ロブションはジャーナリストに「タダ飯」を出している! 1

読者からの情報で、「ロブション自伝」(中央公論新社)を購入、急いで目を通しました。
ロブションをインタビューして書かれたというこの自伝、原本の問題か訳者の問題かわかりませんが、日本語が変。お前に言われたくないと突っ込まれそうですが、私でも違和感を覚える文章なのです。
もう少し編集してくれたほうが良かった。
自伝と称していますから大半が引退した1990年半ばまでの成功自慢なのですが、最後に「その後ジョエル・ロブション」として訳者による日本語版特別インタビューがついて、なぜか引退10年以上経た昨年3月の出版。そのためかなり矛盾した内容になっております。
引退後は、商業権(営業権)が売れたら静かでより普通の生活がしたいと言っていましたが、現在では金儲けのため、もといミシュラン星数獲得、維持のため世界中を飛び回っております。弟子5人から頼まれて再びレストランに関与するようになったと弁解していますが、デュカスの成功でじっとしていられなくなったと見る人は多いはず。もっと自分に正直になっていただきたいと考えます。
ロブションの語りで私が一番驚いた点が2つあります。読者の方からもそのところを重点的に読み取れとの情報提供でありました。
この本では出会った人、世話になった人の事が書かれているのですが、日本ではツーカーの仲、良き理解者であり友人でもあるように振る舞っている山本益博氏のことがまったく出てきません。マスヒロさんの著書では頻繁に登場するロブション、二人の相手に対する想いにかなりの「温度差」があると推測します。でもマスヒロさん、片思いのようでかなりみっともないのではないでしょうか。
しかし本命の驚きはこんなものではありません。なんとロブションは、ジャーナリスト(レストラン批評家)から料理の代金はとらない主義だというのです。
こんな事を公に発言していいのでしょうか。彼の店へ「実名」で訪問した料理評論家やフードライターは、料理代金の請求をされないと言うことです。
山本益博氏、来栖けい氏、横川潤氏など実名(ペンネーム)での訪問を認めている人たちの見解をぜひ聞いてみたい。
今週は「ロブション自伝」について、「タダ飯」の是非を中心に取り上げていきたいと思います。
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