水漏れがないのになぜ高濃度放射線量が測定されるのか

インドでも反原発のデモが拡大する傾向にあるようです。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110427-OYT1T00941.htm

BRICsは原発促進に変更なしとの報道もありましたが、やはりそんな甘いものではないようです。大震災のあとの福島原発事故、もう1ヶ月経ってしまったと思う人もいるでしょうが、まだ1ヶ月しか経っていないとも言えるのです。原発新設に関して今月中旬

当社が受注を目指していた国で(計画を)撤回すると言った国はない

と東芝トップが発言していましたが、時期尚早だったのではないか。そんなに素早く撤回を決定する国や電力会社があるはずがない。東電管内の原発新設も

まだ中止や凍結の通達がない

ようですが、それは進行中の福島事故の対応と火力や水力による発電量確保の対策に精一杯で、東電の頭がそこまで回らないだけのこと。欧州やアメリカでも凍結や撤退が始まっているというのに、今回の原発事故の主役である日本で向こう5年以上、原発新設工事が進むはずがないのは

サルでもわかる

ことでありましょう。昨日発売の日刊ゲンダイの5面では東芝・日立・三菱の重電メーカーが

原発輸出に見切り

とありました。中期計画の見直しを進めているとも。
原発を自ら促進してきたトップとして認めたくない気持ちはわからないではないですが、国内外とも原発事業が当面行き詰まるのはサルでもわかること。これからは原発中心でやっていくと

主力工場の設備を原発機器専用に大改造し、更に原発専門の製造子会社も合弁でつくってしまった

メーカーの痛手は想像するに難くない。飲食業にも当てはまるのですが、イケると思って同じようなジャンルの支店をどんどん増やして自滅するケースは歴史が証明しております。
「リスクの分散」は経営の基本のはず。私は以前から

選択と集中はリスク分散と矛盾する

と考えておりました。今回の原発事故は

想定外

だったと言ってしまえばそれまでですが、経営判断は結果責任であります。偶然でも追い風で業績が伸びれば名経営者、想定外でも結果が悪ければ後世でダメ出しされるのが

高給(正確には高額な報酬)を貰っている経営者の宿命

であります。

さて今朝ほどのニュースで、福島第一の1号機の原子炉建屋でなんと

1120ミリシーベルト

を計測したとありました。

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110428ddm003040113000c.html

1時間いたら簡単に1シーベルト(全身被爆の範囲)を超える放射線量を受けてしまいますから無茶苦茶な高濃度であります。
今回の事故でお上が苦肉の策で2.5倍に勝手に上げてしまった年間許容量の250ミリシーベルトでも

15分しかいられない

計算になります。東電はこの地域を経由しない作業を考えると言っておりますが、この線量以上の地域があるかもしれないという想定はしないでよいのか。
昨日のブログに書きましたが、東電は

格納容器に目立った水漏れは見当たらず

と発表していたはずですが、漏れていないならなぜこんな高濃度の放射線量が格納容器外で計測されるのか。相変わらず矛盾だらけの東電発表であります。

原子炉建屋内の放射線量をまともに計測しないで

工程表を発表してしまった?

としたら、なんともアフォな話であります。