今年になって訪問した店 短評編 32

最近はどこへ行っても「景気が悪い。大変だ。」「この状態が1年続いたらかなりの会社が持たない」といった話を聞きます。何ら仕事と関係ない人たちと触れ合うスポーツクラブでもこんな話題ばかりですから、かなり深刻な状態をみなさん自覚していると思います。
ミルメーカーも自動車販売の不振で高炉を止めたようですが、私は以前から自動車メーカー(特にトヨタ)が年々最高利益を更新するのが不思議でありました。
周りでトヨタを買い換え続けている人をまったく見ません。
また外車愛好者でさえバブルの時と違って、1年や2年で新車に買い換える人はいないでしょう。
東京ではレクサスを多く見かけますが、全国的に売れているのか?
この開発に携わった関係者に聞いたところ、実は最初から苦戦しているとのことでした。
日本人は見栄っ張りですから、ベンツやBMW、ポルシェをやめてレクサスへ乗り換える人なんて希有であると思っていましたから、やはりそうだったかと納得したのです。要は日産など他のメーカーの高級車(自社のクラウンからも)からの買い換えと、海外販売で利益を上げてきただけだったのではないか。隆盛の土台は結構柔だったと思います。
買い換えサイクルの長期化、都会人の車離れ、富裕ステータスを示すものが他の製品に移った、など「車」は実は前から転換期にかかっていたと思うのですが、一時的な輸出好調が思いの外長続きして、あの奥田氏の厚労省擁護での「傲慢発言」(広告をやめてプレッシャーをかける)が飛び出すほどトヨタは増長してしまっていたと思います。
今の状態はちょっと行き過ぎの感もありますが、自動車産業の実態をようやく反映した傾向になってきたと思います。
今後は中国やインドなど新興国への輸出に活路を見出せるか、これが見出せないようならF1からの撤退を決めたホンダのように、トヨタも大きく方向転換をしなければならなくなると考えます。サブプライムがキッカケで、右肩上がりから、一気に「成熟産業」を通り越し右肩下がりの業界になってしまったと言えるでしょう。
さて3店です。今回は東京外です。
けいしゅう 
神戸市の鷹取にある焼き肉屋です。タン、ロース、内臓肉とすべて本物の神戸牛のものを仕入れているとのことでした。
確かに肉は旨くしかも沢山たべても安い。近くにいればちょくちょく行きたい店ですが、タレ味の連続はキツイ。次回は塩胡椒で食べてみたいものです。
そったく つか本
祇園に移転後はじめて訪問。価格がアップ(1万3000円)と若い衆が1名増えているのが大きな変更であります。内装など雰囲気も京都チックで東京人には受けそうです。
1万3000円にしてはCP含めて味わいも良いと思いますが、有名産地名を連呼する主人、絶対的に評価したら質は「産地負け」していると感じました。
お酒飲んで一人1万6000円ほど。東京でこの支払いだったら超人気店になるでしょう。
大阪の過大評価店「本湖月」のデザイナーも常連のようですが、自己顕示欲が出すぎで目立ち過ぎでした。
菊乃井 本店
一応「料亭」のはずですが、うるさい客が多かったです。宴会場のように大騒ぎしている部屋がありました。
わずかな経験しかないですが、東京の料亭とは段違いに悪いサービス。部屋にスタッフが張り付いていないので、酒類の追加は料理を持ってきたときでないと頼めません。
2万5000円と高いコースを頼みましたが、創意工夫のない多皿だけのただの「宴会料理」。普通の旅館レベルと大差ありません。
ご飯持ち帰り用の「折り」代として300円請求するのは赤坂と同じ。料亭でこんなみみっちいことをするのが「真の京料理」なのか。
マスコミ露出大好きな料理人の店に、CPどころか美味しい料理を期待してはいけません。