早川光氏いわく、肥満体形で腕のいい鮨職人はいない

鮨ブームは未だに続いているようです。次から次へと鮨に関する本が出版されています。自称鮨通、鮨好きな人のお店紹介、職人紹介の本も多い。以前ちょっと触れました映画監督が本業と言っている早川光氏(鮨コミック「きららの仕事」の原作者)の「日本一 江戸前鮨がわかる本」、江戸前鮨の蘊蓄や歴史のほか、江戸前鮨屋の名店を羅列しています。
「あら輝」や「青木」、「つかさ」が名店として挙げられているのに、マスヒロさんの権威付けに利用されているあのゴッドハンドの「次郎」が乗っていない不思議。江戸前鮨の名店のはずなのに、どちらかというと海鮮ネタ系の北海道鮨「すし善」を掲載しているのは矛盾ではないでしょうか。
しかし本当に驚いたのは第二章実践編の「腕のいい職人はスタイルもいい」と題したところであります。
彼の経験の中でとのことですが、凄いな、名人だなと思う職人さんはほとんど例外なく肥満体の人がいないというのです。
早朝からずっと一日中立って仕事している人は肥満になれない、固太り、ちょっと太り気味ならゆるせるが、明らかにおなかがボコッと出ている人や、体を動かしていない印象がする体系の人は、仕事を人任せにしているのではないか。自分は主人だからいいんだ、と言い張るのは結構だがそういう人の握りは食べたくないと言い切ってしまっております。
世間では辛口と言われているこの友里でも、人の体形を評価項目に入れてそれだけで差をつけてしまっていいのかと、その独断というか偏見に驚きました。
何も好き好んで太っているわけではないのではないか。生来太る体質の職人もいるでしょう。細身の職人と太めの職人で、ツマミや握りに顕著に差が出るものなのか。若い衆を雇っているなら、彼らに掃除や仕込みを任せてもいいのではないか。何でも親方が一人でやってしまっては、若い衆は育たないではないか。
そういえば、マスヒロさんや芝浦工業大学教授の古川修氏も絶賛している新橋の「しみづ」。この友里の勤務先を知って「嬉しい」とレターまで置いて行ったにもかかわらず、礼を兼ねて訪問したら入店拒否した珍しい行動をとる親方ですが、世間の評判も良い江戸前鮨の人気店・繁盛店であります。
それなのに早川光氏はこの「しみづ」も江戸前鮨の名店として取り上げておりません。その理由は何なのか、清水氏は誰が見ても決して細めではないですから、それだけの理由で早川氏の選から漏れたということでしょうか。
清水氏は友里が「恰幅がいい」と著書で書いたことが気に障ったと漏れ聞いておりますが、それで友里征耶が出入り禁止になるなら、早川さんも当然「しみづ」には入店することは出来ないでしょう。