東京ミッドタウン 2  「可不可」

ミッドタウンで最初に訪問した記念すべき店がこの「可不可」。
別にどうしても入りたかった訳ではなく、昼はここしか並ばないで入れる店がなかったからであります。
同じガーデンテラス内でも、行列ができているピッツェリア、天麩羅屋、ステーキ屋、インド料理屋、韓国料理屋の他、本日は予約で一杯と称している「ハル ヤマシタ」やフレンチなどの店が多い中、なぜこの「可不可」は直ぐに入れたのか。
価格(3700円以上のコース)に見合った料理内容ではないのが一番の原因でしょうが、通りがかりに見ても魅力を感じない店構えもその要因の一つと考えます。
「東京カレンダー」など紹介雑誌では料理ではなく、経営者の宮下氏のほか、関わったインテリアデザイナーやアートディレクターにスポットを当てた宣伝戦略が問題だったのではないか。自慢の内装などその店構えも、通行人を引き寄せる武器にはなっていないということです。和食屋がダイニング調の内装にして何を客に訴えるのか。自ら「弊店が内装をウリにしているのは、料理に自信がないからです」と言っているようなものではないでしょうか。
何とか誘い込んだ客も実際の料理を食べると、良い食後感をもって店を後にするとは思えません。
3700円の「蕎麦コース」は、お浸しの先付けの後、黒ムツの照り焼き、バラチラシ、冷かけ蕎麦が同時に出てきます。食べ手の事を考えていない店側の勝手。照り焼きの冷め、蕎麦の伸び、を考えておりません。所詮、料理人というか料理長の顔が見えない大量生産式の簡便和食ですから、多くを求めるのは無理というものです。
雑誌では、料理人の顔を出さなかったのではなく、出せなかったのではないでしょうか。。
ビールは生、瓶とも900円とかなり割高。本日の日本酒も1000円でしたが「冷酒」しか用意していません。この店は、和食や日本酒に拘る客を対象にはしていないと考えます。
隣の客が頼んでいた4700円の「薬膳コース」。突き出しの他は、「ウコッケイ」を使っているとはいえただの野菜入りのスープに白飯ですから、CP悪すぎ。5700円のステーキ丼にもまったく興味が沸きませんでした。
夜も丸ビルの店と同レベルの料理の可能性がありますので、友里の訪問はこの日の1回でオシマイとなりそうです。