先日東武ホテルで打ち合わせがあった帰り、昼飯に「ラ・ソース古賀」へ立ち寄りました。
日刊ゲンダイもふくめてコラムでは何回か取り上げたこの店のコンセプト間違いによる集客苦戦問題。
具をオーダーすると2千円近くになるカレーがメインで昼からの通し営業。大箱なカウンター席を一杯にするのが無理なのは、オープン数ヶ月で店先を通れば誰でも確認できました。
昼時で絶好のカレータイムのはずですが、相変わらず満席ではありません。客も5分に1人くらいの割合でしか入店していません。しかし着席してカレーをオーダーして店内を見渡した私は何か違った印象を持ちました。
奥のテーブル席があんなにあっただろうか。カウンターが小さくなっているようにも見えます。店のパンフも変わっています。
振り返ると壁際の黒板になにやら料理が細かく書かれているではありませんか。
男性の責任者らしき人に変わって仕切っている女性に聞いたところ、5月半ばにリニューアルして夜はビストロ料理を主体にし、カレーやブイヤベースなど今までの主力4種は最後の〆料理に変更したとのことでした。
カウンターも短くし、テーブル席も増やしたそうです。カウンターの天板も色を濃くしたとか。
「カレーも出すカウンター洋食屋かフレンチ」にしないと難しいだろうと5月に書きましたが、誰でも思うところは同じなのかその通りになっているのに驚いたのです。
1千円以下の前菜は鶏白レバー、バーニャカウダ、生ハム、瞬間スモークなど。メインはあまりないようで鴨コンフィが1800円、ほほ肉煮込みが1600円だったでしょうか。
厨房施設の制約か、厨房スタッフの技量の問題なのか、ビストロと言っても料理数は少なく造り置きできるものや手のかからないものが主体のようです。
これから実績を見て品数を増やしていくのかもしれませんが、ちょっとビストロとしては寂しい。
カリフォルニアが過半数のワインリストもヴィンテージがも書かれていません。何を狙っているのでしょうか。
「流行る店」(吉野信吾著、 日経BP社)という本にもありましたが、集客が苦しく何か手を打つときは中途半端ではなく全面的に変えないと、客は前の悪いイメージを引きずってしまってリニューアルの効果がなかなかでないはず。
古賀シェフの妹さんらしき女性がカウンター内で頑張っているだけに、店内の再改装はもう無理でしょうが、より料理を充実させ、フランスの安めのワインを主体にするといった「こだわり」を見せないと、方針変更の効果が出にくいのではないかと考えます。
オープン当初褒めまくっていたマスヒロさん、さとなおさんには、リニューアル後のフォローもぜひしてもらいたいものです。なぜリニューアルしなければならなかったかという考察も含めて。