最近訪問した店 短評編 2011-26

天網恢々疎にして漏らさず

と表しては大袈裟でしょうか。古川さんといっても友里に名誉毀損裁判で逆転勝訴したヨイショ系ライターではなく、佐賀県知事の方。
6/30のブログで、個人的利権からの原発推進者みたいだと書きましたが、国主催の説明会の前に

経済界からも賛成の意見を出して欲しい

と九電幹部たちに話していたことが明らかになりました。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110731-OYT1T00001.htm

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110730-OYT1T00789.htm

もと野末陳平秘書(海江田経産相)との会談後は

(原発の)安全性の問題はクリアされた

とあっさり原発再起動を容認。しかし、九電主導のやらせメールが発覚した今月14日には

再稼働の当事者である九電が組織的に行ったことで言い訳が出来ない

と堂々と批判していたんですね。九電内部の調査では

知事の政治生命にかかわる

とスルーしたようですが、さすがもと職場である検察批判を真っ向から展開してきた郷原信郎さん、一応第三者委員会としての役割を果たしてくれました。
しかし、最初から原発を再稼働したかったのに

ド素人の担当大臣に説明されてから再稼働を容認

という演出をし、やらせメールが発覚した時は慌てて県民感情に迎合して、さも自分は騙されたと言わんばかりの

九電批判

この元自治省役人、ホント性格が悪いというか、正直な人ではないと考えます。

さて3店です。

菊乃井 赤坂店
天下の2つ星和食、ガチミシュランでの検証以来の訪問でありました。店内は7割程度の客入りだったでしょうか。カウンター内では、村田氏に似ている人が差配しておりました。
結論から言わせていただくと、京料理と言うより創作和食。食べた料理は門上武司さんのブログ(7/29付け)にある写真とほとんど同じでありました。

http://www.geode.co.jp/column/kadokami/2011/07/29/post_709.html

しかし門上さんが行ったのは料亭形式の「菊乃井 本店」。友里はカウンター主体の「赤坂支店」でありますし、私が訪問した日は7月はじめ。例え食材の質が違っているとしても

引き出しが少ないな

と思ってしまいます。
この時期の主役である鱧や鮎の質はそれほど高くはなく、トマトスープもどきやソルベ、七宝蒸しなどまったくの創作料理。村田氏に似た方は

この七宝蒸しは創作料理

とはっきり言っておりましたから、納得はさせていただきました。
しかしこの料理を絶賛している門上武司さん。文章力だけではなく、舌力にも疑問の方であると考えます。

ブーケ ド フランス(六本木)
2回目の訪問。一昨年の初訪問では、巷評判のこの店の料理の良さがわからなかっただけに、今回は色々な料理を連れ達とシェアしながら試しました。
色々野菜のエチュベはやや味濃いマリネみたいなもの。夏牡蠣にかかっていたコンソメジュレはポアソン系に感じず牡蠣の風味を邪魔しているのではないか。
パテ、ハム、ブーダンノワール、バベットステーキ、餅豚ポワレと期待したものを感じません。アンドゥイエットも臭みはあるけど旨みを感じなかった。
何か味のトーンが同じような感じで飽きが来てしまうんですね。厨房、ホールとスタッフが少ないのでこれが限界なのでしょうか。

青華こばやし(六本木)
コースは1万3800円コースが主体でいくら飲んでも総支払いが1万5000円前後でCPが良いと最近売り出し中の人気店。
主人一人で調理と配膳をしているので1日2組限定。例え予約が入っていなくてもその日の飛び込みが出来ないのは仕入れをコントロールしているからのようです。今回は1万8000円の上級コースでありました。
人手がないですから、基本は切る、焼く、そのまま出す、と至ってシンプル。それでも食材が良ければ満足なのですが、この日の天然鰻、鱧、鯛、シマアジ、鮎といずれも期待したほどのものを感じませんでした。山葵もふんだんに出してくれるのですが、いかんせん辛すぎです。
唯一オコゼの唐揚げが良かったくらいで、結構焼酎を飲んでの支払いが2万1000円。これが1万5000円くらいならまだ納得できるのですが、飲みを入れない料理だけを考えると、食材、調理、そしてCP感も「くろぎ」を超えるものではないと考えます。
調理は一人の限界。食材はキャパの少なさから予約人数ジャスト分しか仕入れないのではないか。仕入れの中から選り好みできない限界がそこにあると思います。
主人の心意気には感心するものがありますので、このまま無調理(極端な例えですけど)を続けたら、調理技術の進歩がないのではないか。一考をお願いしたい。