発売中の週刊文春

先週末のJAL機内での事です。隣客がCAに「週刊文春」を要求したところ、「JALに対する憶測記事が書かれていまして用意しておりません」と週刊新潮を持ってきました。
明日にでも会社更生法を申請すると言われているJAL、確かに先週発売の「週刊文春 1月21日号」にはJALが破綻した原因の1つとして「キックバック」の詳細などを暴露した記事がありましたが、それほど神経質になるものなのか。私は行きの機上で、自分で買った文春の記事を堂々と広げて読んでおりました。
臭いものには蓋、というのは例えが違うかもしれませんが、批判や指摘から逃げるこの姿勢こそ、破綻の最大の原因ではなかったのか。このDNAが残っている限り、更生会社になっても立ち直りは難しいのではないかと心配してしまいます。

しかしJAL営業の「キックバック」の記事は驚きの内容でした。キックバック、良い響きではない言葉でありますが、業界用語では「販売奨励金」とでも言うのでしょうか。
カメラ業界などでも存在するこの制度、あらかじめ設定した数量を販売してくれた代理店や販売店に、売り上げの中からある%で現金を戻すことを言います。そう言う意味では、ヨイショライターと「お取り寄せ」の店とのキックバック(歩合制)とはニュアンスが違うかもしれません。
キックバック(販売奨励金)の現金率は、多くても売り上げの数割だと思っていたのですが、JALの場合はその率が半端でないというのが文春の記事なのであります。

記事から主要なところを拾ってみます。
新聞などに旅行代理店が宣伝をうつパックツアー、たとえば〈東京?道東〉の「適用運賃」が9800円とすると、「キックバック」が8100円、つまりJALの実質収入はわずか1800円だというのです。しかもこのパックツアーには「空弁」を付けると言いますから、その代金を差し引くと実質1000円以下の北海道チケットになってしまいます。

本来このキックバックは旅行代理店の新聞広告費用や値引きに利用されることを目的とするものですが、JALのこのケースの場合80%を超えるキックバック率ですから異常としか言いようがありません。
その他の路線でも50%を超えているものが多いようで、結果的には代理店販売額の30%超を後に払い戻さなければならなくなっていたという記事でありました。

JAL再生問題で、前原国交省がさかんにジェット燃料など「現金支出」にも支障がないように配慮すると言っていましたが、「現金」中にはこのキックバックも入っているのではないか。このキックバック債権をカットしようとすると、旅行代理店はみなJALから離反してしまう可能性があるからです。

常連客を食い止めのためのマイレージやフライポイント制維持に加えて、旅行代理店の離反を防ぐためキックバックの支払い保証をするとなると、かなりの負担が今後も残ることになります。
JAL再生の道は本当に厳しいとしか言いようがありません。今からでもANAへ乗り換えようかと迷いだした友里でありました。

本日は「月刊サイゾー」の発売日です。友里掲示板でかなり白熱した「魯山人問題」。ぜひお買い上げの上お読みいただければ幸いです。