羊頭狗肉ではないか、相棒劇場版3

製品だけではなく会社組織にも寿命があると言われておりますが、それはエンターテインメントのコンテンツにも言えるのではないか。
一昨年辺りから更に面白さがなくなってきたテレ朝の「相棒」でありますが、昨秋からの新シリーズではやや持ち直してきたかと思っておりました。

そして土曜の夕方の地上波で

相棒劇場版3 序章

という上映中の劇場版3の宣伝番組に釣られ、友里はキャプテン・アメリカを断念して見に行ってしまったのであります。

結論から言わせていただくと掲題の通り。
宣伝では八丈島近辺の孤島を舞台に、自衛隊も加わった大きなスケールのような内容だと勘違いさせられますが、実態は友里得意の例えを使いますと

国立競技場で卓球の試合を見せられたようなもの

脚本というか、ストーリー展開というか、設定自体に無理がある上に、内容があまりにプア。
殺人のトリックも単純というか、自衛隊出身者(民兵ごっこのリーダー)は証拠の隠滅をしない純粋無垢かと思うほどのアフォ設定。

孤島で民兵ごっこをやるのはまあ許せるとしても、そのメンバーがリーダー入れて

わずか5~6名

とはあまりにショボくて悲しすぎるではないか。
「24」に出てくる犯人グループとは問題になりません。

ネタばらしをするわけにはいかないので詳しく書けませんが、

培養された天然痘菌の拡散や隠蔽を考えず、見つけたものだけを爆破処分して満足して任務遂行としてしまった自衛隊の間抜けさ

には笑ってしまいました。

脇を固める捜査一課のトリオの一人、三浦さん(確か怪我して引退したはずなのに)が出ていたのは良かったのですが、米沢さんはじめ彼ら脇役

あまりにちょい役で物足りなかった

天然痘を持っているからといってそれが他国からの攻撃の抑止力になるとは思えないのですが、ラストでなぜか拘置所で迷彩服の着用を許されている犯人(民兵ごっこのリーダー)が右京さん達に投げた言葉には友里は納得してしまった。

・友達(アメリカのことだろ)が最後まで助けてくれるはずがない
・生物兵器が人道的でない武器というなら、核兵器は人道的な武器なのか
・核を持って良い国は誰が決めたんだ
・核を持ってはいけない国は誰が決めたんだ
・核不拡散は持っている国の自分勝手なだけ(以上要約)

やはり朝日新聞のDNAがあるんでしょうねテレ朝。集団的自衛権などに対する映画を利用した抵抗のようなのですが、肝心の右京さんがこれに対しまともに言い返すことができていない。

国防という流行病だ

と返すのが精一杯。
ネットではこの映画、反国防の非国民映画のように言われておりますが、友里に言わせると、しどろもどろの右京さんのエンディング

逆に国防の重要性と核不拡散の矛盾の訴え

をしているのではないか。

こんな事を書くと暴論だと怒られるかもしれません、核は限られたところに集約(不拡散)するより、世界各国(少数民族自治区にも)に拡散してしまえば

怖くてどの国も攻め入ることが出来ない

極端な話、各人が核を体に装着していたとしましょうか。
危害を加えられると自動的に爆発するようになっていれば

世から殺人や強盗は激減する

自爆覚悟の人でないかぎり、他人を傷つける人はいなくなるでしょうね。

昔、本か漫画かで、究極の防衛兵器というものを読んだことがあります。その兵器とは

自国を攻撃された瞬間に、地球全体を吹っ飛ばす自爆装置

これさえあれば、他国は手を出せないというわけです。

武力や罰などで抑止するのは良くないという人がいますが、それなら

警察も丸腰でいろ
刑事罰なんて廃止しろ

人間、自分勝手で実態は性悪なんですね。
パニッシュメントが嫌だから、かろうじて秩序に従っている人がほとんどではないか。

「堕落のグルメ」(角川SSC新書)にも書いておりますが

性悪説

をベースに物事を判断していかなければ、世界の負け組になってしまうと友里は考えます。