今年の抱負

大晦日(現地で昨晩)のカウントダウン、話のタネに近くの広場に出てみました。世界で最も美しい広場(サンマルコ広場ではない)だそうですが、広場に入るのに警官の荷物チェックがあったりと、かなり混み合ってごった返しておりました。

大きなクリスマスツリーや周りの建屋の雰囲気は良かったのですが、若い男性(女性なし)が獲物を狙うように群れをなして徘徊しているような様に眉をひそめたのであります。
家族連れ、男女カップル(同性同士も)なら理解出来るのですが、この祝いの時期になんで男性だけのグループでつるむのでしょうか。彼女がいない、いや彼女をもつ余裕がないのか。目が血走っているようにも感じたのです。

イタリアやスペインに限らず、この国にも不景気の波が押し寄せているのかもしれません。あるメール配信(有料)にありましたが、「金を持った年寄り」が逃げ切りをはかり、「仕事がない若者」が取り残されたという構図でしょうか。
年齢的には年寄りに近くなった友里、蓄えがないので逃げ切ることができませんが、幸いなことに本業や副業がありますので、今年も地道になんとか頑張っていきたいと思っております。

さて掲題に移ります。元旦にさいして、今年1年の抱負を考えてみました。とりとめのないことかもしれませんが、披露させていただきます。

1、友里征耶活動の維持
本当の事をつい言ってしまう(書いてしまう)からでしょうか、アンチをはじめ敵が多い友里、わずかな読者と相変わらずの孤立無援状態が続いております。
本業や個人の情報暴露だけではなく、昨年は本業の取引先にまでコンタクトするぞといった営業妨害を示唆する人(「ずこ」こと大石昌雄さん)まで出てきてしまいました。飲食店関係者ではなく、単なる食べ歩き好きの一般人(現在失職中?)がなぜそこまで友里に執着するのか、不思議であります。
山本益博さん、門上武司さん、関谷江里さんなどと違って、友里は飲食店業界と癒着、もとい、親しい関係がないだけに、店評価や店紹介という仕事だけで生業を立てていくわけにはいきません。黒字化したいと頑張っておりますが、今のところ副業は大赤字であるだけに本業におんぶにだっこ状態。
つきましては、今年もまずは頑張って本業に勤しむ所存であります。その合間をぬって、友里征耶活動をより充実させていきたいと思っております。

2、変換ミスなどケアレスミスをなくす
友里の専売特許といってしまえばそれまでですが、変換ミスなどケアレスミスが目立つブログや掲示板への書き込み。今年はより慎重に対処して、これらの間違いを根絶する努力をしたいと思います。

3、新店、未訪店への突入を増やす
昨年は「絶品レストラン」(鉄人社)の出版に際し最終確認をする必要から、掲載店(既訪店やリピート店)への訪問を優先してしまいました。よって新店や未訪問の店への入店が少なかったため、あまり物議を醸すことがなかったと思っております。
今年は初心にかえって、物議を醸すよう、もとい、よりインパクトある辛口評価を復活してみたいと思っております。
過大評価店や勘違い店の情報をお持ちでしたらどうぞお気軽にご連絡ください。出来る限り対処したいと思っております。

4、フレンチやイタリアン、和食以外の経験も増やしたい
本場、郷土色などの単語を多用しそれらの要素のない店を指摘するからには、友里自身もその経験を増やさなければなりません。
友里が最も弱いとされているのが中国料理。香港はわずか1回だけ、本土にはまったく足を踏み入れていないだけに、この経験をなんとか積み上げる機会を持ちたいと思っております。
また、イタリアの郷土色については細かいのに、フランスの地方には疎いこと(でもパリ以外にも何カ所か行っております)も解消したい。今年は好きなアルザス料理を食べに、ストラスブールを初訪問してみたい。勿論、予算と時間が許されるならイタリアの郷土料理の幅も広げたいと思っております。

5、出入り禁止の店の扉をこじ開けたい
現在友里征耶が出入り禁止になっている店は、

新ばし しみづ
鮨 嘉瑞(すし かずい)

の2つしかないと思います。カンテサンスもちょっと危ない気もしますが、同伴者の予約なら大丈夫でしょう。
昨年のブログに書きましたが、「鮨 嘉瑞」のその後の消息ははっきりしません。そこで今年はなんとか「しみづ」へ入店する術はないかと考えたのであります。
別に術など関係なく、「あら輝」の荒木氏や「青空」の高橋氏のように、清水氏が

それなりの度量の持ち主

なら再訪できるのですが、どうもそうではない方のようであります。
ツマミや握りを否定したのではなく、むしろ好意的に書いたつもりでありましたが、同業者によいところ見せたくて友里征耶に一発かまそうと本業の会社に乗り込んできた清水氏。友里不在で鉛筆殴り書きの書面を置いていったため、お礼にその後日の昼、逆に友里に乗り込まれてしまって、満席でないのに(実際はその時客ゼロ)予約台帳を広げるフリをして伏し目がちに

予約で一杯

と入店を拒否。その15分後にフリで訪問した客(読者)があっさり入店できた様をブログで暴露したのはもう昔のこと。お互いに、水に流す時期に来たのではないかと勝手に思っております。
女将さんもいらっしゃるようですから、ここはぜひ友里にも門戸を開いていただきたいものであります。
「鮨 嘉瑞」の主人とも、東京地裁ではなくいつオープンするかわかりませんが、新店でお目にかかりたいと思っております。

謹賀新年

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

友里征耶として新年のご挨拶をするのは今年で9回目となります。デビュー当時ほどではないですが、相変わらず批判、バッシング、個人情報暴露の攻撃を受け続けている身で、よくまあ10年近くこの副稼業を続けてこられたなとある意味感心しております。
これも、アンチを含めて皆様のお陰とあらためて感謝申し上げる次第であります。

新年にあたり昨年の元旦ブログを読み返してみました。2011年は 

ソースなし&低温ローストの店が曲がり角となる

と予想したのですが、結果はどうだったでしょうか。グラナダからの独立はありましたが、カンテサンスは連日満席を保っているようですし、関西のハジメなども元気でやっているようです。友里の予想ははずれてしまったのでしょうか。
いやその兆候はすでに出ているのではないか。負け惜しみではないですが、少しずつ店(特にフレンチ)で

ソースなし&低温ロースト

が影をひそめてきたのではないでしょうか。以前友里は、これからは

郷土色を打ち出した料理やビストロ系

に移行するのではないかと書いた記憶があります。フランスはパリのネオビストロブームを挙げるまでもなく、食材の再構築によるサプライズや低温ローストは下火になってきているのではないでしょうか。
ビストロだけではなく今年いくつか訪問した3つ星、アストランスを除いて皆

立派なソース

がついておりましたし、火入れも生焼け(低温ロースト)ではなかった。先日はアランシャペル直弟子の店(フランスではない)に初めて行きましたが、ソースは健在でありました。
こう言っては怒られるかもしれませんが、関西のフレンチやイタリアンの新店ではまだ低温ローストやソースなしに拘っているようですが、東京ではもうそんな感じではないのかと・・・

あの予約困難と言われたカンテサンスも、常連にリピートの営業を掛けているとの噂も聞きました。友里にも言えることですが

盛者必衰 諸行無常

経済に限らず右肩上がりそしてそのまま維持なんてあり得ないのであります。
拙著「グルメの嘘」(新潮社)にも書きましたが、30歳前後と若くして3つ星シェフに登り詰めてしまった料理人達、人生半分以上を残してその余生が大変だと考えます。

さてもう1つ、年が明けて必ず思うこと、それは、2009年に芝浦工業大学教授・古川修氏より提訴された「名誉毀損裁判」で、高裁逆転敗訴が確定したときのことであります。
勝訴確定が嬉しかったのでしょう(勿論友里は口惜しかったですけど)、古川教授は代理人を通してメディア関連(ママ)に友里の実名入りで以下のような内容を含んだコメントを送付したとブログで公開してきました。

このたびの判決を今後の評論活動の修正を示唆するものであるとして真摯に受け止め,社会ルールを勉強し直して再起を図られることを期待いたします。

原文のURLを以下に添付します。

 http://superlife.at.webry.info/200905/article_15.html

敗訴を機会に、友里征耶の活動抹殺を狙ったかのようなコメントであります。
しかし友里、

再起を図る

という文言に疑問を持ったのであります。再起を図るとは一度地に落ちた状態からのこと。
でも敗訴確定から今まで、古川さんと違ってヨイショや癒着といった「社会ルール」を身につけず、しっかり副業を維持してきております。友里の活動抹殺を目論んだメディア関連(ママ)へ送ったコメントは、まったく功を奏さなかったのではないでしょうか。
負け惜しみではないですが、

名誉毀損が確定してもどうってことなかった(あくまで古川氏との間のこと)

と書くと、またアンチから突っ込まれるでしょうか。
逆に古川教授自体の活動がかなり不活性(あくまでイメージですよ、アンチさんたち)になってしまったのではないか。
ブログは月に数回しか更新しなくなり、頻度が重要なツイッターもそれほどではないご様子。読者数や知名度、飲食店業界(特に高額店)の認知度もどんなものやら。古川教授の今後の埋没が逆に心配になってきている今日この頃であります。

とにかくこの1年いや少しでも長く、初心忘れずスタンス不変で、しかし顔バレすすむ中、友里征耶活動に邁進(あくまで副業として)していく所存であります。(古川さん、ご希望に添えずご免なさい)

皆様、今年もどうぞよろしく願い申し上げます。
そしてアンチの皆さんには、掲示板で友里が肝を冷やすような根本的問題を有する突っ込みをお待ち申し上げております。

こちらはあと1時間あまりで新年を迎えます。これから街中へ出てみることにします。

今年のワースト店

前日食べた「フォアグラ大根」と「牛ヒレのロッシーニ風」がいけなかったのか、胃の調子がイマイチで翌日の3つ星店ではアラカルト2皿が食べきれませんでした。
だいたいデギュスタシオンで、フォアグラ料理を2皿(しかもフォアグラの量が半端じゃない)も出すのはコース構成的に問題があるのではないか。
一応メインは鳩か牛ヒレから選択でありましたが、鳩が好きではない客はフォアグラ付きの牛ヒレを選ばざるを得ません。無理して食べて、翌日のディナーが台無しになってしまいました。

胃腸薬やヘパリーゼを飲み、朝昼と断食したのが功を奏して昨晩はおかげさまで回復。TGVと車で移動してホテルチェックイン後、まずは運河でボートに乗ってからビール店へ向かったのです。
予想はしておりましたが、数え切れないほどのビールの種類で何を頼んで良いのかわかりません。女性スタッフにオススメを聞きまして、クリスマスバージョンだという生ビールにしたのであります。以下の写真、向かって右から2つ目であります。

生ビール

お味は日本でいう「デュンケル」に近く、しかも後味に甘みを感じる濃厚なビールでありました。薄味のアサヒドライ好きなJ.C.オカザワだと飲みきれないかもしれません。
その後に地元料理店へ入り、名物というムール貝のほか

魚介のワーテルゾーイ(ブールブランソースをスープ状にしてその中に手長海老や白身魚、ジャガイモを入れたような煮込み)

なるものまでいただいてしまいました。友里、完全復調であります。

魚介のワーテルゾーイ

さて日本広しといえども友里征耶だけしかやっていないと自負する

今年訪問した店のワースト発表

であります。今年のワーストは誰もがガチガチ本命だと予想する立地の妙だけの超過大評価店、木に登ってしまったシェフの店であります。

☆アルケッチャーノ(山形・庄内)
京都の有名和食店の主人が訪問した際の感想

塩とオイルをチャチャッと振りかけただけの調理やで~

を人づてに聞いておりましたが、これほど素人料理に限りなく近い調理、もとい、シンプル調理の店だとは思いませんでした。
地産地消がウリでありますが、地元野菜(食材すべて)の質も良くなく量も少ない。しかもシンプル調理の要(塩とオイル)である塩も緩くて、我々は供された皿に塩を掛けまくっておりました。

イタリアンではなく奥田料理だ

と自信過剰のシェフでありますが、絶賛して彼を木に登らせてしまった人たちに私は言いたい。

貴方達はまともなイタリアン(いやまともな料理)を食べたことがあるのか。
この素人調理みたいな料理が本当に美味しいと思っているのか。

厨房だけではなくホールスタッフにまで、その誤った名声に惹かれて全国から若者が志願してくるそうです。そこで今年最後に友里はまた訴えたい。

こんな料理をイタリアン(美味しい料理)だと信じて修業を続けたら、その後の料理人人生を棒に振ってしまうぞ

と。若いとはいえ人生の貴重な時間を無駄にしてはいけません。
最後に読者が「食べ残し」と感じたわずか2片のカルパッチョ写真を貼り付けます。

クロダイのカルパッチョ(わずか2切れ)

そして今年最後を〆るのは、ワーストの番外編であります。ブログでは未公開でしたが、知り合いからどうしても書いてくれと頼まれたので店名などを書いちゃいます。アレンジしていただいた方には申し訳ないのですがご容赦のほどお願い申し上げます。

☆吉兆 嵐山本店
主人のドルジ(こぶへい)、もとい徳岡邦夫総料理長が不在と聞いて期待していたのですが、挨拶に出てきた嵐山本店料理長を見て友里は椅子から(座椅子ですけど)転げ落ちそうになったのです。見た目

30才前後にしかみえない

自称料理長であったからです。昨年の大政奉還(義父の徳岡孝二氏が完全引退)後、ベテランの料理人をみな排除してしまったのでしょうか。
若くても腕が良ければ文句はないのですが、如何にも自信なさげな応対は料理にそのまま反映されてしまったのであります。
立派な部屋に高価な器、そして船遊びさえもカバー出来ない料理の不完成度でありました。
これで初代から続く常連客が果たして通い続けるものなのか。マスコミ露出や店癒着ライターと手を結んでいるようですが、一見客や業界人相手の商売では前途は厳しいと私は考えます。

今年も大変お世話になりました。あらためて御礼申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

友里征耶