今回のナレ氏との対談で、一番のポイントにしたかったのがミシュランの頑なな「掲載拒否の否定」への突っ込みです。あらゆるマスコミの緩い質問に対し、「掲載拒否なんてない」と堂々と公言していたナレ氏ですが、実際実名で「掲載拒否した」という店主が発言しているわけです。私も直接何店もの店関係者から「掲載拒否した」と聞いておりましたから、ここは何とか追い詰めたいと考えた次第であります。
果たして予想通り、ナレ氏は最初から否定。いくつかの店名を挙げて更に突っ込むと、対談記事では緩い表記になっておりますが、「掲載拒否したと言っている店は、掲載されなかったので僻んでデタラメを言っている」みたいなことを言い出したのです。
掲載拒否した料理人の人間性を否定するこの傲岸不遜な言い文にカチンときたので、「京味の西さんもデタラメを言っていると言うのか。そんなことを言ったら日本の食通をすべて敵に回すことになるけど良いのか」と迫って、「写真撮影の拒否がありその場合は載せなかった」というような詭弁で渋々「拒否」を認めたのでした。
今まで散々「掲載拒否なんてない」と言い張って来たので、今更「掲載拒否はあった」とは言えない立場、そんなこと認めたら完全な敗北となりますから、「写真の撮影の拒否」と逃げをうったこの詭弁、ホントナレ氏は狡猾であると考えます。
対談の初っ端だったので、これ以上突っ込んだら対談が成立しなくなると考え、事実上の「掲載拒否認定」ですので話題を次へ振った次第です。
今回の対談記事を読んだ知人からは、「突っ込みが足りない」、「結論がなく曖昧」との厳しい意見もありました。
友里征耶を論破して再びミシュランガイドを盛り上げ来年度版の売り上げを確保したいとの思惑からこの対談に臨んだと思われるナレ氏、「ああ言えば上祐」以上の「逃げ」、「話のそらし」の達人でありまして、途中顔を赤くし口角泡とばして気色ばむスリリングな場面もありましたが、最終的には「つかみ所のない鰻」みたいなもので1時間半の対談時間をそれ以外はあまり成果なく消費してしまいました。
通訳、ミシュラン広報、週刊誌記者、広告代理店、速記者が同席していましたが実質二人だけのこの対談形式ではこれが限界でしょうか。