GOETHE(ゲーテ 幻冬舎)のミシュラン批判を読んで その1

先週ちょっと触れました「ゲーテ」の「日本人を舐めるな!ミシュラン」。
文藝春秋1月号に掲載された「驕るな、ミシュラン」(友里征耶)と方向性はまったく同じのようです。要はミシュラン自体の調査力、能力、そしてコンセプトがまともではないというものです。発売後にやっとミシュラン批判をするライターたちもでてきましたが、私と違ってツメの甘いものが多く読み手に取ってはっきり分からないもの多かっただけに、社を挙げてのミシュラン批判をする幻冬舎には感心しました。
今週はこの企画につきまして考えてみたいと思います。
まず今日は、「ミシュラン格付け方法」5つの謎
1、匿名調査への疑問です。フランス人の客がほとんどいない店に突然やってきたら誰でもわかる。調査来店前にミシュランから「後日調査員が匿名で行きます」との通告してくるのはおかしい。
「気合い入れて準備しろ」と言っているようなものではないですか。これでは本当の意味での「匿名調査」ではないですね。
1つ星「すずき」で最初から日本人調査員が身分を明かした情報を書いたことがありますが、そのような「噂」もあると書かれています。
売上を上げることしか考えていないナレ氏、調査の最中からマスコミ露出していましたが、本当に「匿名調査」をしたかったら、1年前から黙って調査員を日本へ派遣するべきだったと考えます。そして突然発売すればいい。
匿名調査なんて形だけ、売れればいい、という姿勢が見え見えであります。
2、欧州人と日本人の調査員では当然基準が異なるので、格付けの合議ではかなりの店で意見が異なったはずである。その場合は再訪するはずだが、そうなると1500店を1年半でまわるのは物理的に不可能だ。
確かに夜しかやっていない店もありますから、一度だけや昼だけの訪問の店も多いでしょう。しかしランチだけで本当の格付けができるとは思いません。手抜き評価であります。
3、ミシュラン世界基準で評価したうことは、NYの「クルマズシ」が1つ星基準ということ。それなら東京の鮨屋は星がいくつあっても足りない。
たしかにそのとおり。和食でも同じことが言えますね。仕入れに差があるので、同じ基準で評価すること自体が無理です。
4、ろくに日本食を食べていない外人が、素材の質や個性、一貫性をわかるはずがない。
私が追記させていただくと、伊藤章良さんも「月刊プレイボーイ」で言っておりましたが、日本人調査員にも疑問。ホテルやレストランでのかなりの年数の実務経験が必要な調査員、それほど食べ歩く暇があったのかということです。
私が何度も言っているように、日本人調査員も自己顕示欲が強いだけでたいした経験と調査力はないと思います。
また料理の「一貫性」。マスヒロさんはじめすべてのマスコミが小野二郎さんの素晴らしさを唱えていますが、「次郎」の半分以上の客は長男の握りを食べているのです。「次郎」に本当に一貫性があるならば、二郎さんの握りも長男と同じレベルということで、まったく矛盾することになります。二郎さんの握りは長男の握るより上ならば、一貫性などまったくないことになります。要は、ミシュランの評価がいい加減なだけなのですけど。
5、3つ星の店でさえ、わざわざ外国から飛行機でやってくる価値を見いだせるか。
これは写真載せてページを稼ぎたく掲載許可をとる方針にしたことで、「掲載拒否」が発生してしまったからです。実力も人気もある店は、一見やミーハー客が増える可能性があるミシュラン掲載を素直に喜ぶものではありません。本当に美味しい店が載らず、格落ちの店しか掲載できなくなったから、わざわざ訪ねてみたい店が少ないのは当たり前のことなのです。
「月刊プレイボーイ 3月号」の4人対談で、山本益博氏が「次郎」の「明細拒否」についてかなりの暴論を展開して「擁護」しています。
いちいちそんな事いう客は行くなと、「3つ星に行くには『あなたも客として3つ星かどうか』という前提があるのに」とまで客や読者を見下した発言。
彼を「品性下劣」と断じた幻冬舎・見城社長も、「あんたにだけは言われたくない」と思っていることでしょう。
対談仲間の横川潤氏、伊藤章良氏、宇田川悟氏のうち誰もマスヒロさんのこの暴言に対して苦言を呈しないどころか、宇田川氏に至っては、「店も客を選ぶ、ということがわかっていない」と追従の発言。
この人たちに一般客、一般読者の目線を期待するのは永遠に無理でしょう。3人ともマスヒロさんに遠慮、気を遣っているのが見え見えですが、マスコミ界での彼の影響力を期待しているのでしょうか。