予測不可能な創作料理の数々、ALINEA(シカゴ)

あらかじめ準備していたブログ原稿の前に、岡ちゃんジャパンのデンマーク戦勝利について書かなければならないでしょう。
まずは日本の勝ちを純粋無垢に信じて応援していた方々、相手のヘボキーパーに助けられたとはいえ頑張った代表選手に岡ちゃん、おめでとうございます。

仕事先の帰りの車中、まったく理解できないラジオの実況中継を聞いていて、アテンダーからまず本田の1本が決まったと聞いて私の予想は5割方はずれる予感がしました。そして何のことはない30分頃、アナウンサーが意味不明な大声を再び発して遠藤がまたフリーキックを1本決めたことを知らされました。もうダメポ。9割方はずれを覚悟。

ようやく連れの会社へたどり着き後半はTV観戦しましたが、3?1で日本勝利となって複雑な気持ちになっていた友里。日本が決勝トーナメントに勝ち進んだので祝いをしてやると、先方からブランドであるアルゼンチン牛を出すシュラスコ屋へ案内され、やけ食いしてただいまホテルへ戻ってきました。(アルゼンチン牛は赤身でホント美味しかったです)
決して逃げてブログのアップを遅らせたのでないことをここに弁解させていただきます。?

やはり素人の予想は外れるものなのか。いや、プロのサッカーライターを自称する人たちも「0勝3敗」を予想した人がいましたから仕方がないものなのか。
そんなに簡単に勝負事の結果が当たったら、ギャンブルで一財産簡単に稼げてしまいますから、はずれても仕方ないと負け惜しみを言いたい。とはいえ、予想が完全に外れてしまった件につきましては、遺憾の意を表させていただきます。

験担ぎと言いましょうか、パラグアイ戦も日本敗戦の予想をさせていただいた方が良いようですが、パラグアイのチームをよく知りませんので、ここは日本の勝利を予想しておきましょう。結果は2?1であります。(これを最後っ屁と言うのでしょうか)

さて、ここからが用意していた原稿であります。

読者の方とあるフレンチシェフに教えて貰った、今シカゴで大人気のレストラン、ALINEA。予約困難と言われましたが、意外に5月はじめにあっさり予約が入りました。
アイデア枯渇で閉店(一時的と言っています)の「エル・ブジ」のシェフ、フェラン・アドリアが

自分を超えるシェフ

?と言ったという話を聞いて友里はすぐに飛びついたのです。30皿以上出るというのでモダンスパニッシュかと思ったのですが、食べた後の結論は

何料理かジャンルがまったくわからん

でありました。ジャンルどころか、最初の説明を聞かなかったら、私の舌では使用食材もほとんどわからない。あるものは非常にしょっぱいだけ、あるものは甘辛、そしてもう1つはハーブを多用、と味付けはだいたい3パターンくらいか。

でも、ここは「エル・ブジ」みたいに食材を微塵切り、もとい、再構築するだけではなく、「器」にも多くの仕掛けを忍ばせて客を驚かせるのです。器のデザイナーともコラボしていると聞きました。
ではどんな仕掛けだったか。本当は自慢して全部書きたいのですが、私が判断するに

料理(調理法や盛りつけ)と器が奇抜なだけの店

でありますので、この詳細を書いてしまったらイリュージョンのタネを見る前に明かしてしまうようなもの。これから訪問予定の人には興ざめになりますので、しばらく期間をおいてから詳しく述べてみたいと思います。器も都度新作するようですから、そうは短い周期でコースを変えることは不可能ではないかと考えます。
でも「極北組」の住人のように

本当は行っていないんだろう

?と言われると癪なので、一番驚いたものをちょっと。

最後のデザートはパティシエがテーブルに来て盛りつけてくれるのですが、これだけは「器」がありません。でもその「器」がないのが一番のサプライズ。
これは2種あるコースのなかで高い「ツアーコース」にしかないのでご注意下さい。
HPには、料理の写真が一部載っておりますが、肝心のこのデザートはないようです。やはり仕掛けがマル秘なのか。

http://www.alinea-restaurant.com/pages/gallery/gallery_cuis.html

純粋に料理を味わいたい人や料理に合わせてワインを選びたい人にはまったく向いていない店。恋人と二人で驚きを共有したいカップルに一番向いている店だと思います。

コース225ドル、ワインペアリング170ドル、サービス料18%ですから、客単価4万円台後半になる超高額店であります。

今回は(今回も?)、寂しく一人で訪問した友里。同じ驚くにしても、心を許しあう女性と一緒に楽しみたかったというのが本音であります。換言しますと、一人じゃもう再訪しないけど、二人でならもう一回行ってみたいということ。

最後に料理以外の感想です。
アメリカは景気が回復しているのではないか。高額店が軒並み満席でありました。
また結構ワインを飲む人が多い。「ALINEA」の1階ホールは5卓ありましたが(その1つが私の一人席でした)、全員がワインペアリングを頼んでおりまして、10数杯のグラスワインを皆飲んでおりました。

アメリカは経済に加えて「肝臓」も強いようです。