最近訪問した店 短評編 14

すみません。原稿仕上げてアップするのを忘れていました。
毎日暑い日が続いています。全国的にお盆休みに突入しますが、私は何の予定も立てておりません。
巷では、友里もマスヒロさんみたいにランチやB級にシフトしてきて懐が苦しいのではないか、裁判で負けて大きな負債を負うだろう、といった話があるようです。確かに今まではあまり昼食をとっていなかったのでランチのことを書かなかったのですが、最近は昼も食べているので書いているだけであります。確かに苦しい家計ではありますが、夜もしっかり訪問していますのでご安心ください。
去年の8月は「グルメバトル」の原稿で昼夜大変でしたが、今年は9月から再開する「日刊ゲンダイ」のコラム準備くらいですから、結構暇というか楽ですね。
あとここで中間報告をさせていただきたいことがあります。今年初め、新著の話があるとアイデアを募集させていただきました。色々と斬新なプランをいただき、編集者と掲載店の検討に入ったのですが、編集側の都合で一時中断しております。このままボツになるか、復活するか、少なくとも年内の出版はないと思いますので、ここに報告させていただきます。
さて、本日の3店、ランチが2店と日本一予約が難しい鮨屋が1店です。
四川豆花飯荘 新丸ビル
シンガポールにある「四川料理店」の日本進出だそうです。以前フリで13時ころ行って断られたくらい一見盛況のようでしたが、ちょっとした仕掛けがありました。
11時のオープンと同時に店前で待っていた客が入ろうとすると、レセプションのスタッフがいちいち名前と人数を聞いて台帳に記入します。店内は客ゼロなのにですよ。しかもすぐ案内しないで入口の椅子に座らせて待たせるんです。準備ができていないわけではありません、店前に無理に「行列」をつくって人気があるということをアピールする「行列偽装」ではないかと考えます。
店内はかなりの大箱。2800円から5500円くらいまでのコースで、エビチリ、トンポーロ、麻婆豆腐などが出てきます。いずれもディープではない上品な味付け、でも麻婆豆腐も適度に麻、辣がありまして、まずまずでしょうか。
この店の特徴は280円必ずとられて供される「八寶茶」。紅なつめ、クコ、菊花、氷砂糖、百合根、龍眼、ジャスミン茶、プーアール茶の混合で、1メータくらいある長い注ぎ口の急須を振り回すパフォーマンスで注いでくれるのです。勢いよく注がれたお茶はテーブル上へ飛沫がとぶほど。しかし、あの長いものを振り回して、いつか客に怪我人がでるのではないかと思うのは私だけでしょうか。
話のタネに一回は行ってもいいかも。その後に夜も訪問済です。
レストラン大宮 浅草 新丸ビル店
訪問した時期はまだ結構盛況で行列が12時過ぎもできていましたが、現在はだいぶ落ち着いてきたようです。開店とほぼ同時に、デミグラスの限定ハンバーグが売り切れたようで、マスヒロさんと同じタンシチューを頼みました。マスヒロさんは味に深みがないといったマディラソースでしたが、私にはかなり下町チックで味が濃く感じるもの。深みがなくても彼には好みだと思うんですけど、化学調味料が彼には足りなかったんでしょうか。
あら輝 上野毛
非常に久しぶりの訪問です。いつのまにか夜2回転営業になっておりました。一か月以上前に、知人が予約を取ってくれての訪問、結論から言わせていただくとそんなに気合い入れてわざわざ出かけるほどの鮨屋ではありません。
ツマミが7種ほど、握りが10個以上出てきましたが、全員がほぼ同時に右から左へツマミや握りを供されて食べるので、客は養鶏場の鶏みたいな感じです。
星鰈、蒸し鮑、馬糞ウニなど質もそれほどのものではない。酢飯はよく言えば無難、はっきり言えば普通、特徴なくちょっとネバネバしていて、私の好みではない。握りは手数が10手ほどかかっており見た目はいじり過ぎ。洗練さを感じませんでした。
最後の有名なチョモランマ、昔はなかったと記憶していますが、ただの中トロ部分を3個分使った大きな手巻きみたいなもので、質も大したことありません。
ほとんどが常連客なのでしょうか、ネットにもありましたが店内はサロン化していて、客の主人やタネ、握りへの称賛が不自然なほどしつこい。酔いが回り過ぎたのか、「こんなに美味しい鮨は初めてだ、感動した」と突っ伏して涙ぐんでいた男性客もいましたから腰を抜かしました。
このレベルでなんと大げさな。一人2万円弱と昔と比べるとかなり高くなっておりますが、銀座の繁盛店と比べて何ら傑出したものを感じません。
地元の客も結構多いと思うのですが、感動して絶賛している人たち、銀座の「小笹寿し」や「くわ野」、
など有名店へ行って冷静に食して判断したことがあるのか。この店ごと銀座へ持って行ったら、完全に埋没すると私は考えます。勿論2回転営業も挫折するでしょう。
全国から客が訪問するとの話も聞きますが完全な「過大評価鮨屋」。上野毛という「立地の妙」があるだけ、わざわざ一か月以上待って訪問するような鮨屋ではないと考えます。