フレンチには本山葵はむいていないらしい

昨晩放送されたミシュラン関連のTVを見ましたか。私は睡魔に襲われて途中で寝てしまいまして、ミシュラン元調査員やパッサールのインタビューくらいまでしか記憶にありません。
意外に感じたのが、ミシュラン調査員の店調査方法です。90数パーセント、一人で入店するという話はホントかいな、と思ってしまいました。男一人でのフレンチは、日本だけではなくフランスでも怪しく思われるのではないか。不自然です。メモとらないのはわかりますが、一人では頼む料理も限られていて一回では判断できないのではないか。良いと判断したら、続けて他の調査員が訪問するそうですが、明確な判定基準があるとはどうしても思えません。
星をつけると決定した後に、ミシュラン調査員の身分証明書を見せるというのも理解できない。その時点でその調査員は「覆面」ではなくなってしまうからです。こんなことをしたら、どんどん顔がばれていくではありませんか。本場のミシュランは、我々が思っているほど厳格で覆面性を保っているものではなく、ある程度店側と「予定調和」の状態にあるのかもしれません。
またパッサールの最近の料理、野菜と魚だけで数万円払うのはちょっと躊躇します。私は肉も出していた時期にしか行った事がないのですが、価格もそんなベラボーに高くはなかたっと記憶しております。
さて、その番組とは違ったのですが、「ケイズ パッション」の松嶋シェフが出ていた番組での事です。
彼のスペシャリテに、牛肉のミルフィーユのようなものがあります。今春、フォーシーズンズで催されたフェアで私は食べた事があるのですが、アクセントとなる調味料に「山葵」を使っておりました。
その山葵ですが、松嶋シェフは「本山葵では駄目、チューブ山葵が最適である」と言っていたのです。
JCやマスヒロさんのように、何でもかんでも「本山葵」を連発する人には考えられない発言でしょうか。
要はケースバイケース、その食材や調理にあった調味料を使用するべきだと言う事でしょう。
軽自動車やトラックに「ポテンザ」を履かせても意味がないと私は例えた事があります。バイアスタイヤで充分だと。
廉価なスシやフレンチも、練りやチューブの方が合う可能性があるということです。
「山葵」だけホンモノを要求するJCやマスヒロさんが、化学調味料の大量添加に寛大、もしくは気がつかないのが不思議であります。本来、「本山葵」に拘るほどの舌の持つ主なら、手抜きを助ける「まがい調味料」の使用も糾弾するべきでありましょう。
なぜ、「本山葵」だけあれこれ言うのか。彼らのお気に入りの店でも、かなり化学調味料を使用しているところがあります。「本山葵」はわかるけど「化学調味料」の大量使用はわからない、というのでは彼らの舌への信頼度は落ちるというものです。