伊勢丹イタリアンフェア

今年もイタリアンフェアが伊勢丹で開催されました。昨年初めて訪れて、その規模、内容が三越のイタリアンフェアとは段違いだったので今年も楽しみにしておりました。
今回のウリは、マルケ州の一つ星リストランテ「ウリアッシ」と、国外初登場というナポリの人気ピッツェリア「ダ・ミケーレ」であります。
連休中の伊勢丹は、天気も回復したからかかなりの混雑。そして予想通り、オープン直後にピザ屋は長蛇の行列ができていましたが、リストランテは予約ノートを用意しているにもかかわらず、結構閑散としておりました。
「ダ・ミケーレ」ですが、イートインもテイクアウトの客も、同じ列でチケットを先に買わせるシステムは流れが悪い。せめて窓口を2箇所にするべきでしょう。
オープンと同時に入店したのに40分は待たされたマルゲリータは、チーズとトマトペーストが豊富でありましたが、周りの部分の焦げ目の部分の苦さがちょっと気になります。悪くはないが、生地を含めて何十分も並ぶ価値があるのだろうか。本店もこの味で整理券までだす盛況なのか。本店と同じ味わいを再現しているのだろうか、と色々疑問がでてきました。
粉や缶詰のペースト、チーズは日本へ持ち込んでいるでしょうが、水の違いは影響がないのか。若き主人の五代目が次々に焼いているのは「ピザオーブン」です。「窯」ではありません。デパートの催し物会場ですから、窯を設置するのは無理でしょうが、日本のイゾラやサルヴァトーレはこの「窯」での焼きを売りにしています。「窯焼き」でなければピッツァでなくピザだと言わんばかりの煽り文句のはず。もし、この「ダ・ミケーレ」のピッツァが、日本のこの2店よりおいしいというならば、ピッツェリアの「窯神話」は崩壊すると言うものです。赤や緑の「窯」を設置するくらいなら、オーブンで焼いてもっと安くしろ、という事になってしまいます。
また、レジ近くに日本の店のパンフが置いてあったので何かと聞いたら、「提携店のようなもの」との返事をもらいました。おいおい、国外初登場、門外不出とうたっているが、提携店が既にあるというなら有り難味は半減するではないか。
次の日は「ウリアッシ」へ。ブログのネタ探しの為とはいえ、我ながらよく通うと感心するというか、暇と言うか。実際はそんなに暇ではないのですけど。
昨年の「マルケージ」もそうでしたが、コースが2種でアラカルトが数種と選択肢がないわりに、価格が
高く、肝心の料理も美味しくない。
単品では前菜が2種で2千円前後、パスタ類は5種で2千円前後、メインは野菜と魚介のフリットミストが2310円、アンコウが2625円と、種々の制約を受ける簡易食堂としてはこれまた高すぎです。
私は5775円のメイン(アンコウ)まであるBースを頼みましたが、オペレーションが悪いのか、造り置きしているのか、前菜を食べている最中にニョッキが運び込まれ、数分もしないうちに「アンコウ」までやってきました。テーブルには前菜、パスタ、メインの3役が同時に並んでしまったのです。
ただでさえ直ぐ冷める温めの料理でこの停滞ですから、美味しいはずがありません。どうってことない前菜とパスタに、塩が強すぎるアンコウ。グラスワインが白、赤とも3種以上用意するなど、三越より良い部分もあるのですが、星付きのブランドがなければ、ベットラ&ヒロと大差のない食後感でありました。
所詮フェアの出し物だから期待するほうがおかしい、と言われるかもしれませんが、都心のリストランテと同じような価格設定はいかがなものか。料理やサービスの質に合わせた良心的な価格にするべきと考えます。
来年はどんな店を誘ってくるのかわかりませんが、本国とはまったく質が異なる料理を出すのでしたら、ふっかけた価格はやめてもらいたいものです。