昨日のブログ、5000万円の初競りマグロを取り上げることを優先して、週間食日記を忘れてしまいました。
掲示板でいくつかいただいたご意見、通常の10倍の競り上げだろうが、売名行為だろうが宣伝行為だろうが法的には何の問題もないのだから文句をつけるなというような内容が主でありました。
確かにどんなに高く買おうと、損切りして売ろうと、それが店宣伝であっても人の勝手ではありますが、TV局はじめ大マスコミがみな賞賛しているだけに、少数意見だとしても反対意見を述べるのは必要ではないかと考えたのであります。
普通に500万円(ご祝儀としても7~800万円)で競り落として、損しないで純粋無垢な一般客に提供した方が健全な経営ではないか。
商売ですから損したら取り返すのが常識。その5000万円マグロがなくなったらレベルの落ちるマグロの提供に戻るだけに、1日か2日間限定の高額近海生マグロ提供は、例えれば
カプリチョーザがアルバ産白トリュフをキロ500万円(通常は1/10)で仕入れて1日限定で提供する
ようなもの。友里はそんな背伸びしても意味がないと思った次第であります。
さて本日は年末年始の欧州での3店です。
ムーリス
現在のシェフになってから初訪問。数年前、夏の改装が1日後れたとのことで、店側から予約をドタキャンされてしまっただけに楽しみな訪問でありました。
何と言っても特筆すべきものはホールの天井の高さ。非常に豪華でありました。
テーブルで統一しなければならないデギュスタシオン、結果的には可もなく不可もなくまずまずといった感じ。いずれも印象に残る皿はありませんでした。
今回わかったことですが、肉などの火入れは低温調理ではなく、また立派にソースも存在していたこと。未だに日本で続いている
ソースなし 長時間ロースト生焼け
はもう廃れたのではないかと思ったのであります。
問題点はコース構成。お任せなのに大きなフォアグラが2皿(フォアグラ大根と牛ヒレのロッシーニ)はしつこすぎるのではないか。おかげでそれ以降、フォアグラが食べられなくなりました。(旅行中)
ホール含めた雰囲気は最高でしたが、料理は期待が大きかっただけにちょっと残念かなという感じです。
カルメリート
ブルージュの3つ星。アラン・シャペルの直弟子だそうですが、シャペルのスペシャリテと掲示板で教えられた「フォアグラ大根」はメニューにありませんでした。
アラカルトで頼んだのは、スペシャリテと言われたスペインの海老(ラングスティーヌに似ているが味がもっと濃い)とホタテ。ホタテは黒トリュフを切れ目に挟み込んでおりましたが、いずれもベーコンをベースにしたようなソースでして、濃厚でありました。
アストランスやカンテサンスとはまったく方向性が違う調理であります。悪くはなかったけど、胃が疲れていたからか印象に残るような皿はありませんでした。
ハリーズバー
高い。あまりに値付けが高すぎです。
カルパッチョ、小ポーションでも5000円近く。肉の味もなく、マヨみたいなソースもイマイチでありました。
2皿目はトマトベースのパスタ。3人前はあるかとおもう大ポーション。客単価を上げたい気持ちはわかりますが、あまりにCPが悪いというものです。
前菜とパスタだけでしたが、一人当たり1万円を突破したのではないでしょうか。