閉店詐欺みたいではないか デ・サヴール

今週は不信任案の可否をめぐって与野党の攻防が激しくなると言われております。果たして優柔不断な谷垣さんが不信任案を提出することが出来るのか。果たして民主党から白票を入れる人が何人も出るのか。
可決された場合、総辞職を選択せず解散総選挙に打って出る可能性が数割あると聞きました。小泉さんとおなじく、テンパったら何をやるかわからない菅総理、存在自体が

政治空白

であると私は思うのですが、茶坊主の寺田前補佐官と岡田幹事長、安住国対委員長など数人を除いてもはや民主党内ではボロクソだとか。安住さん、小さな体をいつものように左右に揺すりながら?

不信任案が通ったら解散総選挙を進言する

と民主党議員を牽制していましたが、己が落選してプーになることを想定していないのか。菅、仙石の両トップも危ないと言われているだけに、あくまでブラフだけで私は解散出来ないと思っております。?

さてル・ジャルダン・デ・サヴールというフレンチをご存じでしょうか。青山から銀座へ移転してきた時は騒がれたカウンターフレンチでしたが、最近はすっかり埋没してしまいその存在を忘れておりました。

そのデ・サヴールの中澤シェフが今月(5/28)で店を閉めてNYへ行くとネットで知り、先日訪問してきました。NYへ行って和食系の店に入るとの噂もありました。
ところがどっこい、なんとNY行きは中止となり店はそのまま存続と知ったのはつい最近。存続するならわざわざ行かなかっただけにこれでは

閉店詐欺

みたいなものではないですか。
結論から先に言わせていただくと、料理を云々述べる以前の問題。若い衆にイヤミや罵倒をするだけではなく、ケリまで入れているではありませんか。とても料理を楽しむ雰囲気ではないんですね。

料理を簡単に書きますと楽しみにしていたガルグイユ。ブラスが来日した時に洞爺湖で食べたことがあるのですが、本物はこんなもの(すべての野菜が同じ調理法)ではない。バターとフォンの煮物みたいなものでがっかりしました。しかもバターが強すぎる。本物は野菜によって調理をそれぞれ変えていたはずです。
メインの仔羊もオレンジコンフィが甘すぎて友里にはイマイチ。昔はもうちょっと骨太だったと記憶しております。

ただしワインのラインアップはよかった。ブルゴーニュは若くて高かったですが、ボルドーはなかなかのものが安めでありました。
90年のモンローズ、たしかパーカー100点だったと記憶しておりますが5万円。79年のピション・ラランドは3万5000円でありました。

食べログのレビューによりますと、しばらく店を閉めてまた同じところで再開とありました。今月で閉店してNYへ行ってしまうと聞いたから無理して訪問したのにこの結末。
私のように名残を惜しんで無理して訪問した人も多かったのではないでしょうか。よく何年も

閉店セール中

と大きな看板を掲げて、何年も営業している小売店があります。「閉店」とは廃業閉店ではなく、毎夜の閉店の意味だそうで厳密には嘘ではないでしょうが詐欺みたいなもの。
この商売と比べるのは酷かもしれませんが、集客に苦しむレストランが名残を惜しむ客を呼び寄せるこの

なんちゃって閉店

中澤氏が開発した新戦略として飲食店業界で真似する店がでてくるかもしれません。
シェフの蹴りとおなじく、なんとも後味悪い今回のデ・サヴール訪問でありました。

最近訪問した店 短評編 2011-17

先週は年に2回の禁酒ウイークでありました。週末に人間ドックがあったからでして、4日間ほど完全断酒をしておりました。ドックは年2回ですから、体調を壊さない限り1年365日のうち禁酒日はたった8日間であります。
昨年は数週間寝込み、今年も検査入院などがありましたが、それでも年に340日近くは毎日ビール1本とワイン1本レベルの酒量を摂取していることになります。

毎回の検査結果では悪性腫瘍や成人病のチェックが気になりますが、もう1つ関心があるのが加齢による肝機能の低下であります。酒飲みがドクターストップになったら悲劇ですので。
50歳前はγ-GTPが20以下と「鉄の肝臓」を誇っておりましたが、ここ数年は40前後とちょっと数値が上がってきました。まだ上限値には余裕がありますが、そろそろ酒量を落とす時期に来ているのかもしれません。
検査が終わって知人と鮨屋へ行ったのですが、禁酒のせいかビールにぬる燗でいつもより早く酔いがまわってしまいました。

さて3店です。

ブラッスリー・ジョンティ
昨年に続いて2度目の訪問。前回はオカザワが一緒で足をひっぱられたのか、料理の印象がほとんど残らなかったアルザス料理専門店であります。
今回の訪問で集客が順調であることをしりました。昨年は、我々以外は閑古鳥だけだったのですが・・・
フォアグラポワレ、アルザス風ピザ、シュークルート、ベッコフなど頼んだのですが、いずれもボリュームがあって値付けが安い。勿論美味しゅうございました。これでは客が来るのは当然であります。浅草という地であまり一般的でないアルザス料理は難しいと思っていたのですが、今のところ成功のようであります。

都寿司
食べログなどネットで超人気、高評価な寿司屋であります。
店内の壁には、「お任せ1万1000円」と明朗表示。ツマミが追加を入れて9種、握りは干瓢巻きの追加を入れて13ヶほどでてきて酒類を入れての支払いが一人1万5000円ほど。
確かに高額系の江戸前寿司としては、場所を考えてもリーズナブルだと思いますが、タネ質、仕事とトップレベルのものではありません。安いには安いなりの理由があったのです。
酢飯にはしっかり砂糖の添加を感じ取りまして、どちらかというと友里の好みではない寿司屋でありました。
江戸前寿司の入門店としては良いと思いますが、食べログにあるような絶賛の嵐を感じるものはありません。

ヘイフンテラス シェフズテーブル
結論から言いますと、この値付けの高い店で、わざわざ更に値付けの高い「シェフズテーブル」を予約する必要なし。
厨房の一角に無理に区切って造ったこの空間、まったくのプアであります。高級感がないのに、6人で20万円という高額料理。本場の厨師が最高質の食材を使用して調理してくれればこの空間と支払い額でも良いのですが、なんと説明に現れたのは日本のホテル出身の日本人厨師。名刺には2番手とありました。
聞いたところ、原発事故問題で新しい料理長の来日が遅れているとのこと。これを聞いた瞬間に我々の期待は一気にしぼんでしまったのです。
料理は数週間前に訪問した料理とかなり被りまして、北京ダックやアズキハタの蒸し物など。値付けの高い紹興酒(一番安いもの)を飲んで一人4万数千円はあまりにCP悪かったです。

店評価ブログを更新しています

「絶品レストラン」もいよいよ校了間近。最後のチェックを紙ベースでしております。

what is 絶品レストラン ?

と疑問の方も多いと思いますが、ついに友里オススメ本のタイトルをこれに決定してしまったのです。
友里掲示板ではまったくの不評で多くの代案をいただきましたが、結果的に最初の案に決定した経緯をここで述べさせていただきます。

要は、前著までの友里的なタイトル(挑発的なイメージ)では客層が広がらない。初公開のオススメ本ですので、ここは純粋無垢な人を釣り上げるタイトルが必要ではないかと考えたのです。
今までの5冊をお買い上げいただいた数少ないファン(アンチも含め)はタイトルがどんなものでも買っていただけると踏んだのです。極端な話

無題

でも大丈夫かなと。そこで、ぴあ社やマガジンハウス社が扱うような本のタイトルにして

純粋無垢な読者やミーハー読者

が手にとりやすく、そしてヨイショ本と間違えて購入してくれることを狙ったのであります。
アンチ含めディープで一家言持った外食好きな人(マイノリティ)だけではなく、人に勧められたら何でも受け入れてしまう純粋無垢な人(マジョリティ)までを取り込もうとした戦術。このタイトルで、店紹介本として初のベストセラーを狙っていると発言したら、

友里は放射能でやられたのではないか

と判断されてしまうでしょうか。
早い話、タイトルと中身のギャップに賭けたのであります。
ただし副題や帯は皆様の案を色々参考にさせていただきました。ここにあらためて御礼申し上げます。

さて店評価ブログに、熊本の2店をアップしております。まったく期待はずれであった高額天麩羅の「天ぷ羅 政」と馬肉料理の「菅乃屋 上通店」であります。
ぜひお立ち寄りください。