友里征耶 行っていい店、わるい店

Qサイト連載コラム 2003~2006年までの連載コラム

オカザワ氏の再反論 2

5月13日(土) 第981回
オカザワ氏の再反論 2
-巨牛荘にホテルのレストラン-

オカザワ氏の「巨牛荘」に関しての反論です。

--- 以下、オカザワ氏より ---

(友里コメント引用)
「有名人が通っているとも知りませんでした。
でもこの店、糾弾するほどの価値があるんでしょうか。」

(オカザワ氏談)
以前は個人経営。現在はWDI傘下。あちこちに支店を出して売上げもかなりの額。友里さんも一度ここの仕上げの肉汁焼きうどんを食べてみてくださいな。とんねるずの石橋クンなんかは絶賛してますが、食後友里さんも絶対に糾弾したくなりますから。

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多店舗展開といっても、私はそのすべての店を取材対象にしているわけではありません。WDIの経営する店では、「イル ムリーノ」、「グランド セントラル オイスター バー」など鳴り物入りでオープンして読者が勘違いしてしまいそうな店だけを取り上げました。
芸能人が絶賛している店だからといって、賢い客側がそれだけで真に受けるとは思えません。普通は逆に疑問を感じますよね。 芸能人や業界人絶賛でも「大田原牛 牛超」を取り上げたのは、あの田崎真也氏や来栖けい氏が絶賛しはじめたからです。
WDIの主力である「カプリチョーザ」や「巨牛荘」を利用される人の目的と友里のわずかな読者の方の目的は異なりますからまったく注目しておりませんでした。
それはオカザワさんの読者にも言えることだと思うんですけど・・・
私は「肉汁焼きうどん」なるもの、食べに行くことはないでしょう。
学生時代行った焼肉屋で、肉の焼き汁を下で貯めておく店がありました。 その汁をご飯にかけて食べるのをウリにしていたのですが、その味を知っている私としては、この手のものはもう食べる気がしません。

--- 以下、オカザワ氏より ---

(友里コメント引用)
「ホテルの飲食店にうまいものなし」。
私がデビューした時以来繰り返し訴えている定説であります。」

(オカザワ氏談)
反論というほどではありませんが、ホテル内のオススメ店というかおいしい店をご紹介。 パレスの「和田倉」の天ぷら。ガス釜で炊いたごはんが抜群です。オークラの「ラ・ベル・エポック」と「桃花林」は高いけれど、終わってはいませんよ。穴場は新横浜プリンスの中華「胡弓」。とても安くてとてもおいしい。ハズレは皆無で、出色は定番の叉焼と皮蛋、それに青椒牛肉糸。新横浜に行ったらラーメン博物館に寄ってるヒマはありませんぞ。

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うーーん、ホントにホテルの店で鉄板焼き以外にいい店があるんでしょうか。
(鉄板焼きも、それ自体がいいというわけではなく、ホテル以外の鉄板焼きと大差がないとうだけです)

いくらご飯が美味しいからといって、本業は天麩羅でしょう。おいしいご飯なら家で造る土鍋で充分。なにしろあの「なかひがし」のメインディッシュと大差ないと思うくらいですから。
次に「桃花林」。オークラはじめ老舗ホテルに通いつめるセレブ、富裕層がいまだに多いのは存じております。この「桃花林」も混雑していますね。 最近は1万円以下の安いコースもかなりあるようですが、魅力的なメニューではありません。
1年半前くらい、2万円前後のコースを食する機会がありました。しかし、 同じ支払いをするなら、「赤坂 離宮」、「冨麗華」、「銀座福臨門」など有名店へ行ったほうがまだましだとあらためて感じました。私にはすでに終わっているとしか思えません。あの大箱、固定費、考えるだけでも食材や調理でCPが良くなる要素がないでしょう。
「ラ ベル エポック」や「バロン オークラ」も湯水のごとく予算が沸く人ならいいですが、限られた予算の方、自腹の方には無駄な店だと思います。 ホテルの店は宿泊客、訪問客の両方に対応しなければなりませんから、なかなか創造性ある料理を造りにくい。上がつかえていますから、脂の乗る30や40歳台でもシェフなどになかなかつくことは出来ず、モチベーションを保つのも難しい。よって長く勤めた人がシェフになる今の制度では、ホテルのレストランに多くを求めるのは無理というものです。 帝国の「セゾン」のように、外からシェフをもってくるのでしたら別ですけど。 ホテル純粋培養の料理人で独立して評判の店というのがあるでしょうか。

プリンス好きの方には申し訳ないのですが、どうしてもプリンスホテルといったら、あの堤義明氏を思い出します。彼の嗜好が凝縮しているこれらプリンスホテル、建物もすべて垢抜けないですが、飲食店も値付けが安いだけしか特徴はないと思っておりました。
「胡弓」、新横へ行く機会はなかなかないのですが、その節は無理して飛び込んでみることにします。