたが味わいは紛れもなく日本の
フォアグラ大根
と大差ないものでありました。フォアグラの脂がかなり強く、ソテーではなく茹でていたので若干食感は違いましたけど。以下の写真をご覧ください。

フォアグラ大根
さて本日は誰もがやっている「ベストもの」であります。ただし、友里らしく真にベストと思った店だけではなく、「色々ベスト」も書いてみます。
☆今年一番緊張した店 鮨嘉瑞(すし かずい)
過去のブログを読んでいただければおわかりと思いますが、先に入店していた老カップルを放置したまま(切った刺身も置き去り)、私の顔を見ただけで正体をつかんだ主人、
よくあんなこと(ブログで「すし まずい」と書いてしまった)書いて来られるな(要約)
と「出ていけ」、「出ていかない」との攻防は自分で言うのもなんですが手に汗握るものでした。なにせ、こちらは素手、むこうは包丁を持っていますからね。
取り残された老カップルにこれ以上迷惑を掛けるわけにも行かず、ビール小瓶2本分のチェックをして店を出たのであります。
「鮨 嘉瑞」は、上野毛の店を7月一杯で閉めて、祇園近辺で店を立ち上げるとの話でしたが、その後のオープン話を聞きません。
あくまで関西の食べ仲間(その業界に所属している?)の話ですが、
中に入った人に騙されたとの噂がある
とのことでした。どなたかその後の「鮨 嘉瑞」の消息をご存じでしたらご教授ください。
☆良い意味での最も期待がはずれた店 レカン
完全に埋没したグランメゾンだと思っていたのですが、10年ぶりの訪問で見直してしまいました。
客は少なかった(わずか3組)のですが、料理は少ないながらも(しかも仔羊は売り切れ)、選択肢のないラインアップから選んだものは美味しかったのです。
ワインもボルドーの一部に値付けの安い、そして美味しい(評価も高い)ものがありました。クリスマス前後は満席&2回転だったとの話も漏れ聞きます。
ここ数年は廉価なビストロが全盛でありましたが、来年はグランメゾンの復活(マキシムは難しいのではないか)となるかもしれません。
ただし自意識過剰に見えるソムリエはちょっと苦手であります。
☆サプライズな料理 LE BEC ROUGE
読者に教えていただいたパリのアルザス料理店。もちろんシュークルートを頼んだのは言うまでもありません。
6ユーロで「すね肉」を追加したのですが、でてきたそれは半端でない大きさ。友里思わず椅子から転げ落ちそうになったのです。下記の写真以外に、本体のシュークルート(肉類もたっぷり)があるのですから。勿論残念ながら完食はできませんでした。

追加のすね肉
今年本当のベスト3店
ジャンル別に1つずつ挙げることにします。
もりかわ
他腹での初訪問から5年ぶりくらいに再訪したのですが、こんなに美味しく量も多かったのかと驚いたのであります。
食材の質も良く、東京の和食では最高峰に位置する(客単価も高い)店と思います。珍しく食べログの評価と友里の評価が一致した店であります。
その後も何回か訪問しておりますが、期待は裏切られておりません。
ブラッスリー・ジョンティ
浅草近辺のアルザス料理店。シュークルート、ベッコフと東京以外ではパリでしか食べておりませんが、日本人向けの味付けなのか今現在ではここが一番自分にあっているかなと。
来年は機会があれば、本場のアルザス料理を食べに行ってみたいものです。
マンジェ
大阪は八尾のトンカツ屋。食べ歩いた東京の有名&高評価なトンカツ屋がイマイチと感じていた時期、関西の食べ仲間に連れて行って貰った店。
普通のトンカツだけではなく、変わりトンカツ(フォアグラ入りとか)も美味しかった。価格は東京に比べて数割安から半値ちかく。東京のトンカツは高くて美味しくないものが多いとあらためて感じたのであります。
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店評価, 旅行記
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- 2011年12月29日(木)|
今回の旅行、いつもの事じゃないかと言われると身も蓋もないのですが、またまた初めての珍しい体験をしてしまいました。(大袈裟か)
午後から出かける予定の前、たまたま1時間ほど余裕があったので、気に入っているメーカーの靴でも買おうと店までタクシーで行ったと思ってください。お目当ての店に着いたら、入り口ドアに何やら張り紙があるではないですか。
すわ閉店か
と思ったのですが、フラ語と英語併記の文面は
通信回線のアクシデントでカード使用不可(要約)
とあるではありませんか。きょうび、結構な額の商品がキャッシュオンリーでは店が成り立つはずがなく
すぐ修復したはずだ。紙は剥がし忘れたのだろう
と勝手に解釈して、店中に入ってスタッフに確認したら、まだ回復していないとのこと。滞在はあと丸一日あったのですが、ビジネス用として靴底をラバーに張り替えて貰うには1日かかるので購入を断念したのであります。いまどきカード端末がそう簡単に壊れるものなのでしょうか。
仕方がないので時間つぶしに、近辺にあるバッグ類で有名なブランド本店に入ってみたところ、店内は中国人の山。
ショーケースにはバッグがなく空になったスペースもチラホラでしたが、驚いたのは奥の小物売り場。比較的手軽な商品が陳列されているショーケースも物が並んでいないのです。パリ在住の方の話では、最近は
中国人とロシア人
がパリに目立つとのことでしたから、買い占められてしまったのでしょう。この世界的な不景気の中、良い商売しているものです。
商品ウオッチではなく、店内マンウオッチングだけでホテルへ帰ったのは言うまでもありません。
とりとめのないイントロになってしまいましたが、年末恒例のベストもの(ワースト含む)の発表であります。日本広といえども、飲食店相手に
期待はずれ
ワースト
などの発表をしているのは友里征耶だけではないかと自負しております。
では3店です。
トルチュ
雇われではなく、初めてオーナーとして吉野建氏(タテル・ヨシノ)が日本に出した広尾のビストロ。知人から皿出しは遅いけど良かったと聞いていただけに非常に残念な結果でありました。
チーズ味のグジェールはまったく凡庸。アミューズの缶詰入り(使い回しか)の唐墨大根カナッペもどこが絶賛に値するのか、ネットのレビュアーに疑問であります。
スペシャリテのサーモン、オイルを塗って火入れしているようですが、生焼けが半端ではなく生臭さが残ったまま。
ストウブ鍋で供されたテッド ド コションは煮込みというか蒸し煮みたいなもので、ミックスした香草がマッチしていない。カスレも単調な味わいですぐ飽きがきてしまいました。コンフィも変に油臭かった。
皿出しは遅くありませんでしたが、まったく美味しくないというか、今後も変わりようがないレベルと判断し、再訪をせずに店評価ブログに掲載させていただいたのであります。
ブーケ ド フランス
ネットだけではなく、知り合いからも美味しいと聞いて2年ぶりに再訪したのですが、初回と同じくまったくその美味しさに触れられませんでした。
まず夏牡蠣にまったく合わないコンソメに落胆。アンドゥイエット、ブーダンノワール、餅豚ポワレとまったく印象に残りませんでした。
癖のあるマダムのサービス(女性を「姫」、男性を「殿」と呼ぶ)も、この時代でスベるだけで見ていてイタい。
スタッフ(厨房&ホール)が少ないのが問題ではないかと考えます。
ヘイフンテラス シェフズテーブル
料理を食する前に、このシェフズテーブルの環境を見ただけで期待は一気に萎えました。入り口からホールを通り過ぎてやっとたどり着いた厨房の横に、いかにも手抜きで造ったかと見紛う隔離部屋がシェフズテーブル。
プアの一言
であります。当時は原発事故直後で中国人厨師が国へ逃げ帰ってしまい、2番手の日本人がトップについておりました。これをスタート時に知って嫌な予感がしたのですが、この支払い(料理だけで6名20万円)では食後感は最悪に近かったのであります。
フカヒレは米スープのとろみが余計。鮑料理はこの価格で干し鮑ではなく生鮑の調理でありました。北京ダックやアズキハタの蒸し物も凡庸でまったく良いところなし。一番安いと思われる紹興酒を飲んでの支払いが一人4万円超と、CPも最悪に近い。
シェフズテーブル=素晴らしい料理の提供
はまったくの妄想であると悟ったのであります。
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店訪問, 旅行記
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- 2011年12月28日(水)|
昨日のブログで愚痴った宿泊ホテル。身内が外に出ようとドアノブを引っ張ったらなんと取っ手が
抜けてしまった
ではありませんか。何だこりゃ。8階の最上階は7階までと違ってフロア全体のスペースは半分くらい。オマケで造ったフロアではないでしょうか。
ちなみに各フロアを散策したのですが、1階(2階に相当)から4階(5階に相当)を見てみたら、超豪華なフロアなんですね。廊下も倍近く広くドアも白い。5階は閉鎖中でわかりませんでしたが、6階から8階までが安っぽく見えるフロアになっているようです。
つまり、アパートメントと同じで、上層階より低層階の方が高級志向ということでしょうか。それにしては東京に出てきたデュカスは、ビル最上階に登って「ベージュ」をオープンしてしまいましたから、彼の頭の中はよくわかりません。
以前から友里が言っておりますが、欧米の高級レストランはほとんど1階かせいぜい2階。高層階にはまともな店はありません。
だいたい高層ビルなんて、NYなどアメリカや香港、ドバイなど新興国に多いものと断言するのは言いすぎでしょうか。
どこかの誇大妄想のブロガー(ずこさん)は、8階建ての2階住居を
低層階マンションならいざ知らず、普通、2階なんて買わないよね
と無知をさらけ出しておりました。井の中の蛙というのでしょうか、自分の環境がすべてでないということが、いい歳してまだおわかりになっていないようです。
まだまだタワーマンションの人気は衰えないようですが、ここ10年以上、ハイスペックアパートメントで高層タイプはもう日本に建っていないと思います。多くが低層タイプに移行しているのではないでしょうか。
低層階には賃貸や地権者向けの部屋を配置するこの手のタワーマンション。最上階近くの数フロアだけが高級志向で造られているのですが、それを見て日本で言うマンションやアパートメントは高層階しか価値がないと思い込むのはあまりに世間知らずというものであります。
しかも件の2階住居、実際は建屋が別で4階建てなんですね。頭とお金が足りなかったのか、調査不足を露呈しております。
さて昨晩は、掲示板で読者から教えていただいた本場に近いアルザス料理を出すという店へ行ってきました。この時期、市内のネオビストロは満席だと思うのですが、悲しいかなこの店は半分の入り。でも観光客は我々くらいであとは地元民のようでありました。
ではなぜこの店を選んだのか。前回シュークルートは食べていたのですが、月曜にしかださないというアルザス郷土料理
ベッコフ
が目的だったからであります。
ベッコフは東京の「ジョンティ」と「グラップ」でしか経験がない友里、本場に近いというベッコフがどんなものか検証したかったのであります。
果たしてその感想は
悪くはないけど肉が多すぎて酒の後味が強すぎる
でありました。まずはベッコフ鍋に入ったものと、取り分けしたものをご覧ください。

ベッコフ

ベッコフ 取り分け後
ベッコフは、牛、羊、豚などの肉を白ワイン(リースリング?)でマリネしてからジャガイモなど野菜とニンニクに各種香草をいれ、ブイヨン(鶏など)で煮込むというかオーブンで加熱する料理と聞いております。
ところがこの本場に近いというベッコフ、出汁が結構茶色いんですね。鶏ベースではないのかもしれませんが、自分には白ワインと言うより
マールで煮込んだ
ような強い後味を感じてしまったのです。ジャガイモのスライスはありましたが、肉が多すぎてその他の野菜はほとんど見かけませんでした。
結構好き嫌いがでるというか、癖のある料理と感じたのであります。
地元ではシュークルートと同じく、具には魚介を使ったものがあると聞くベッコフ。肉でも鴨肉だけのものもあるとネットで知りました。
ここは来年、まだ友里として健在ならば、本場のストラスブールへ行って検証してみたいと強く思ったのであります。