本日は「都議選」の投票日です。今回は衆院選の投票日が近いからか、かなり盛り上がっていると聞きましたが、選挙期間中ほとんど立候補者の選挙カーを見ることはありませんでした。候補者の皆さんは、本当に選挙活動を地道にやっているのか疑問ですが、都内の方はぜひ投票へ行ってください。
さて「短評編」の3店ですが、本日はニューヨーク編であります。
ジャン・ジョルジュ
トランプタワーホテル1階のメインダイニング。ジャン・ジョルジュの本店の位置づけでしょうか。
セントラルパーク前の絶好のロケーションではありますが、夜景を求めて「最上階」にはせず、1階に配置したのは「世界の常識」(日本の非常識)でしょうか。
日本人は一人もいなかったですが、不景気だというのにホールは満席。
148ドルの「旬の食材のコース」を頼みましたが、真鯛の刺身がべちゃべちゃでひどかった以外は、まずまず満足しました。
香辛料や香草を多く使った皿、一皿に「甘」、「辛」「酸」を盛り込んだ調理など最近流行の調理ですが、想像したよりも悪くはない。
ワインも98年もののポマール1級(有名造り手)が155ドルでしたからそこらの日本の店より安い。
一人1本以上のワインを飲んでの支払いが400ドル以内におさまりました。
以前、「ブーレイ」、「ダニエル」でもそこそこの満足感を得ましたから(ワインを含めた支払いが日本のグランメゾンより安い)、フランスからのビッグネームシェフの「出稼ぎ提携店」へ行くよりマシだと思います。
マサ
最悪のツマミと握り、そして人生最高の「支払い額」を経験させていただきました。
コース400ドルとは知っていましたが、安めのワインを頼んでの支払いが800ドルを超えるとは想像できなかった。
店内にやはり日本人はいません。
酸っぱいだけのジュンサイ、キャビアの塩味で質をごまかしているとしか思えないトロのたたき、造り置きか固まってしまっている鱧ソーメン、カリフォルニア産のウニやサマートリュフも質悪く、途中で勧められた近江牛の叩き(追加で120ドル)もヌルヌルで塩昆布の味しかしません。
最悪は鱧しゃぶ。とても技量があるとは思えないスタッフが骨切りした鱧はボロボロで、胡瓜酢で食べさせます。鮎は西瓜や胡瓜の香りがするといわれますが、鱧に胡瓜が合うと思っているのか。鱧自体もまったく旨みがありませんでしたので、そのあとの鱧スープもまったく味わいを感じませんでした。
握りは「ほしな」より小さいかと思う世界最小レベル。築地からほとんどのタネを空輸していると聞きましたが、流通の限界でタネはみなベチャベチャ。
ひどかったのは焼きの技術です。奥のスタッフが焼いた鰻を持ってきたのですが、串がはずれません。焼きが足りないので、再度焼き場で再加熱していました。
水が出てベチャベチャのタネの握りが美味しいはずがなく、安いバローロ(100ドル)に抑えたにもかかわらず寿司屋としては人生最高額の支払いとなりました。
使えるカードも制限があり、こんな強気を続けて100年に一度の不況を乗り越えることができるとしたら、NYの寿司店のハードルはかなり低いと言えるでしょう。
再訪はありえません。
ウルフ ギャング ステーキハウス
手違いで「ピーター ルーガー」(超満席)へわざわざ行ったのに入店できず、マンハッタンへ引っ返して飛び込みに近い形で入店。ホールは客が半分もいなかったか。なぜかカウンター上に大リーグを中継しているTVがありました。
「ステーキ for 2」を一人で食べましたが、タリアータ状に既に切られている肉、期待したほどの肉の旨みを感じません。
スタッフに「純正のアンガスビーフか」と聞いたところ、奥に戻って確認しての回答は「シークレット」。
「企業秘密」と回答したら、「これは純正アンガスではない」と白状したようなものではないですか。
100ドルチョイのカリフォルニアワインと前菜やサラダを頼んで300ドルになりました。
もう行かないぞ!