2006年 友里征耶のこの10店 その1

年末年始、この1年のベスト10を発表するTV番組が目立ちます。ブログなどでもお気に入りの10店を選ぶ企画をよく目にします。
そこで、2007年最初の企画は、「評判倒れ、予想外に良かった」、「ご存知、言ってはいけない店」、そして「友里のおススメ店」をそれぞれ10店、3回に分けて簡単に書いてみたいと思います。取り上げた店は、私がはじめて訪れた店、もしくは久々に訪れた店に限ったものとします。よって、「行ってはいけない店」に「野田岩」などは入っておりません。
では今日はまず「まったくの評判倒れだった店」7店と、「予想に反してよかった店」3店です。
まったくの評判倒れ
グリル グランド
TVなどマスコミに出まくっている高い洋食屋。JCの絶賛おススメで2度も訪問しましたが、銀座などにあるそこらの洋食と変わらない内容で、支払いは普通のフレンチ並み。あの手をかけない緩い詰めのビーフシチューに3千円をニコニコ顔で払ったら、フレンチのシェフがやる気をなくします。東京の洋食は過大評価されすぎて高すぎです。ミックスフライもただの普通のフライでした。
ビストロ モンペリエ
これまたマスヒロさんが絶賛していた下町の店。ビストロと称する割に、ポーションは小さく味もインパクトない料理。「ラミティエ」の量と価格に敵わず、「ド ラ シテ」の量と味に敵わない中途半端なビストロです。
リストランテ カステッロ
店名詐称かと思ったイタリアン。雰囲気、サービス、そして料理とまったく「リストランテ」ではなくどとらかというと「ファミレス」に近い。ジョギング途中のトレーニングウエアの夫婦が入ってきたのには驚きました。
大箱でテーブルチェックではなく入り口のキャッシャーで会計する客が多いのがそれを物語っております。料理も勿論まったく凡庸でありました。
銀座 こびき
メーカーの技術者から大学教授に転身した、副業ライター古川修氏絶賛の店。日本酒、食材の生産者、料理店の勝手な自慢口上を垂れ流すただの「ヨイショライター」が何を勘違いしたか、親しくなった店、生産者、造り手を利益享受と引き換えに一般読者に宣伝しまくっているのですが、その「煽り店」の一つがこの「こびき」です。
高額居酒屋の請求で、料理はそれなりの居酒屋料理。この店の料理のどこが傑出しているのか。まともな和食、京料理を食した人なら理解できない「過大評価」とすぐわかるでしょう。店自体も、古川さんに下手に持ち上げられて注目されるのは迷惑ではないでしょうか。
金兵衛
「東京最高のレストラン」などでスシ専門のコメントを発している早川光氏が玉を含め絶賛している鮨屋。
その玉子もさほど傑出しているものではなく、他のツマミ、握りもまったく凡庸でありました。仕事後、飛び込みでちょっと食べてかえるスシ屋の位置づけの店であります。
伊勢廣 本店
ネットでは絶賛の嵐の焼き鳥屋。しかし、この鶏は本当に地鶏なんでしょうか。旨みを感じす、焼き方も含めまったく期待はずれ。しかし満席なのが不思議です。ネットの評価を信用してはならないという代表例であります。
すぎ田
有名なトンカツ屋ですが、そのロース、ヒレのトンカツは質がイマイチでまったく凡庸。オムレツもたいしたことなく、エビフライも大きく高いだけのもの。ポークソテーも味濃いだけのようです。豚質でもっと上の店は増えています。昔の名前を信じて行ってはいけません。
予想外に良かった店
竹慈庵 なかだ
東京カレンダーで大々的に宣伝されていた「期間限定」の和食屋。ある日本酒メーカーがスポンサーという話です。雑誌で宣伝してもらったというのに、ブログでの公開を許さない矛盾。雑誌での宣伝はいいが、素人の評価は受け付けないというのか。紹介制で住所、連絡先を公開していませんが、その創作和食は予想外に美味しいものでした。もっと懐を深くして一般客に対応してもらいたいものです。
日本酒、ワインと非常に高いので注意が必要です。
けせらせら
同じく東京カレンダーに不自然なほど出ていた店。一説には宣伝費を払ったとも漏れ聞いています。
しかし8千円ほどのコース料理は意外にまともというか、この価格としてはお買い得。もと「とく山」出身の料理長、同伴カップルの好むダイニング系と雰囲気はイマイチですが、CP感は悪くありません。
ラ トゥール
交詢ビルの「オストラル」後に出店したフレンチ。「トゥール ダルジャン」出身のシェフというだけで引けてしまいますが、独立と共に不動産会社から駆けつけたサービスを担当する弟さんとこの不毛なビルへ移転していい味だしています。まったく新鮮味のないオーソドックスな盛り付けと調理の料理ですが、これがなかなか美味しい。自家製のパンも美味。もしかしたら、交詢ビルの中で唯一の勝ち組になるかもしれません。