旅先のモバイルでは拙ブログ(正確にはHP)へのアクセ数解析をみることが出来ないので、一昨日からはじめたこのシリーズ(ミシュランガイドの実売数について)がどのくらいウケているか、スベっているかわかりません。
掲示板を見る限り、友里征耶の意気込みとは反対にスベッているように感じますが、いよいよ本日が最終回。本題であるミシュランガイドの推測実売数など具体的な数値を出すことにします。
下記の横一列の3つの数値は、左からある大手書店(昨日説明済み)での、ミシュランガイドの仕入累計、売上累計、そして返品率を若干ボカして表記しております。まずはご覧下さい。
東京版2008
20,000チョイ 20,000チョイ 0%に近い
東京版2009
19,000弱 7,000チョイ 60%チョイ
東京版2010
5,000台半ば 2,600弱 50%強
京都・大阪版2010
10,000チョイ 8,000弱 20数%
初年度は例の法則を当てはめると、全国での推測実売数は20万部強。ミシュランサイドが重版を入れて
20万部売れた
と豪語したように、ベストセラーであります。返品もほとんどないですから、文句の付けようのないパフォーマンス(データを提供していただいた読者の評価)であります。
熱しやすく冷めやすい日本人の性格を読み違えただけではなく、内容も初年度版と大差なかったから失敗したのでしょうか、2009年版の刷り数は初年度と似た20万部に近いと思うのですが、実売はこのデータから推測してせいぜい8万部程度。返品率は60%ですから完全な作戦ミス、失敗です。私は初年度発売の時、
そのうち数万部に落ち着くはずだ
と述べましたが、イケイケのナレさんには警告にならなかったようです。
2009年版の失敗を反省してか、2010年版は慎重になりました。恐らく刷り数を半減したと思うのですが、ミシュランガイド離れに歯止めはかからず、推測実売数はなんと
3万部
です。グルメ本で一番売れていると言われる文藝春秋社の「東京いい店うまい店」(ただし2年に1回の出版)とほぼ同じレベル(これも勝手な推測)になってしまいました。
しかし刷り数を推定6?7万部に激減させても返品率が50%を超えてしまったことに、ナレさんはじめミシュランサイドは焦ったのだと思います。
そのテコ入れが、対象地域に横浜と鎌倉の追加。売上減に歯止めをかけるための苦肉の策というか諸刃の剣の対策です。調査員の数をそうは増やせませんから、新たな地域の調査を優先して既存の地域の再訪や発掘がおざなりになって内容が劣化する危険があるわけです。
京都・大阪版は1年目であったため、強気で10万部ほど刷ってそこそこの実売(推測8万部台半ば)となりましたが、返品率が20%以上なので危機感を持ったのではないか。
東京版と同じく神戸を対象地域に増やすという策を2年目に打ってきたわけです。
しかし今のところこの京都・大阪・神戸版2011、アマゾンのランキングを見る限り去年ほどの勢いがありません。あくまで友里の推測ですが、最終的には実売数万部で止まるのではないかと考えます。
世界100カ国で年間100万部を売り上げていると豪語するミシュランガイド。でもよく考えると
1国当たりの実売は平均して1万部
ではありませんか。日本で20万部も売れたこと自体が異常でありまして、どう足掻いても数万部というのがこの手のガイド本の宿命であると考えます。