移転して成功した店があったのか?

先日、訪問した和食店で店移転についての話題がでました。その店も移転を考えている雰囲気を感じたのですが、その話でたどり着いたのが

移転して成功した店は皆無に近い

という結論。同伴者も含めて移転で成功した店(客足が落ちない)を無理にでも挙げようとしたのですが、なかなか思い浮かばない。
敢えて挙げるとしたら

鮨 水谷
OGINO
祇園さヽ木
麻布 かどわき

くらいではないか。
上記の4店は移転に際してキャパを増やしても客が入っていますから数少ない成功例。
特に「麻布 かどわき」は、過去にネガティヴな問題を色々突っ込まれましたが、なぜか持ちこたえております。

またキャパを減らしたのがよかったのか移転でも客が減らなかったのが

あら輝

だったでしょうか。
それ以外で、移転で成功した有名店を友里、まったく思いつかないのであります。

例えば移転で大失敗した店。これは主にデヴェロッパーに唆されて再開発ビルにノコノコ出て行った、本来は地元密着型の店。
例を挙げますと

趙楊&かつぜん(交詢ビル)、笹岡(新丸ビル)

など。店内は閑古鳥一色の日も少なくないのではないか。
またこのような地元密着型の店ではない高額店でも、移転によって予約が取りやすくなった元繁盛店がいくつもあります。
その代表例は

アロマフレスカ

先日読者からの情報で、この店が

ポケット・コンシェルジュ(空席情報&予約サイト)に救いを求めていた

https://pocket-concierge.jp/home

と聞いて驚いたのであります。
港区の二の橋近くにある時は予約困難で名を売った人気イタリアンだっただけに、その落差は驚きの一言。
また小さなキャパが後押しして予約が難しいと言われていた「鮨 はしぐち」も今では簡単に予約が入ると言われています。

もっと有名な店は昨年移転したばかりの3つ星の「小十」。似たような店(奥田など)を乱立したことも原因でしょうが、予約困難さは解消してしまった。
また福臨門など一時は日本一の広東料理と言われていたのに、現在は予約が簡単なだけではなく

食べログでは評価3.63、ランキングでは1000位以下と場外

になっているではありませんか。

過去の人気店、有名店でも移転を機に埋没した店は枚挙に暇がない。

キノシタ、あら皮、小田島、カーエム、シュマン

など一世を風靡した店の近況が、現在巷でほとんど聞かれなくなったと思います。(中には一応客が入っている店もありますが)

最悪な例を挙げるとしたら、以前は友里も通っていた

銀座 奈可久の閉店

でありましょう。
時代の変化で世間の流れに乗り遅れたからか。都心(高級地)への移転でCPが劣化したからなのか。いずれが原因でも彼ら店主、

移転さえしていなければ・・・

と臍を噛んでいる人も多いのではないでしょうか。

そしてここからが本日の〆となります。
現段階で3つ星店が移転をすると言われております。

鮨 さいとう
カンテサンス

の2店でありますが、果たして彼らは移転でこれらの歴史(移転すると失敗)を覆すことが出来るのでしょうか。
友里は一歩間違えればかなり厳しくなるのではないかと考えるのであります。

「鮨 さいとう」は巷ではキャパをほとんど増やさないと言われておりますが、営業形態の変更を思いとどまったのか。
「カンテサンス」は前述のポケット・コンシェルジュに助けを求めた前歴があります。往年の集客力に陰りが出てきたのではないか。常連頼りになってきたのではないか。
仮にキャパを増やさないとしても

移転先が御殿山

というのが気になる友里。
本来なら繁盛店が激戦区(銀座など中心地)に打って出て失敗することはあっても、逆に都落ちで非繁盛店が繁盛店になる例はありました。

エルミタージュ・タムラ(軽井沢)

がその典型例でありまして、御殿山も現在ある白金より格下(近辺にお住まいの方、ご免なさい)なので、この定説が成りたつ可能性もあるのですが

最寄りが北品川駅(またまたご免なさい)なので、アクセスとイメージがあまりに現在とギャップ

がありすぎるのではないか。
カンテサンスはポケット・コンシェルジュに救いを求めたといってもまだまだ繁盛店に位置するはず。

繁盛店の都落ち

で成功した例(というか繁盛店が都落ちしたという例)を知らないだけに、友里はカンテサンスの今後に大注目なのであります。