集客に苦しむフレンチシェフへの提案。フレンチ寿司への業態替えはいかが!

昨日のブログではあるフレンチ料理人の高額鮨屋への嫉妬にも似た嘆きを書きました。
都心で石を投げれば高額寿司の新店に当たるほど、その増殖の勢いは衰えることを知りません。驚くのは修業店より

高い値付けの店としてスタート

する店が結構あるということ。タネの仕入れは仲卸などとの信頼関係が一番だと思うのですが、そんなポッと出の自称寿司職人が修業店より質良い高額タネを仕入れることが出来るのでしょうか。友里は不思議でなりません。質の高いタネは数に限りがあるからであります。

さてそんなあるフレンチ料理人の嘆きを別のフレンチシェフに話していたとき、友里は新しいビジネスモデルを考えついたのであります。それは

フレンチシェフが新たに始める寿司屋

であります。これだけ高額鮨屋が増殖してもかなりの確率で繁盛している現状。連夜の閑古鳥襲来に怯えるくらいなら、ここは業態替えして寿司屋へ転身したらどうかとの提案であります。

和食屋でチョイ働いたけど寿司屋での就業歴皆無の星付き寿司屋

があるという現実。「鮨 なかむら」のことですが、江戸前鮨ブームに沸く関西でも

就業歴なく自己流の寿司屋が繁盛

していることを考えると、フレンチシェフでも寿司屋が簡単にオープンできるのではないか。いやもっとまともな寿司屋が出来るのではないかと考えたのであります。寿司屋ではないですが

フレンチシェフが焼き鳥屋へ転身

して成功した例は「ぎたろう軍鶏 炭火焼鳥 たかはし」が証明しております。その関係者から漏れ聞いたという話をしちゃいますと

焼き鳥屋になって儲かってしょうがない

とのこと。焼き鳥屋でそれほど儲かるなら

フレンチ寿司なら更に儲かる

のは誰でも想像がつくところであります。そこでどのようなフレンチ寿司を出すかを考えてみたのです。まずはツマミ。誰でも想像がつくでしょうが

アン肝の替わりにフォアグラ

は必須でありましょう。魚介類を使ったテリーヌや、さっと火を通したラングスティーヌなんかもウケると思います。
江戸前仕事(そう言えるかわかりませんが)としては、「鮨 三谷」ではシャンパンで〆たものがでてきましたが、

バルサミコを使ったヅケ

はいかがでしょうか。ビネガーやスパイスを使って〆るのも一考かも。
酢飯も塩と酢の通常版のほか、バターライスかサフランライス、もしくはクスクスをつかった変わり種(果たして握れるかどうか)もいかがでしょうか。高いワインがバンバンはけそうではありませんか。

あまりフレンチ色を出しすぎると財布のひもが緩い鮨好きが引きますから、奇を衒うような創作寿司ではなく、あくまでフレンチテイストを出すだけ。
しかしこのフレンチ寿司が成功するための一番のウリは

あのフレンチシェフが寿司屋に転身

という「キャッチ」なのであります。

ワンパターンの今までの江戸前寿司には疑問を持っていた。もっと繊細で斬新な仕事をするべきではないか。そこで私はフレンチの技巧を寿司に応用できると確信し、それを世間に広めたいと思ったのです。

なんて吠えてしまえば、千客万来となるのではないでしょうか。

奇を衒う仕事をする「鮨 三谷」が1年先まで予約一杯なくらいですから、しっかりしたフレンチを習得した料理人が造る仕事タネは「鮨 三谷」を軽く上回る完成度になると友里は考えるのです。

勿論予約困難店になるための演出も必要です。無理して満席にはせず予約を制限。(席がスカスカだとみっともないので、サクラや身内、親しい客で最終的には適当に埋める)
リピーターにも1週間後や2週間後が空いていても無理して

1ヶ月先しか入りません

とするわけです。その隙間には、恩着せて親しい常連に来てもらうわけです。今流行の

なんちゃって完全紹介制

の看板をあげるのもよいかもしれません。この業態変更での一番の障害はなんといっても

フレンチ料理人のプライド

でありましょうか。案の定、話したフレンチシェフ(その店は適度に繁盛しているようです)は私の提案に

今更そんなことできない

と耳を貸そうともしませんでした。しかし私は言いたい。

プライド捨てて雑居ビルの焼き鳥屋オヤジになって儲けている先例があるではないか

日夜閑古鳥との格闘に大事な時間を費やすより、プライド捨てて実を取るのも一つの生き方ではないかと友里は考えるのです。