最近訪問した店 短評編 10

7/11に取り上げた「日本フードジャーナリスト会議」につきまして、読者の皆さんから色々な情報をいただきました。主宰者だけではなく、事務方の人もまったく「食」とは関係ない人がいるとか。自分の仕事のために人脈造りをしたい人や自己顕示欲の強いブロガーたちがたむろしているのは想定内でありました。まったく「ジャーナリズム」とは無縁の人たちが集まっているだけの「フードジャーナリスト会議」、悪い冗談では足りない「名称偽装」の団体と言えるでしょう。
さて本日は「鮨屋特集」です。マスヒロさんやJ.C.オカザワも褒めている店が入っています。
鮨はしぐち
2回目の訪問です。前回は握り鮨の「沈み」を確認できなかったのですが、今回は立派に置かれた握りが沈み込んでいました。しかし、握りが沈んで何かいいことがあるのでしょうか。ほめたたえている人はそれほど柔らかい握りだ、口に入れるとさっとほどける、と言いたいのでしょう。でも、私が思うに握りは口に入れてある程度食感がなければ美味しくないのではないか。ガチガチなオニギリみたいに固いのもなんですが、すぐバラバラになるのも問題です。そんなに口に入れてバラバラで食べたいなら、握ってもらわないでタネと酢飯を同時に口に入れればいいのではないか。
最近は腕もないのに如何に柔らかく握るかだけを考えている職人もいるようで、置いた途端崩れる場面をたまに見かけることがあります。誰が言い出したのか知りませんが、世には程度というものがあるということです。
はしぐち、タネ数は少なく食の太い方は満腹にならないかもしれませんが、支払額は良心的であります。
巷言われているような最高のタネ、最高の仕事の鮨かと聞かれると答えに詰まります。
鮨 武蔵
マスヒロさんが「おとなの週末」で取り上げていた鮨店。酢飯と〆ものが素晴らしいと絶賛していました。
青山は骨董通りをちょっと入ったわかりにくい場所です。
ご主人は「タネ質がわからないほど仕事しすぎ」と私が疑問を呈した西大島の「與兵衛」で昨年まで2番手をやっていた人。そのことはあまり知られていないようですけど。
しかし本人は「與兵衛」の鮨が好きではないのでしょうか、この店はどちらかというと仕事の軽い「海鮮系」に近い鮨屋でありました。まったく「與兵衛」の面影はありません。
酢飯は水谷とは違った酸っぱさ、たまに仕事した〆物は〆すぎ、と私には?な鮨が続きました。タネ質もそれほどのものではない。マスヒロさんも何を間違えたのでしょうか、今のレベルで絶賛してしまっては、それを期待して訪問した客が落胆してしまいます。黙って誰にも言わず静かに見守ってあげるべきだった。支払額に見合った普通の鮨屋であります。
鮨よしだ
J.C.オカザワが以前から絶賛していた浅草の鮨屋。昼は1000円台のランチ主体ですが、夜レベルのお好みにも対応してくれます。
昼でしたがお好みでツマミと握りをいただいた感想は、「普通の街場レベルの海鮮系寿司屋じゃないか」。タネ質、仕事とどれをとっても銀座の有名店の比ではありません。酢飯も甘すぎ。握りでは要求すると煮切りを引いてくれますが、緩すぎです。
支払はツマミと握りに飲み物で一人1万円前後でしょうか。全然傑出していない街場の寿司屋と読みましたが、夜はオツマミ系が多いとか。JCは毛蟹とか江戸前の鮨屋とは対極のツマミをそろえている海鮮系の店を過大評価する傾向がありますので注意が必要です。そういえば、タネに「サーモン」も用意していました。