円高は本当に「悪」なのか

TVも新聞もマスコミは円高だ、円高だ、と騒いでおります。確かに円は高くなっておりますが、

このまま円高が続くと日本経済は崩壊する

と国民を不安におとすマスコミ達。しかし本当に円高=悪なのでしょうか。

私に言わせると、過保護な輸出企業にとって円高が最悪なだけではないか。円高による経済的なメリット(海外投資など)も充分にあるはずです。
たまたまマスコミのタニマチである自動車業界を筆頭とする輸出産業にとって円高は具合が悪いと言うだけで、ここまで円高=悪を煽って良いものなのか。
仮に

自国通貨高=自国産業にとって最悪
自国通貨安=自国産業にとって最適

であるならば、欧米諸国は現在そのメリットを思う存分享受しているわけです。そこへ

円高は日本にとってまずいから修正を

なんて泣きついても、自国経済が調子悪い個人主義の欧米が日本を助けるものなのか。考えが甘いとしか言いようがありません。

相場は相場に聞け

と言われています。要は主役の投資筋も、ドルやユーロ売りをどこでやめるか、疑心暗鬼なんですね。昇り続ける太陽がないように、沈み続ける太陽もないように、為替も一方的に円高基調が未来永劫続くはずはないんです。
外資系アナリストがさかんに円高危機を煽っておりますが、日本政府の介入にあわせて安心してドルを売りたがっている(決済したがっている)のではないかと深読みしてしまいます。

こなったら円高のメリットを生かして、為替介入なんて無駄な金を使わず、海外の資産や産業を買収しまくったらどうか。
国内に金を使うのではなく、海外へどんどん投資するわけです。海外資産を買いまくっていったら、欧米人のことですから

このままではジャップに乗っ取られてしまう

と直ぐ円安に流れを変えてくれるのではないかと私は考えます。外交は喧嘩です。チキンレースです。弱音を吐かず人(欧米)の嫌がることを続ければ、道は自ずと開けることでしょう。?

先日、菅さんが蒲田でしたっけ、町の輸出産業視察をしている報道を見ました。事業主達はさかんに窮状を訴えておりましたが、

去年だけで赤字が億を超えた

という発言に私は驚いたのです。赤字だけで「億」と言うことは、売り上げに換算すると数億から10億は行っているのではないか。蒲田の町工場がかなり業態を広げてしまったことがわかると思います。
円高でないときに

イケイケ

で円高リスクを考えず売り上げ増・利益増の拡大路線をとって、思惑がはずれてしまうと国へ助けを請う、ちょっと自分勝手ではないでしょうか。

間接的な知り合いなのですが、ナノテクというのでしょうか。一時世界的に流行した高級機械式時計の文字盤(貝殻)の加工をしている事業主がおりました。
業態を大きくしてかなり儲かっていたのでしょう、彼の口からは連日の銀座クラブ訪問に愛車ポルシェの話がどんどん飛び出ていましたが、リーマンショックの影響で注文が激減。いつのまにか姿を見なくなりました。

調子の良い時こそ、最悪のリスクを考えて慎重に行動する。これはあのトヨタでも踏み間違えた事業展開の基本であると考えます。
追い風に乗るだけならサルでもできること。偉そうな言い方ですが、経営者(戦に望む武将も)は、いつでも撤退を考えながら行動するべき。
儲けに奔って図体をでかくし、環境が変わったからといって国に泣きつくのは、潔いとは思えません。

話は変わりますが、菅VS小沢のバトル。強気だった菅陣営から弱気の発言がでているようです。さきほどの報道で仙石さんが

全面対立をさけられる可能性がある

なんて、白旗信号のようなものを出しておりました。自分はやめても良い、と言っているとも漏れ聞いております。

今さら振り上げた拳を小沢氏が降ろせるとは思えません。よほどの屈辱的な条件を菅側が飲まないかぎり、全面対決は避けられないと思うのですがいかがでしょうか。

この時点で譲歩するくらいなら、最初から譲歩しておけばよかったわけです。いざカチンコになってみると旗色が悪いことにはじめて気がついたなんてみっともない。
こんな簡単な「読み」も出来ないサル陣営に、国の舵取りは絶対に出来ないでしょう。