今年もやっぱりトラブルが・・・

6月のシカゴ・サンパウロ・NYに10月のパリ・アルバと順調だった今年の旅行ですが、やっぱり友里にはつきもののトラブル。今回の出張ではしっかり存在感を出しておりました。
経由地のヒースロー空港で昨日のブログのアップを終え、さてゲートはどこかと出発便のディスプレイを見て私は愕然となりました。それまでやたらとキャンセルが多かったヒースロー出発便、なんといつの間にか自分が乗る便もキャンセルになっているではありませんか。
今まで予約便がキャンセルになった経験はありましたが、いずれも当日の便に振り替えられて事なきを得てきたのに、今回は最終便なので当日の振り替えは不可能。

こりゃエライことになった

とゲストサービスへ問い合わせ、まずは指定されたゲートへ。
ただでさえ得意でない英語なのに、緊急時の想定会話が頭に入っておらず相手の説明を理解するのに苦労しましたが、要は預けたトランクを自分で持ち出して、チェックインカウンターへ行って再度予約を取り直せ、という内容。
スタッフに案内されて、裏道からバッゲージ受け渡し場へ行き自分のトランクを引きずりながら再予約をしに行ったのです。

早朝発の便しか空いていませんでしたが、空港近くのホテルのバウチャーと連絡バスのタダ券をもらっようやく一安心。ところがどこからバスがでるのかよくわからず、出発場所を探すのにエライ手間取ってしまいました。
そういえば最近、空港?ホテル間だけではなく、レストランへ行くのも車ばかりで、バスや地下鉄などを使用していなかった。ユーロは持っていたのですが、ポンドが手持ちになくタクシーの使用を断念していたので勝手がよくわからず、バスを探してホテルにたどり着くまで1時間ほどかかってしまったのです。

予想したよりマシなホテルでありましたが、イギリスは他の欧州と違うコンセントであったので、パソコンが起動できません。(空港ななどで長時間バッテリーを消耗したので)
さすが航空会社のバウチャーホテル、変換アダプターは無いとあっさり言われて、教えられた雑貨屋へ買いに行ったのですが、周りの雰囲気はダウンタウンのような感じで恐かった。拙い英語でやっと変換プラグを出してもらっての支払いで、ポンドがないのでカードを出したら、この手の店(高額店ではない)は例のピンコードを聞いてくるんですね。前回の旅行で懲りて、すべてのカードのピンコードをメモしてきたのですが、肝心のメモをホテルへ置いてきてしまった。
適当に入れたコードは不発で覚えているカードは使用不可。仕方なくユーロで超割高なレートで変換プラグを購入したのであります。

翌日なんとか目的地(ドイツの一都市)へたどり着いたのですが、朝の4時起きで体はヘトヘト。仕事で客先へ立ち寄ったのが非常にきつかったです。
でもトラブルはここまでではなかったんですね。一眠りして、予約した2つ星レストランへ行こうと、ホテルでタクシーを呼んでもらって(ドイツで3番目くらいの都市の最高位ホテルですが、タクシーは付近にスタンバイしておりません)、レストラン名を告げて到着。
しかし運転手に指さされた店を見て嫌な予感がしたのです。予約時に、ドレスコードは「タイ&ジャケット」と言われたのですが、その店はどうみてもブラッスリーかトラットリアの雰囲気。座っている客はみなラフな服装なんですね。内装も星付きレストランとはほど遠かった。
でも店名は似ていたので予約名を告げたら

予約が入っていない

とのお言葉。そんなはずはないと店名を確認したら同じだったのですが、控えてあった住所がまったく違ったのに気づいたのは揉めだしてから数分後でありました。
タクシーの運転手に店名を告げて住所を言わなかったのがまずかったのか、ほとんど「同名」のレストランへ間違って連れて行かれたのでありました。仕方なくタクシーを呼んでくれと頼んだのですが、

近くに乗り場があるから自分で探せ

とつれない回答。乗り場を必死に探して目的のレストランへ到着したのは、予約時刻から40分遅れになっておりました。
苦労してたどり着いても美味しければその苦労を忘れるのですが、この2つ星レストラン、友里的には

むちゃくちゃ不味い

店だったのです。和風テイストを多用したミシュランウケ狙いの創作料理。詳細は後のブログに譲りますが、はっきり言って感想は

朝の飛行機で出た機内食(ソーセージなど)の方が美味しかった

であります。
ミシュランが旅行者向けのガイドなら、地元料理の美味しい店を紹介するべき。日本からわざわざ行って、皿に山葵の粉で

フジヤマ

を描いた料理(これがフォアグラなんです)などを食べたいと思う人がいるものか。

日本だけではなく、海外のミシュランも最近はまったく使えなくなったと私は思います。

ただいま欧州移動中

12時間近くのフライトが終わって、先ほど経由地に着きました。乗り継ぎ便の接続が悪いようで、4時以上スタンバイしなければなりません。本来なら経由地で一泊したいところですが、スケジュールがタイトでありまして一泊の余裕がありません。目的地への到着が夜中になってしまうのは若い頃は平気でしたが、50を過ぎると体にきついです。

しかし再建中とはいえ不便になったJAL。次の旅行でイタリアへ行く予定なのですが、ローマやミラノからでも日本への直行便が無くなってしまって誠に不便。
直行だったら10時間あまりで帰れるのに、経由となりますと最低でも3時間近い乗り継ぎ時間を取らなければなりませんから、最短でも15?6時間を要してしまうことになります。
ANAはどうなっているのかわかりませんが、目的地によって航空会社を使い分けることが必要かもしれません。

数週間前でしたか、友里掲示板にちょっと書いたある飲食店関係者からのクレームメール。真摯に対応させていただきまして収束したと安堵していたら、昨日また別の店関係者から半分脅しのようなメールが飛び込んできました。この方の店は以前、シビアに評価させていただいただけに腹に一物もたれていたのでしょうか。

しっかり本名で名乗っているのでその潔さは認めるのですが、あるパーティで私を偶然みつけたようで、私の顔をアップで撮った写真を自身のブログに

載せない方がいいですよね。お返事おまちしております。

と仕掛けてきたのです。
1年以上前に素顔をさらした外国TV番組の動画URLを友里掲示板に公開された私としましては、今さら写真を公開されても(そんなにアクセス数があるとは思えないブログのようですし)どうってことないのですが、私の返事を待っていると言うことは

お願いだから写真を公開しないでくれ

と私が懇願するとでも思っているのでしょうか。
「しみづ」の一件でもおわかりの通り、友里にその手のブラフは通用しないのは飲食業界の常識になっていると思っていただけに私は驚いたのです。
私のことより自分の立場を考えた方が良いのではないか。今はブログネタに困っていませんが、このようなメールは友里にとって

絶好のブログネタ

であります。ネタ不足になった友里が、店主の実名入りのブラフメールをそのまま転載して

ブログ稼ぎ

をするということが想像できなかったのでしょうか。私の性格を理解していれば、ついでに私の彼への返信メールと彼のブログのURLも貼り付けてしまうことも充分予想されることであります。
私の出した返信メールでは一応

実名入り(店名も入っています)メールをそのまま公開されるのが嫌なら返事下さい

と書きましたが、店主はどう対応してくるか。
この歳になりますと無用な軋轢やもめ事は避けたいのですが、

降りかかる火の粉

は払わなければなりません。

そろそろ飲食業界も歴史(大げさ)というか、先達の脇の甘い料理人(友里にブラフを仕掛けた人たち)の苦い経験を学んでいただきたいと考えます。

来年予定している出版本のご紹介

時々ブログでミニ宣伝している友里征耶初の「オススメ本」。今年後半は、掲載するにあたって最終確認をする意味でプレリスト(初年度のミシュラン風)にある店の再訪に大半を費やしております。
京都を含めた和食や鮨などのジャンルはだいたい固まったのですが、肝心のフレンチとイタリアンの再訪がはかどっておりません。フレンチで未訪問(最近再訪していないという意味です)が10軒、イタリアンも8軒くらい残っているでしょうか。

単純に考えても週5日つかったとして1ヶ月はかかってしまいます。これだけに特化できませんし、他のジャンルでも残っている店がありますから、最終的に確認が終わるのは1月末までかかってしまう計算になります。
初稿の期限は2月末、発売は4月はじめを狙っていますから、友里にとっては結構タイトなスケジュールに追い詰められてしまいました。年開けてから店再確認とパラで原稿を書いていけば良いのですが、こと原稿書きに関しては先送りする体質でありまして、締切日が迫ってこないとなかなか自分に鞭を入れることが出来ません。

思えばデビュー当初は純粋でした。仕事の依頼が来たらすぐ対応して原稿も締め切り日と関係なくすぐ提出していたのです。
当時は日刊ゲンダイのコラムを週に5日分ベースロードで持っていましたが、難なく原稿を書けていました。
本来なら慣れがでてより原稿処理のスピードが上がっているはずなのですが、私の場合は逆。コラムに関しては以前の倍の時間をかけているかもしれません。

その理由は2つ。
1つは名誉毀損裁判で敗訴した経験から、

辛口のトーンを薄めることなく、提訴の口実を与えないような文章

をない頭で都度考えているからです。
さとなお氏や関谷江里さん、門上さん、マスヒロさんのように、

ヨイショ

に徹していたら、原稿なんて滝の水の流れの如くあっという間に仕上がってしまうだけに実に非効率な仕事をしていると思ってしまいます。もう1つの理由は

出がらしに近くなった

ということでしょうか。正確には仕事のオファーが年々多くなってしまって、友里らしい面白さ(独自性)を出していくのが大変になってきたということです。
マスヒロさんたちのように、何回も同じような事を使い回して出版を繰り返すことを潔しとしない友里。出版に関しては特に

新味

を出すよう考えております。
J.C.オカザワのパート2もの(庶ミンシュランとかドクロ本)など安直な続編がことごとく失敗していることをみるにつけ、

初版印税貰い逃げ(増刷がなく初版が売れ残ったという意味です)

だけは避けたいと思っているからであります。
映画もそうですが、だいたい続編というものは初編を上回る出来になりません。拙著の「シェフ板」の続編(赤本)は、自分で言うのも何ですが初編より出来が良かったと自負しているのですが、売れ行きは初版より減ってしまいました。
この教訓から、同じような切り口の本は楽ですけど避けるようになったのです。
切り口が斬新だと言っても、組んだ相手(J.C.オカザワ)が悪かった「グルメバトル」も売れ行きがパッとしませんでしたから、珍しい企画が良いと言うものではありませんけど。

さて、そろそろこの友里征耶初のオススメ本の出版社を公開することにしましょう。大方の予想を裏切るかもしれませんが

鉄人社

であります。この友里に「オススメ店」を書かせるというのは、関谷江里さんや門上武司さん、そして大御所マスヒロさんに

公正な店評価

を求めるより難しいと思うのですが、鉄人社編集者の熱意に乗ってしまいました。
出版社名まで明かしてしまいましたから、この数ヶ月で企画が潰れることのないよう祈るばかりであります。

ついでにオススメ本の次の出版も控えていることをここに開陳します。T社からのオファーで

誰も書かなかった有名店の真実(仮題)

を来年後半に出版予定であります。
「グルメの嘘」(新潮社)と被るとオカザワの二の舞になりますので、如何に新鮮味を出すかが問題です。

さてそろそろ出発の時間が近づいてきました。これから時差のある地へ出かけてきます。現地から可能ならオンタイムな情報もブログに書きたいと思っております。
1週間後には日本の店訪問に復帰する予定ですので、しばしお待ち下さい。