金は天下の回りものか

昨日のブログで、自称マンションの実行予算を日本の国家予算に例えて

事務方である管理委託会社(官僚)のデータをベースにしたら、まともな削減は出来ない。
管理委託会社(官僚)を超える頭脳と実行力を発揮したら、画期的な削減が出来る可能性が高い。

と自身の経験を元に述べました。世には色々な意見があるようで、

役人の無駄遣いも結局は民間の懐に入るので「風が吹けば桶屋が儲かる」のように色々な人が恩恵を受けることになる。決して悪いことではない。
また高級マンションなら、値切らず業者の言い値で支払うのが「ノブレス・オブリージュ」ではないか。

といった書き込みがありました。

http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1283286181/149

確かに、無駄な箱物をつくってゼネコンを儲けさせれば、交際接待費や使途不明金によって

銀座の女性が潤う→ブランド品が売れる→・・・
絵画の買い戻しによる裏金造りのため、画商がもうかる→・・・

といった連鎖効果があり、局部的かもしれませんが儲かる人が出てきます。
その儲かった人が、市井でお金を使いまくれば結果、世の景気は良くなると言うのがこの方の考えなのでしょう。

バブルの時、タモリがユンケルの宣伝で

一日一本

と叫んでいたのをご記憶でしょうか。一日一本飲んでいた主役は銀座のホステスだったらしく、バブル崩壊で銀座のクラブがピンチになった時、真っ先にユンケルの売り上げが落ちて佐藤製薬は大変だったとの話を漏れ聞いたことがあります。それまで値下げはしていなかったユンケルですが、以後は半額前後で売る薬局もでてきました。

金は天下の回りもの。無駄に使っても結果的には景気対策になる。

確かに一理あります。私も以前から

無駄な箱を造っても、ゼネコン役員や社員の収入があがればそれが市井にまわるのではないか。
「渡り」で何億円も高級官僚が稼ぎまくっても、それが市井に回れば恩恵を受ける民間人がでるのではないか。

と思ったことがあります。
でもそれが「正解」であるならば、与野党が口を揃えて唱えている

財政再建

はまったくの無意味。借金しまくってもバンバン無駄な箱物をつくり、高級官僚含め公務員を好待遇しつづけることによって

我々シモベ(一般人)もその一部の恩恵を受けられるのだ

と我慢しなければならないのか。
私は、国(会社も)の景気対策に真の正解はないと主張しております。経済対策に正解がないから、

景気と不景気は定期的にやってくる。不況も突然やってくる
なるようにしかならない

と思っております。ですから、この無駄遣いも全面的に否定するわけではないのですが、公務員やゼネコンの懐を潤すのではなく、他の職種や業種を潤しても良いのではないか。

バブルまでは民間がよくて、公務員の給料はよくなかった。
バブル崩壊後にやっと公務員がよくなっただけ。

との主張もありますが、この主張は戦前戦後を考慮に入れていない。また年金を入れたトータルのインカムも考えていない。
確かに戦後の復興からある期間民間が良かった時期もありましたが、明治維新後の長いタームを考えると、遙かに公務員の方が良い時代が続いていたと言えるでしょう。
私は世代交代論者です。今まで儲けてきた

公務員、ゼネコン、自動車はじめ輸出業界

?はそろそろお引き取りいただけないかと。これからは彼らを優遇せず、他の職種、業種を優遇するべきではないかと考えるのです。

確かに今まで通りの無駄遣いでも潤う民間業種があるでしょうが、それが本当に「正解」だとしたら、財政再建を唱える経済学者はじめ与野党の政治屋はまったくのアホになってしまいます。

歳出を徹底的にカットしたら、確かに不景気になるでしょう。滅茶苦茶ばらまいたら、インフレをともない見た目の景気は上がるかもしれません。
しかし世はバランスであります。どちらもやり過ぎてはいけない。そして、儲けさせる相手を固定するのではなく、今まで散々儲けた人は退場していただき、あらたな人に儲けさせる。これが真の

金は天下の回りもの 

というのではないでしょうか。
それから最後に。件の書き込みにあった

ノブレス・オブリージュ

の使用が間違っております。お金に余裕のある階層が、金の亡者であり強者でもある大企業に

言い値(1300万円)通りの支払いをしてあげる

のが「ノブレス・オブリージュ」ではありません。