友里征耶 行っていい店、わるい店

Qサイト連載コラム 2003~2006年までの連載コラム

オカザワ氏の再反論 4

5月20日(土) 第988回
オカザワ氏の再反論 4
-水谷に龍圓-

--- 以下、オカザワ氏より ---

(友里コメント引用)
「水谷さんも楽になってより軽口を連発していました。常連客の「褒め殺し」は相変わらず。驕らず謙虚でいつまでもいてもらいたいものです。」

(オカザワ氏談)
反論はございませんが私見を述べます。
常連客とのやりとりを聞くともなしに聞いていると、まずすし職人らしからぬ少々乱暴な物言いが耳についてちょいと不快。
看過できないのはあまりにも頻繁な捨てシャリ。しかも手に付いた酢めし4,5粒をお櫃の中へ両手でパンパンと払い落とすんですから。挙句の果てにそれでも落ちない最後の1粒を手元のふきんでたたき落とすのを目撃してしまったときには開いた口がふさがりませんでした。すしを愛するすし職人にあるまじき所業は言語道断と言うほかはない。
シゴトぶりに目をつむり、すしだけを評価しても「水谷」は、「銀座のすし店ベスト50 by J.C.オカザワ」 の圏外です。これはけっして大げさなものではなく、1店ずつ慎重にランク付けしましたから、私的には間違いありません。

---------------

確かに派手に捨てています。布巾で落とすところは私も何回か見ています。
よく考えれば良い気分ではないでしょうけど、私は日本酒を飲んでいるので、酔っているからかそれほど気になりません。
私が気になるのは、握りの手数がやたらと多い職人。また、最後の形成をまな板に置いて、両手でいじくっている職人。せっかくのタネが台無しです。
「水谷」を純粋に鮨屋として評価されないのは、酢飯の問題でしょう。確かに最近はより特徴を出すためか以前より先鋭的な酢飯になっているようです。これじゃ、ますます「ぬる燗」もすすむというもの。
このしょっぱさが個人の嗜好の範囲内か、範囲外かで水谷の評価は変わるでしょう。
フレンチでも、三鴨氏の塩きつい料理と、若い女性を対象にした「サリュー」の料理はまったく味わいが異なり、評価する人も違います。

最近オカザワ氏の好みの鮨屋をチェックするようになりました。浅草「高勢」、「兼定」などを考えますと、まずは「ツマミ充実系」。そして「新鮮タネ系」ではないかと。「兼定」は私も好きな店ですが、酢飯はそれほど個性的ではなかったと記憶しております。
最近よく思うのですが、タネ質のレベルや仕事具合(〆具合など)、酢飯の砂糖、塩、酢などの分量など、店、職人によって主張は千差万別。
プロたちでも酢飯や〆の仕方の意見が分かれるのですから、素人である我々客の好みがまったく異なるのは仕方ないことかもしれません。
他のジャンルもそうでしょうが、鮨も何が美味しくて、何が美味しくないのか、
相対ではなく絶対的に評価するのは困難だと考えます。

--- 以下、オカザワ氏より ---

(友里コメント引用)
「傑出した店とは書いていませんが、あのカテゴライズだと傑出店と誤解される読者もいらっしゃるかもしれません。その後のフォローでいうならば、 近所なら再訪も可、といった位置づけでしょうか。」

(オカザワ氏談)
おっしゃる通りです。近所にあったら再訪はむしろオススメ。ボクはこの店の手の込んだ料理よりもラーメンやチャーハンがスッキリとしていて好きですね。

---------------

これは「龍圓」に対するコメントであります。
マスヒロさんは最近かなり気に入っているようで、頻繁に取り上げていますね。
主人はマスヒロさんのアドヴァイスを素直に聞き入れているためだと思います。