ミシュラン効果もピークを過ぎた?

一時はどうなるかと心配したミシュラン掲載店の予約。問い合わせが殺到するのは予想できましたが、発売直後は特に3つ星に予約の電話が集中したそうです。「水谷」、「小十」など一日中電話が鳴りっぱなしで一人スタッフを専門につけている、といった噂も聞きました。同じく3つ星の「カンテサンス」は、集客が順調でなかった時期も昼間に受話器を上げていたくらいですから、本当に予約電話が殺到してどう対処したのでしょうか。
とりあえず年内は2月以降の予約を受け付けず沈静化を待った店も多かったようですが、年が明けたらかなり状況が急変して驚いている店もあるのではないでしょうか。
読者の方からの情報ですが、年末までは昼夜一杯と断られていた3つ星店に年初であっさり当日入店することができたとか。また他の店でも、ランチは相変わらず難しいようですが、夜なら結構簡単に予約が入る店も多くなってきました。
はじめて訪問する読者はミシュランを読んで、まずは安い設定のランチを狙うのでしょう。とにかく「ミシュラン星付き店」へ行ったという話のタネを得たい人は、フレンチなどではクオリティが落ちる可能性のあるランチを回避することはしないようです。
また昼でも夜でもいいから、とにかくその料理と言うより「星の付いた店」へ行って来たということを自慢したい人が予約電話に殺到したことが容易に想像できます。
しかしこのような単発な客はあまり責任感を持っていないのか、簡単にドタキャンをしてしまうようです。いくつもの店をとりあえず予約して、際になってキャンセルする。もしくはキャンセル通知もしない予約客もいたのではないか。
とにかく販売部数を伸ばすため、普段食べ歩く趣味を持たない人たちをターゲットにキャンペーンを打ち、そのような人たち向けの内容にしてしまったミシュランですから、このような弊害が出てしまうのは無理ないことであります。
知人の話ですが、年末の2つ星和食屋、あっさり夜の予約が取れたそうですが、2日後に確認の電話が店からバンバンかかってきたそうです。「確認できなければキャンセルとなります」と留守録にあったそうですが、予約日の1週間前ですよ。あまりに神経質ではありませんか。おそらくミシュラン発売から1ヶ月、かなりのドタキャン攻撃をくらっての防衛策だったと思いますが、年末で忙しい時期の執拗な確認電話、結構迷惑に感じる客もいたでしょう。
年が明けて、そのようなミーハー客も少しは熱が冷めたのではないか。熱しやすく冷めやすいのが日本人の習性ですから。何カ月もたってから「ミシュランの店へ行ってきた」と言っても自慢にならない。やはり勝負は発売後1ヶ月の年内だったと私は考えます。
掲載された店には、一時の騒動に浮かれず地道な努力でこの年末に再び星を獲得できることを望みます。
掲載文があまりにド素人であるなどかなり批判を浴びましたので、次回の出版では判定基準含めてかなり修正してくる可能性があるからです。